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[インタビュー] サネ「責任を背負いたい」

シーズン開幕を前に、新加入のサネが、自身の過去や移籍決断の裏側、今シーズンへの抱負をばいやん公式インタビューで語った。
【記事リリース日:2020/9/6】


以下、翻訳(インタビュー全文)

— レロイ、私達はこれから、ここアリアンツ・アレーナの観客席に座ってインタビューを進めるよ。もうすぐ君は、ここから見えるあのピッチの上でプレーすることになるね。ファンの人たちはどんな期待をしてると思う?

サネ: 僕はファンの皆さんへ熱狂をお届けしたい。僕の目標は、どの試合でも常に全力を尽くすことだ。チームのため、そしてその周りにいる皆さんのためにね。僕らの試合を観てくれるファンの皆さんを、是非楽しませられるようにしたい。そして最終的には、もちろん可能な限り多くの勝利やタイトルを経験したい。決して諦めず、いつも前を向き、常に貪欲さを忘れない。これらは全て、僕が大事にしていることだ。

— 君の父親スレイマンはかつてブンデスリーガでプレーし、君の兄弟キムやシディも同じくサッカー選手だね。昔は家でずっとサッカーをして遊んでいたのかな?

サネ: 路上でも練習場でも、どこでもそうだね。僕らはいつもサッカーに夢中だったんだ。それも毎日ね。僕は今でも、路上や練習場でのあの時の思いを、ピッチの上でも忘れずにと心掛けている。僕らは子供の頃、純粋にサッカーを楽しむことだけを考えていた。当時はよく「ミニW杯」という簡単なトーナメント方式の遊びをしていたね。ゴールを決めた人が、次ラウンドへ進めるというものだ。いつも楽しむことを重視していたけれど、それは大事なことでもあった。そして家の中では、ボールを蹴っていろんな物を壊してしまった。グラスや花瓶など、本当にたくさんね(笑)。幸いにも、最初の頃はプラスチック製のボールなら許されていた。でもある日、両親がこう言ったんだ。全部ダメだ!、とね。あらゆる物を壊されないようにすることが優先されるようになったよ。

— 君の父親はセネガルで生まれ、フランスで育ち、そしてドイツで暮らすことになった。君自身の人生と比べると、君は幸運だと思うかい?

サネ: 僕の父は、今の僕よりも間違いなく大変だったと思う。当時は、国外でサッカーをするなんてまだ珍しいことだっただろうし。父自身にとっては未知の世界である一方、クラブの人々にとっても今とは異なる状況だったはずだからね。言葉ひとつとっても、困難の連続だったと思う。今なら、クラブから通訳を手配してもらうなど、必要なあらゆるサポートがある。しかし昔は、移籍してからは自分の力で、ひたすら勉強、勉強、勉強というわけだ。今はロッカールームも国際色豊かだよね。その点、多くのことが昔よりもずっと容易になったと思うよ。

— 君の母親レギーナは、1984年のオリンピックで、当時ドイツ人では初となる、新体操個人総合の銅メダルを獲得したね。君にとって母親はどんな存在だった?

サネ: 当時オリンピックでメダル獲得という偉業を成し遂げた母は、僕にとって、常に偉大なお手本だった。だが今では、昔のように家でいつも新体操の練習をすることはなくなったね。父だけでなく母からも、僕らは遺伝で多くを受け継いでいるよ。でも両親は2人とも、僕らに結果を残すようプレッシャーをかけるようなことは一切しなかった。僕はいつも自分のことは自分で決めることができたんだ。スポーツは、僕ら家族にとって当然大きな存在だった。でも、だからと言って「今日は5ゴール決めろ、こうやってプレーするんだ!」なんて決して言われたことはない。いつも大事なのは楽しむことだった。こうやって自由な考えがあるからこそ、人は本当に成長できるんだと、僕は思うよ。

— 君が人生で大切だと考えることは?

サネ: いつでも鏡を見ることができること。僕はこれが大事だと思う。僕は自分のことは自分で決断する。横から誰かに何か言われても、自分が納得できる決断をね。そして、一度決めたらきちんと責任を持つ。当然、僕もアドバイスにはきちんと耳を傾けるけど、最終的には、何が一番なのかは常に自分で考えるようにしないといけない。人生では、学ぶことが大切だ。決して諦めることなく。サッカーでも何でも、学び続けることによって、ようやく次へと進めるはずだ。これは、僕が今こうしてばいやんへとやって来た理由でもある。僕は、新たな発見や刺激を求めている。そして、この偉大なクラブで、僕は成長への次なるステップを踏み出せると確信しているよ。

— 次なるステップとはどういう意味?

サネ: 僕は世界最高クラブの一つの中で、不可欠な役割を担いたいと考えている。そして、僕自身はまだドイツでタイトルを手にしたことがない。これを変えたいね(笑)。

— ウリ・ヘーネス(名誉会長)のテーガン湖にあるお宅を君は訪問したけど、どう感じた?クラブは一つの家族だね。その雰囲気は君にとって大事かな?

サネ: ウリ・ヘーネスがばいやんで絶大な貢献を果たし、今なお重要な存在であることは、誰もが知っている。僕は彼の自宅へと招待されたことを光栄に感じたのと同時に、こうした形での面会には、ばいやんの独特さを感じたね。プライベートで誰かの自宅に招かれるというのは、例えば、レストランなどとはまた違った心持ちになるね。僕にとって肝心だったのが、ミュンヘンへの移籍にあたっては、ウリ・ヘーネスの後ろ盾があると感じられたことだ。彼と同じく、カール=ハインツ・ルンメニゲ、ハサン・サリハミジッチ、オリバー・カーン、ヘルベルト・ハイナーら首脳陣もそうだったね。ばいやんの選手たちからは、このクラブが家族的な雰囲気があると以前から聞いていた。そして今では、この数週間でそれはハッキリと分かったよ。

— 君にとって背番号10の意味は?これまでウリ・ヘーネスやローター・マテウス、アリエン・ロッベンらが背負った由緒ある番号だけど、プレッシャーになる?それともモチベーション?

サネ: 僕はプレッシャーをうまくコントロールできるし、とんでもないことをしでかすような性格でもないよ。この番号には偉大な歴史があり、僕の前には著名な選手たちが身に付けてきたね。このユニフォームは僕にとって栄誉だ。でもこの番号は、しっかりと責任を背負うという決意を込め、自ら選んだものでもある。僕には、ばいやんと共に果たしたい大きな目標があるよ。そして、僕はそこで十分に信頼に値するようなプレーを見せるつもりだ。

▼元記事
https://fcbayern.com/de/amp/news/2020/09/leroy-sane-im-interview-ich-moechte-verantwortung-uebernehmen

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