見出し画像

非IT中小企業におけるテレワークの現状

新型コロナウイルスの影響の一端として、テレワーク化が急速に進んでいる。
人間追い込まれると何でもできるもので「そんなもん!仕事は人と会ってやるもんだ!」等と言っていた年配の方々も、続々とZoomやSkype等で仕事をし始めている。

画像1

さて、非IT企業におけるテレワークが現状どの様な事になっているのかというと、これが結構大変な事になってしまっている。
簡単に言うと、これまで真剣に情報セキュリティだ何だと必死で取り組んできた方々や、会社の電気を消してまで残業時間を必死で管理してきた方々の苦労等が水の泡と化してしまっているのである。

そんな状況を以下3つのテーマに分けて書かせて頂く。

1:セキュリティ
2:労務管理
3:コミュニケーション

1:セキュリティ

3月末あたりからだろうか。
大企業にならい、中小企業でも時差出勤、時短勤務、テレワークと段階的に対策が進んでいった。
そして、自宅で個人のPCやスマホを使って仕事をする様になると、ただでさえセキュリティなんて二の次であった中小企業は、もうフリー状態と言っても過言ではない状況となった。

例えば

・ウイルス対策が十分ではないPCを使っている
・他の家族も自由に使えるPCで作業している
・暗号化レベルがまちまちである
・関係の無いサイトを見ながら仕事をしている
・Web会議のセキュリティ設定ができていない
・古いファームウェアのルーターを使っている

等が挙げられる。
また、対策を取るにしても、セキュリティポリシー※等は無い企業が多い為、「そのWeb会議システムは危ない(って噂だ)からこっちを使おう」
等と場当たり的な対応になってしまっている。

社員から「PCがウイルスで壊れました」「会社のInstagram乗っ取られました」「名簿が抜き取られました」等が予想されるが、御社の状況はいかがであろうか。

2:労務管理

これまでテレワークに取り組んできた企業にとってはどうという事は無いが、いきなり始めると必ず労務管理の問題にぶち当たる。

「朝礼と終礼やろう!テレビ会議で!」
「昼休みに入る時はチャットで連絡をすること!」

そんな各論の話は良く耳にするが、まず、働き方自体で法律違反をしている可能性がある。
厚生労働省から「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」が出されている事をご存じだろうか。

労使協定の締結、就業規則の修正等するべき事をしておかなくては、
労働関係法規違反となってしまう。

そして、9月頃に表面化するであろうが、人事評価上の問題もある。
簡単に言うと、プロセス評価はどうするか?という話だ。

「こんなに頑張りました」
「一所懸命やりました」

に対しては、オフィスで仕事をしていればある程度見ることも可能であるが
テレワークでは厳しいのではないだろうか。
公正な評価をする為には、可能な限り結果で評価する方向にシフトをせざるを得ない。

3:コミュニケーション

先日、「テレワークでコミュニケーションはどうなりましたか?」
と役職問わず10社程20人弱の方々に伺ったところ、

「オンラインMTGにする事によって余計な会話が無くなりましたね。
皆要点をしっかりと考えてから発言する様になりました。
また、アジェンダやドラフトの様なものは事前に共有されるようになりましたし(しないと全く伝わらない事が分かった様です)、録画機能がある事で発言の整理も出来る様になりました。
まあ、とにかく会えば何とかなる~みたいな甘えが無くなって、良かったと思います。」

等と「無駄な会話が無くなって、効率化された」と言う方がいる一方で

「テレワークで誰が何をやっているかわからなくなった」

等とデメリットを言う方もいた。

画像2

普段、顔が見える距離に社員がいる状態であれば、特に意識しなくとも様々な情報が入ってくるが、テレワークではそれが難しくなる。
この「様々な情報」が中々厄介で、これがあるが故に「必要な情報とそうでは無い情報」を分ける事をしてこなかった企業が、現在テレワークで苦戦していると言えるのではないだろうか。

これを機に業務フローを見直し、テレワーク時におけるルールについて纏めても良いのではないかと思う。

「会社という仮想空間は仕事をするところ」

テレワークによりこの意識がより一層促進される事は間違い無いだろう。


カトキチ@組織・人材開発コンサルタント

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?