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こんちくけ
2022年3月31日 11:58
直射日光があたる長椅子の傍らで縦長の影に紛れ鉛直に立っている人がいる折れ曲がりながら座る人が何か話し掛けるとその人も折れ曲がり頷いた長椅子に似た寝台がチューブをぶら下げながら横切ると影がその後を追って軋んだ声を上げた
2022年3月30日 07:50
白黒遮断機がおりる紅白遮断機があがる苺うまい、毒かななびくの?なびかないよ毒苺食べて春何も知らないふりの春線路の隙間に嵌らないよう輪郭を震わせながら渡った
2022年3月29日 11:46
誰もいない魚もいないかすれはじめた仲間たちがだからもういいよと言った干上がった海を照らす灯台に砂埃が吹き付けてやめさせようとするけれど軋ませながら振り返り意固地になってまた光る雨雲が気付くまで諦めないと投げかける
2022年3月29日 11:28
空の青さがもうじき見えるそしてかわりにうけついで掴んでほしい 小さな指で風の青さにもうじき吹かれそしてあなたは立ちあがる伝えてほしい 小さな足で涙の青さにもうじき濡れてそしてわたしは抱きしめる包んでほしい 小さな瞼で
2022年3月28日 14:22
左腕の採血は失敗しました右腕の採血は成功しましたコップに入れるのは血液ではなく尿です身長は短くなりました体重は太くなりましたそこはほんとにそこですか胴に巻きつけ長くなりましたレントゲンは二面です緑のビニールはお持ち帰りですちゃんと仕込んでお返しします
2022年3月28日 11:52
若い希望が生えてくる老いた私を肥にして老いた私は野垂れ死に野垂れ死ねれば膨らんで朽ちる前には破裂して破片は四方に吹き飛んで迷惑なのか餌なのか私の一部で穢されてそうして土壌が湿らされ若い希望が生えてくる老いた私を肥にして
2022年3月27日 16:51
喧噪を見つめている静けさを感じている怖れさえしなければただそれだけの事だった
2022年3月27日 08:21
理由もなく契約もなくぼくらは生きて助け合うだろうきのう誰かが望んでいて果たせなかった今日をあしたを
2022年3月26日 17:06
わかってるそれでも殻を打ち壊し心震わせ青春したい
2022年3月25日 16:57
小窓からの閃光にコンロの炎が溶解する傷口に塩を振りかけて爆音炒める泣く叫ぶ小窓からの夕焼け色で舞い上がった埃が光るこんな時でも食べろよ歌えぐっすり眠れよ
2022年3月24日 17:30
便利屋をやめたら居場所ができた好きなことだけ始めたらいいところで恥ずかしいお尻が剥き出しだ嗤わない人が増えるといい笑う人が増えるといい
2022年3月23日 17:35
かんかん照りか土砂降りかひもじく泣くか満腹か真ん中なんてどこにある普通だなんてそんなもの上げても下げてもどちらでも誰かが下がって上がるだけぎったんばっこん鳴る音がたそがれに溶けて消えるだけ
2022年3月22日 17:30
不安になれば扉を開くそうしてわたしを確かめる確かめられて安心したらおやすみと言って扉を閉じる眠たくなれば扉が開くそうしてあなたを確かめる確かめられて安心したらおはようと言って扉が閉じる
2022年3月20日 11:24
旅から帰ったところです。赤い洗濯物をはためかせ、みなしご豚を引き連れて、戦う街を彷徨いました。まさか辺鄙な我が家まで廃墟になるとは意外でした。最後の林檎は子豚にあげます。