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ばいやんの次世代を担う2人:🇺🇸リチャーズ & 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿ムシアラのインタビュー

ばいやん公式が、期待の若手2人にインタビューを行い、トップチームデビューや、今のばいやんの印象、将来への抱負など詳しく聞いた。

リチャーズ:やあ、僕はクリス・リチャーズだ。

ムシアラ:僕はジャマル・ムシアラだ。

リチャーズ:今シーズンの最初、僕たち若手選手はみんな、トップチームの練習に参加するようになった。登録メンバーにも空きがあった。だから僕らは、練習で良いパフォーマンスを見せれば、もしかしたらチャンスがあるかもと思ったんだ。そして、シャルケ戦だった。いや、昨シーズン?フライブルク戦だったかな?ああ、そうそう。昨シーズンのフライブルク戦だったね。僕らは全員とても盛り上がっていた。すでにタイトルを獲得していたからね。十分な試合結果なら、もしかしたら若い選手たちも(トップチームの試合に)途中出場できるんじゃないかと、僕は思ったよ。そしたら、僕の名前が呼ばれたんだ。忘れられない瞬間だったね。

ムシアラ:僕ら全員がウォーミングアップするよう呼ばれたんだ。それで、他の選手たちと一緒にピッチ端に向かったんだけど、その時の僕は、神経が張り詰めていた。そして、ウォーミングアップするように指示が出た。素晴らしい気分だったね。緊張はまったく無かった。でも、このチームの一員であることへの、興奮に満ちた気持ちはあったよ。

リチャーズ:僕はかなり緊張したよ。ディフェンスだし、後方で一度でもミスすれば、失点に繋がる可能性もあるからね。でも、しっかりと普段通り自分のプレーができれば、緊張する理由なんて無いと分かっていた。

ムシアラ:夢が叶ったような気分だったね。子供の頃から、(ばいやんのトップチームでの)デビューを夢見ていたからね。途中出場の数分前、いや数秒前には、「ワオ!ついにこんな偉大な選手たちと一緒にピッチに立てるのか」と考えたよ。もう素晴らしい気持ちだったね。

リチャーズ:それは、僕も同じだね。ここには、ワールドカップで優勝した選手たち、チャンピオンズリーグのタイトルを獲得した選手たちがいることを考えた。サッカーで勝ち獲れる、あらゆるタイトルを獲得した選手たちなんだとね。こうした選手たちのプレーを見て、憧れて、僕らは育ってきた。そして今や、彼らと一緒にピッチに立っているんだ。これはまさに、本当に驚くべきことだよ。昔一緒にサッカーしていたかつての仲間たちには、凄い経験をしてしまったとメッセージを送ったんだ。それも、もうかれこれ5年くらい連絡を取っていないような人たちだね。そしたら、こう返事が返ってきた。「君が夢を追いかけている姿を見るのはワクワクするよ。今や世界最高のストライカーにアシストするんだぜ。どんな気分だよ」とね。もう信じられない気分だ。他の選手と何かを比較されるかも分からないけど、母国アメリカからもらえる愛情というのは、本当に信じられないものだね。家族や友人、昔の先生たちやクラスメイト。本当に素晴らしい気持ちだ。

ムシアラ:僕は初ゴールの後に幸せを感じたね。自分を過小評価することはないんだと思った。本当に幸せな気持ちに溢れたよ。イングランドでの学生時代の仲間、それもクリスと同じように、もう何年も話してない友人に言われたんだ。「ゴール決めたのを見たよ」とね。これには驚いたね。

リチャーズ:いや、本当に素晴らしいことだ。このチームには、すごくたくさんの偉大な選手たちがいる。僕自身、伝統あるばいやんにおいて、史上初のアメリカ人選手としてブンデスリーガに出場するという歴史を築いた。これは僕や僕の家族にとって本当に大きなことだ。母国アメリカでは、それほど多くの人々がサッカーをしているわけではないからね。だからこそ、こんな小さな地方出身である僕が、出場機会を勝ち獲れたことをとても誇りに思っている。

ムシアラ:433(英国のサッカー雑誌)が僕(のInstagram)をフォローしていると思う。僕はずっと前から433をフォローしてきて、突然フォローされたね。驚いたよ。思ってもみなかった。少なくとも、フォローなんてまだまだ先のことだろうと思っていた。本当にハッピーだったよ。

リチャーズ:ブリーチャーレポート(米国のスポーツメディア)は、僕(のInstagram)をフォローしている。たしかそうだったと思う。でも昨年、僕がデビューを果たしたら、マヌ・ノイアーが初めてフォローしてくれた。そして、世界最高のキーパーが僕をフォローしてくれたんだと思うと、凄く嬉しくなったね。いや、でも今年おそらく最大のフォロワーは、ブリーチャーレポートかな。ここにはこう書いてある。「クリス・リチャーズは、アラバマ州バーミンガム出身の20歳のディフェンダーで、ドイツのディフェンディングチャンピオンばいやんでデビューを果たした。かつては、こうした強豪チームと対戦したというだけで名誉なことであったが、今や、こうして彼らはスタメンに名を連ねているのだ」とね。実は、僕の故郷の街は、アメリカンフットボールが盛んだ。いくつものアメフトの強豪チームがあるし、有名なアメフト選手たちだって輩出してきた。今、僕は世界に伝えたい。僕らの街や国は、アメフトだけではないということを。僕にとっては、やや引け目を感じる部分もあるよ。バスケットボールの選手やアメフトの選手にだってなることができたのだからね。でも、僕はサッカーをやると決めたんだ。これによって、母国にいるより多くの人々に知ってもらいたいと思った。サッカーは、アメフトやバスケのように、有名なスポーツの一つなんだということをね。

ムシアラ:ああ、まさに栄誉なことだ。こんなに偉大な選手たちとともに、名前を連ねることができるなんて。ばいやんは、今や世界最高のクラブの一つだからね。クラブの最年少ゴール記録は本当に名誉なことだ。そして、このクラブの一員であることをとても誇りに思うよ。

リチャーズ:おお、これは覚えているよ。母親がこの写真を僕に送ってきて、こう言ったんだ。「あんた、サッカー雑誌に載ってるわよ。それも、世界中で読まれてる雑誌よ!」とね。僕にこのメッセージを送ってきた時には、母はもう涙を浮かべてたと思う。というのも、僕がまだ幼い頃に初めてサッカーを知ってからは、世界中の他の何よりも、プロサッカー選手になりたかったことを母は知っていたからね。

ムシアラ:(記事を読みながら)「ムシアラはミュラーにパスを出すこともできた。だが彼は自ら切り込んでシュートを放ち、ゴールを決めた!よくやった」

トーマス・ミュラーは君に何か言ったかい?おい!?とかそういうセリフは。(笑)

ムシアラ:いやそれはなかったけど、彼は聞いてきた。パスコースは見えていたか?と。そして、僕は「ああ、見えてた」と答えた。パスを送ることもできたんだけど、僕はシュートできるスペースがあることに気付いたんだ。なんとかうまくチャンスを活かせたね。

ってことは、パスは見えてた?

ムシアラ:ああ、パスは見えてたよ!五分五分だった。五分五分だったね。

ドルトムントとのライバル関係について知ってることは?

リチャーズ:大きくなってブンデスリーガを観てると、分かってきたことがある。ドルトムントとばいやんの間には、とても大きなライバル関係があるんだとね。そして、今の僕ら2人には、ドルトムントに共通の友人がいるんだ。友情の気持ちを越えて、ドルトムントは常に倒したい相手ではあるね。それは歴史に裏打ちされたものであり、とりわけドルトムントのような相手には、決して負けたくはないという思いがあるね。

ムシアラ:何年か前だけど、僕はスタジアムでばいやん対ドルトムントの試合を生観戦した。スタンドでファンに混じって観戦したんだけど、その雰囲気は凄かったね。どちらのチームが勝利への意思を見せるかが常に勝負を左右する展開だった。素晴らしい試合だったね。だから僕は熱狂していたよ。

ドイツでの生活に慣れるのは大変だった?

ムシアラ:僕は昔ドイツに住んでいた。シュツットガルトで生まれて、7年間ドイツに住んでいた。そして、7歳くらいの頃にイングランドへ引っ越した。8年間そこで過ごしたね。そして、またこっち(ドイツ)に引っ越してきた。引っ越してすぐは、イングランドとは勝手が違っていて、やや難しい時期もあったけど、そうだね、まあ数ヶ月もすれば慣れてきて、かなりよく馴染めたと思うよ。

リチャーズ:僕は全然違ったね。もちろんドイツ語なんて喋れないし、本当に辛かったよ。でも、一人暮らしだったダラスとは違い、キャンパスに来た一年目、30人もの仲間たちと共に過ごした。彼らとは毎日顔を合わせ、やり取りせざるを得なかったね。大抵は、みんな英語で話してくれた。その点、僕にとって最初は本当にキツかったよ。今になって分かることは、ピッチ上で結果を残せば、ピッチ外でもうまく行くということだ。だから、僕は100%集中していたよ。ピッチ外で、そして、どちらかと言えばピッチの上で特にね。でも、これは大きな転機となった。

ドイツ語で好きな言葉は?

リチャーズ:うーん、ドイツ語で何か良い言葉はある?

ムシアラ:いい感じのドイツ語ね。

リチャーズ:冷蔵庫(Kühlschrank)かな。

え?冷蔵庫だって?(笑)

リチャーズ:
ああ、僕の好きなドイツ語だよ。ちょっと変わった単語を挙げるのが好きだ。これもたぶんそのうちの一つと言えるだろうね。

故郷を離れて、何が一番恋しい?

ムシアラ:僕は、今は友人たちだね。8年間もイングランドに住んでいたから、凄く親しい友人たちがいるんだ。おそらく、挙げるとしたらそれだけだね。そのほかは、ここ(ミュンヘン)でとてもハッピーだよ。

リチャーズ:友人や家族のほかで言えば、食事かな。ハハハ。チックフィレイ(米国のファストフード・チェーン)のような店が好きだよ。チックフィレイは、僕にとって、腹ごしらえするのにとっておきの場所だね。買い物袋を持って母国へ帰れるのなら、チックフィレイのチキンサンドウィッチを袋一杯に入れて持ち帰りたいほどだよ。

ばいやんの運営するユース育成プログラムの一員になるとは、どういった意味があるだろうか?

リチャーズ:アカデミー(クラブ下部組織)にいると、もちろん他の選手たちを目にする。そして、彼らがいかに成功に満ちた選手たちか分かるものだよ。例えば、昨シーズンのジョシュア・ザークツィーのような選手だ。彼は成長を遂げ、昨シーズンとても大きなインパクトを残したね。僕らに希望を与えてくれたよ。トップチームに出場してチャンスを手に入れれば、彼と同じように活躍できるんじゃないかというね。将来への希望に繋がるよ。もちろん一晩で何かが変わる訳じゃないけど、ピッチ内外で努力を積み重ねていけば、チャンスを手に入れられるだろう。そして、それは本人の気持ち次第だ。

ムシアラ:これは僕らが期待するところだ。僕らの足跡を残すため、もしくは、願わくばチャンスを手に入れられるように、そして、ばいやんの偉大な選手の一人になれるようにね。まさに、トーマス・ミュラーやダヴィド・アラバのように。

特によく面倒を見てくれた選手は?

リチャーズ:僕にとって、それはアラバだね。ここに来た時、彼は「テキサス」というニックネームを僕に付けてくれた。初対面だったけど、彼は本当に理解ある人なんだと思ったよ。僕が全く別の世界から来た選手だということをすぐに分かってくれた。ここでどう取り組んでいくべきか、僕は学ぶ必要があったね。そして、彼は連絡先を教えてくれた。たとえサッカーとは関係ないことであっても、サポートが必要であればすぐに連絡が取れるようにとね。彼は本当に親切な人だ。若手選手たちのことをよく理解していて、とてもよく面倒を見てくれる。アカデミーからトップチームに上がることに関してもね。

ムシアラ:僕は、特に誰か一人の選手がいるというわけではない。心地よく過ごせるように、誰もが僕のことをケアしてくれていたと思う。だいたいの選手たちとは話をしたけど、どの選手からもそうした印象を受けたね。でも、今日はトーマス(・ミュラー)からアドバイスをもらった。より良い選手となるためにどうしたら良いかというね。僕は、どの選手からも学ぶことがある。もし僕に何か教えてくれるなら、それを吸収したいね。

初めてプロサッカー選手のロッカールームに足を踏み入れた時の気持ちは?

リチャーズ:
僕はアメリカ出身だ。MLS(メジャーリーグサッカー)は、まだ十分に定着したリーグとは言えないけれど、優れた選手たちがいる。だから、僕はいつも思っていたんだ。こうした選手たちがMSLからビッグプレーヤーへとなっていくのだろうとね。そして、ばいやんと契約を交わしてから2週間後に、ロッカールームへ入った。そこには、アリエン・ロッベンが座ってシューズを磨いていた。そしてそのすぐ隣にはトーマス・ミュラーが座っていた。その時は、ワオ!ここはまったく別の世界だ!と感じたね。そして、神経がすり減る気分だったよ。というのも、たしかこれは、まだ僕が母国を離れてからほんの3日間の出来事だったからね。そして僕はそこに腰掛けた。こうした選手たちと並んで座った時に思ったんだ。「まさに夢のようだ。僕の素質が発揮できるように、100%の力を出さないといけない」とね。

ムシアラ:ああ、僕の場合は、もう完全に緊張していた。どんな服装で行けばいいのか、何て言い、どこに座るべきかなんて事も分からなかったよ。もう、何もかもが僕の緊張の原因だった。こんな想像はしてなかったし、これほどの経験ができるなんて思ってもみなかったからね。だから、こうした状況で、どうすればいいのか見当がつかなかったよ。ただロッカールームで座っていることしかできなかった。ここにいる選手たちは全員がトッププレーヤーで、実力ある選手たちだと思った。もう緊張でいっぱいになり、早くピッチに向かいたいとさえ思っていたね。

トップチームの全体練習に初めて参加した時の、何か面白いエピソードは?

リチャーズ:僕はドイツ語が分からなくて、多くの指示を理解できなかった。ある時、メンバーが列になったので、とりあえず僕はその最後尾に並んだんだ。そしたら、みんなが僕を先頭へと押し上げた。僕がドイツ語を理解できると思い込んでいてね。結局、良い結果にはならなかったけども。おそらく、思いつくのはそれくらいかな。

ムシアラ:うーん、僕はそうだね。ハンジ・フリック監督の練習「ロンド」(少人数で輪になりボールを取り合う練習) で、僕は股抜きされたんだ。ああ、これはちょっとショックだったよ。

ユースチームとトップチームとで、練習してて感じる違いは?

ムシアラ:挙げるとするなら、激しさとレベルの高さかな。そして、トップチームの連帯感や結束は、本当に強いものがあると思う。もちろんキャンパスでも結束は強い。でも、ここではすべての選手たちから、選手それぞれの成長意欲や、チームメイトを育てる意識が伝わってくるね。この点は凄く素晴らしいと思う。

リチャーズ:ああ、なんと言ってもその激しさだね。ここの選手たちは、もちろんパフォーマンスが安定しているし、自身で何ができるかをよく理解している。そのため、彼らは自分たちの周りにも同じ期待を求めていると思う。でもほかにも、さっき言ったようなチームのメンタリティもあるね。お互いに刺激しあい、ベストを引き出そうとするものだ。ばいやんとして、常に最高の選手であることが求められる。毎年、あらゆるタイトルを獲得できるようにね。最高の選手であるためには、練習と試合のそれぞれでしっかりと責任を果たすことが必要だ。

ばいやんで成し遂げたい2人の目標は?

リチャーズ:僕はまずこのチームの中心選手になりたいね。たとえ最初はベンチスタートであっても、徐々にスタメンを獲れるように努力を重ねるつもりだ。チームの一員としての立場を確立し、日々新たなことへ挑戦を続けていきたいね。

ムシアラ:僕は、好調を維持して、起用されればしっかりとチームの力となれる選手になりたいね。あとは、将来、チーム内でより重要な役割を担いたいと思う。

▼インタビュー映像はコチラ (クラブ公式サイト)
https://fcbayern.com/RichardsXMusiala

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