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聴き上手とは「相手に対し集中し、リズムを合わせ、話の流れを読み、相手が話したい事と自分が聞きたい事を 頭に置きながら、相手の話を促進、引き出し、双方の満足をもたらす事ができる人」

「コミュニケーションに苦手意識を持っている会社員」
はどの程度いるのか。
2018年にJTBコミュニケーションデザイン社が行った調査によると、会社員でコミュニケーションを苦手と
感じている人は58%と過半数いる事がわかった。

そして、苦手なことは

・複数の人の前で、発表すること:75%
・初めて会う人と話すこと:63%

と主体的なアウトプットに苦手意識を持っており、逆に得意な事は

・人の話を聞くこと:77%

との事だ。
ここに意識と現実のギャップが多くあるのではないだろうか。

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聴き上手ではないが得意だと思っている

話を聴く事が得意と感じている方々が実際それが上手いかというと決してそんな事は無い。
真の聴き上手とは、

「相手に対し集中し、リズムを合わせ、話の流れを読み、相手が話したい事と自分が聞きたい事を頭に置きながら、相手の話を促進、引き出し、双方の満足をもたらす事ができる人」

であり、決してただ相手に合わせてうんうん頷いていれば良い人ではない。
そう考えると77%の人のうち、本当に人の話を聴く事が得意な方は何%いるのだろうか。

キャッチの技術はあるが守備が下手

スポーツの守備でボーッと突っ立っている奴がしっかりと守備ができるだろうか。(例えば野球。キャッチングは上手い=守備が上手いではない。)
たまたま自分の突っ立っていたところにボールがくればいいが、そうでない事の方が多いだろう。

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同じように、ただボーッと話を聴いている奴が相手のニーズに応えられる事は少ない。
実際にそのコミュニケーションが何も生まない雑談であれば良いのかもしれないが、ビジネスの商談、接待・会食等でそれでは、

「アイツとメシいってもしゃーないな」

となる。
ビジネスで話を聴く側に回る人は、相手に対して毎回メリットを提供しなければならない。
そのメリットが

1:話を聴いてくれてスッキリした
2:話しているうちに話が整理できた
3:聞きながら質問をしてくれるので、しっかりと考える事ができた
4:ディスカッションできたので話がまとまった
5:良い提案をしてくれたので、ありがたかった

等があるが、その為には

「相手に対し集中し、リズムを合わせ、話の流れを読み、相手が話したい事と自分が聞きたい事を頭に置きながら、相手の話を促進、引き出し、双方の満足をもたらす事ができる人」

でなければならない。
常にアクティブでなければ聴き上手とは言えないし、上記1~5のいずれかも提供できない「自称聴き上手」では次は訪れない。

まずは傾聴を学ぶこと

先ほども書かせて頂いたが、ハイハイと聞いているだけでは「アイツとメシいってもしゃーない」となる。
そこで上記1~5を提供し続けなければならないのだが、1~3はある程度訓練すれば出来るようになる。
その訓練とは傾聴訓練である。

そこで訓練の仕方であるが、2つ紹介したいと思う。

1:手っ取り早いがお金がかかる方法
産業カウンセラー養成講座を受講してしまうことが手っ取り早い
(受講料約300,000円)。
半年間毎週1回、傾聴トレーニングを合計104時間やる講座。
https://www.counselor.or.jp/course/tabid/125/Default.aspx

私も受講経験があるが、最初は全然できなかった方も終わる頃にはある程度の力がつく事を感じた。
他にはキャリアコンサルタントの養成講座やNLPプラクティショナー養成コース、各団体のコーチング資格等があるがNLPやコーチング系は上級資格への営業がウザい&資格維持に金がかかるので、傾聴力を身に付けるという
目的ではあまりおススメしない。

2:時間がかかるがお金がかからない方法
これは、本やWebから情報を得て実際に仕事で試してみる事だ。
おススメの本は初級・中級・上級を1冊ずつ。

・初級:「ねえ、私の話聞いてる?」と言われない「聴く力」の強化書―あなたを聞き上手にする「傾聴力スイッチ」のつくりかた
 →自分の中にあるフィルターを感じて頂ければ。

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・中級:傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術
 →本書の中の「あなたならどう答えますか?」をしっかりと考えて読み進めて頂ければ。

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・上級:共感的傾聴術:精神分析的に“聴く"力を高める
 →少々カウンセリング寄りの専門的な話なので、興味があれば。

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アチーブメント社の青木社長によると、本を読んで実際に行動する方は2割の方であるそうだ。本を買ってそれを自分のものにするには、時間もそうだが絶対に身に付けるという類の精神力が必要ではないかと思う。

さいごに

さて、繰り返しになるが仕事で聴き上手であるということは

相手に対し集中し、リズムを合わせ、話の流れを読み、相手が話したい事と自分が聞きたい事を頭に置きながら、相手の話を促進、引き出し、双方の満足をもたらす事ができる人

である。
その為には傾聴の技術をベースに様々な知識や表現力が必要である。
ビジネスでのコミュニケーションとはどの様な事を指すのか。
しっかりと考えていきたいものである。


カトキチ@組織・人材開発コンサルタント

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