見出し画像

オンラインで顕在化した現在の1on1(ワンオワ)の???

「オンラインでもやる事は変わらないはずなんだけどね~、うまくいかないわ。5分程で終わってしまったり・・・」

そう話して頂いたのは、ある中堅商社の30代管理職の方である。
昨今の状況から、今まで対面で行っていた1on1ミーティングをTeams(Microsoftのグループウェア)
で行う事となり、計12回行ったそうだ。

確かに、オンラインでミーティングをするにはいくつかコツがある。

しかしこのような話も勿論だが、オンラインにすることで
「元々5分で終わるべきものがそうなった」という可能性はないだろうか。
(パンドラの箱を開ける気分である)まずは以下2点を疑って頂きたい。

1:そもそも信頼関係が築けていないのでは?

「あなたに話すことはありません、構わないでください。」

少し大袈裟かもしれないが、上記が基本スタンスとなってしまう為、
「お前はもう死んでいる」

画像1

となってしまう(迷作 THE FIST OF THE NORTH STAR より)。
場所の拘束ができないオンラインでは、本人にそこにとどまる理由が無いため上司が一方的に話をし続ける等の事をしない限りすぐに終わってしまうのである(そもそも上司が一方的に話して終わってしまう1on1は「部下が主役」という原則を忘れてしまっている)。

現在自分が部下との信頼関係を築けているかどうかは以下の様なモノを試してみても良いだろう。

2:そもそもMTGの目的が定まっていない、或いはトンチンカンなのでは?

「さて、今日は何を話そうか?」

こんな「すべらない話」みたいな事が部下にできるのか?と思ってしまう。
そして何よりも、相手は家にいるのだ。仕事を早く終わらせてやりたいこと等いくらでもある(育児をしなければ、アマプラ見ようか、本を読もうか、ゲームをやろうか、筋トレをしようかetc...)。

ちんたら目的の無い話に付き合っている暇はない。
1on1の目的は

1:会社が対象者にやってほしいこと(会社が望む成果と対象者の役割)を伝えること
2:本人がやりたい仕事を引き出すこと
3:そしてその2点をすり合わせ、1を第一優先にTODOをすり合わせること
4:その期中フィードバック(目標を理解しているか?行動が適切か?成果に対するマイルストーン)を行うこと
5:疑問、質問に応えること

を行い、本人の目標達成をサポートする場である。
(そもそもプロセス評価等はオンラインでは難しいので、成果主体の目標にしておく必要がある。新入社員は例外として猶予する等の措置が必要。)

あれ、1on1ってたしかキャリアについて話す場ではなかったか?
そう思われた方は、少し考えて頂きたい。

上司:(今成果でていないけど)これからどの様なキャリアを
積んでいくつもりかい?
部下:(今成果出ていませんが)来年はリーダーにチャレンジしたいと
思います。

滑稽ではないだろうか。
目の前の成果が出ていない方に前向きなキャリアの話をしても(笑)となってしまう。
目の前の成果が出てからキャリアの話に移ることが賢明だろう
(だれでもいきなりYahooの様な1on1ができるわけではない)。

この様に、対面では体裁を取り繕うことができていた様な雰囲気になるもの(実際はできていない)がオンラインになると顕在化しやすい。
これを機に上記について改めて考えても良いのではないだろうか。


カトキチ@組織・人材開発コンサルタント


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?