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イーロン・マスク率いるTwitter社へ〜私たちのTwitterを返して!〜


7月1日。
いつものように仕事を終え、いつものように地下鉄に乗り込む。

乗り換え駅まで10分。
乗り換えて最寄駅まで15分。
この30分足らずの時間を、私は気に入っている。

時に窓の外を流れる景色を眺めながら、いろんな人のいろんな人生に想いを馳せる。

時に楽しみにしているマンガをアプリで読んでいる。
…無料で閲覧するために流した30秒の動画にイライラしながら。

noteを公開した次の日は、見知らぬ誰かからついた「スキ」に心中にんまりしながら自分の思いを読み返したりもするし、誰かの気持ちに共感したり、憤りを感じたりしながら様々な記事を拝見していたりもする。

過ごし方はその日の気分による所が大きいが、
特に落ち込むような事があった日、もっぱらお世話になっているのが、Twitterだ。

以前ここに紹介した事のあるcona名義のアカウントではなく、密かに続けている所謂"愚痴アカ"だ。

サービス業に従事する者同士、その日の出来事…「お客さんに暴言を吐かれた!ムカつく!」とか「上司がわかってくれない!」とか。「仕事辞めたい!」とか。

日常の小さいけど澱のように溜まっていくストレスを発散し、コメントやいいねで共感し合う、一つのコミュニティだ。

決してフォロワーは多くはないが、反応や共感をもらえると嬉しい以上に、自分だけが特別人として劣っているわけではない事や、ついつい自責の念に駆られる夜も、自分だけが悪いわけじゃない事を思い出させてくれる。

誰にでも失敗はあるし、相手が悪かった場合もある。
そう思い直して明日へ向かう。

全く異業種の誰かの悩みや、子育てと仕事の両立に悩む誰かのつぶやき、義実家と折り合いの悪い日本のどこかのお嫁さんの愚痴…世の中には多種多様な考え方があるものだ。

それぞれの立場からの意見やならではの葛藤にも、新鮮な驚きがあり、学びを得る事も多い。

傷の舐め合いだ、そう言われればそれまでだが、確かに私にとって心の拠り所となっている事には間違いない。

そこに自分の思いを吐き出すだけで、心の澱は徐々に濾過されていく。

いわばフィルターのような。そんな場所だ。

●突然の閲覧制限

この日は本当に疲れていた。
近日またこの日の事を記事にしようと思うが、とにかく忙しい週末で、身も心もクタクタだった。

「疲れた」と一言つぶやいて、あとは本日のみなさんの愚痴でも・・・と開いたTwitterの様子が何やらおかしい。

▲その日Twitterアカウントの様子

何度画面をスワイプダウンしても、
"API呼び出しの回数制限を超えました" としか答えてくれなくなった。

小難しい事はわからないが、何らかの障害なのか?

それとも、この所幾度となく行われた"仕様変更"なのか?

…そう言えばTwitter社は今後、ツイッターブルーと呼ばれる所謂"課金勢"を優遇して行く方針だと実しやかに囁かれている…とうとう無課金勢はツイート回数や閲覧回数を制限されてしまったのか??


いつも鋭い切り口で非常識クレーマーをバッサリ切っているあの人も。

鬱病に悩み、パワハラに悩み、ボロボロで、それでも前を向いて戦う姿勢を崩さないあの人も。

密かに応援しているあの人も。

みんなのつぶやきを見ることができない。
検索もできないようだ。

結局のところ、
イーロン・マスク氏が公式に「今ちょっといろいろ変更してるから一時的に閲覧制限かけてるよ!」的な発表をしていたようだが、「これからもTwitterはこの仕様で行くつもりなの?」「課金税にも制限かけるのかよ!?」などと様々な憶測が飛び交い、波紋を呼んでいた。

もし、この閲覧制限とやらが今後も無課金勢を対象にデフォルト仕様となるのならば、無課金勢の私に口出しの権利はないのだろうとぼんやりと思った。

●Twitterは、今のまま、これでいい。

大切な居場所を失うのは惜しいが、
正直なところ"公式マーク"が欲しい訳でもなく、ましてや文字数制限を煩わしいと感じた事もない。

長文になるならリプライに紐付けてつぶやけば文脈を損なう事もないし、私にとってTwitterは"そういうもの"なのだ。

さらに長文となるなら、noteに綴ればよい。
そのためにnoteがある。

私は文字が好きだ。
文字を読んで、相手の状況や伝えたい事を想像するのが好きだ。

徹底的に無駄が省かれ、それでいて状況や心境を把握するに充分な、140字にシンプルにおさまった投稿を見かけては感心し、美しいとすら感じる。

対照的に、文章としてはたどたどしいが、どこか胸を打つ投稿もまた、あたたかみがあって愛おしい。

むちゃくちゃな暴論で相手をねじ伏せようと躍起になる者と出会う事もあるが、SNSだ。ご愛嬌。

どこかで台風や地震、ゲリラ豪雨の被害が出れば「●●大丈夫?」がトレンドに上がり、最新情報や災害時のライフハックなど様々な情報を共有するのも恒例となっている。

公共交通機関の遅延情報においても、実はTwitterが1番精度が高いのではないかと思っている。

リアルで、好きも嫌いも優しさも怒りと悲しみも、むき出し。

Twitterはそれでいいのだ。

全く意味のない「はぁ。疲れた」を繰り返し呟ければ。
むかついたら「ムカつく」と文字にできれば。

そして誰かのそれに私も共感できれば。

欲を言えば、たまには適切な距離感でコメントを飛ばし合えれば。

合間にかわいいペットの写真や、クスッと笑える動画を見られれば。

一部不評を買っている"おすすめ"機能も嫌いではない。

このままのTwitterであってほしい。

●Instagramは代わりになるか?

未だ不具合が続くTwitter上では、
とうとうイーロン・マスク氏のニセモノまで現れ、

"ツイ廃どもを外出させるためにわざとやってるんだ!"

などと言い出す始末だ。

イーロン・マスク氏もこれに同調し、"これを機にスマホから離れ、家族や友人と触れ合う機会を…"と好意的なリプライを送っているそうな。

確かに、たまにはスマホから離れ、気のおけない相手と語らい、向き合う時間をとるとするなら、私のようなスマホ依存症にはまたとないチャンスだ。

目処のたたない復旧を待ち侘び、ただひたすらスワイプダウンを繰り返す不毛な時間を、失ったかも知れない何かを取り戻す有意義な時間へ。素晴らしい。

素晴らしいには違いないが、では、行き場のない気持ちはどこへ向かうのだろう。

Instagramではいけない。
Instagramは"表の顔"だ。
楽しかったあの日のアルバムだ。
人生におけるポジティブ面をPRするポートフォリオだ。
キラキラしていなくては。
ちょっとよそ行きでなくては。

というのは大袈裟だが、実際Instagramは"写真が主役"で、思いついた事を次々と投稿するようなスピード感はない。

しかもこの所、仕様変更でハッシュタグを検索しても"いいねが多いもの"や"表示された回数の多いもの"など上位の投稿しかヒットしない。

その他はほぼFF間の小さなコミュニティでのやりとりを主としている。

FFですらしばらく"いいね"していないアカウントはタイムラインにすら表示されないそうだ。

これには一時期、同業者からも、
「宣伝にならない!」「投稿が埋もれてしまうじゃないか!」と不満が噴出していたが、運営側としては、

"上質な情報だけを表示しおすすめしたい"
"タイムラインは自分のFF内で完結"

など、所謂"SNS疲れ"を軽減し内向的とも言えるSNSを目指す方針を打ち出したかったようだ。

取捨択一できると言うのは悪くはないが、これ以来ますますフォロワー数獲得が難しくなり、おすすめには"バズった"投稿だけが流れてくるようになった。

素敵な写真を投稿している無名ユーザー探しや、行きたい場所の最新情報をハッシュタグから検索するのを楽しみとしていた私としては、これは"改悪"だった。

何より、仕事・宣伝用のアカウントがその機能を失った。

一応投稿は続けているが、やはり以前より格段に反応が薄く、こころが折れかけている。

リアルな友人・知人と繋がるプライベートアカウントは今もチェックはするものの、キラキラ楽しそうに仕事をする同業者の姿や、自由に楽しく日々を過ごすFFの様子を見るのは弱った心にくるものがあり、見なくなってしまった。

業務用・プライベート用共に上司や先輩とつながっているので迂闊に投稿できない、と言うのも一つの理由だ。

かくして今ではほとんどストーリー専用となっている。


conaとして密かに写真を投稿しているシークレットアカウントだけが現在のInstagramの性質とマッチしているため、自由に好きなものを投稿し、タイムラインには好きなテイストのFFの写真を並べて"自己満足"を楽しんでいる。

誰もリアルで私を知らない。
反応を気にしなくていい、むしろされなくても良いというのが今は心地良いのだ。

では、今後はインスタに移行すれば良い…とは、しかしならなかった。

「あーあ、もう!」とか「つかれたー」だけの投稿に、わざわざ写真をつけると言うのは存外煩わしい。

ストーリーでは消えてしまう。

noteはどうか?
"今日この瞬間の感情を残す"にしては、インスタと同じくブログは適していないと思う。

noteは私にとって、"最近の総まとめ"を綴る場所だ。
思いついた時に投稿ができるTwitterは、ブログのためのメモ帳代わりでもある。メモ帳にもちょうどいいのだ。

どちらもTwitterの代わりにはならなさそうだ。

ずっと身近に慣れ親しんで来たSNSだけに、その便利さやわかりやすさ、自分との相性の良さに気づかずにいたようだ。

自分の生活や考え方に、これほどまでにマッチしたSNSに、私は今後出会えるのだろうか。

●新しい居場所を求めて。

すでにTwitter上では、見切りをつけたユーザー達による新たな居場所探しが始まっている。

この所の仕様変更・改悪や、今回のような不安定な運営に古参ユーザー達は不信感を抱き辟易しているようだ。

「もう潮時」と言った声も見受けられる。
…一時的とは言言いつつも、こう何日も制限状態が続けば他媒体へのユーザー流出は避けられないだろう。

あの人も、あの人も、いなくなってしまうのだろうか?

私としては沈みかかった船だとしても、このまま最期の時を見届けるつもりではいる。

と言うよりは、今回の閲覧制限は公式の発表通り"一時的"である事を信じているし、何なら一度流出したユーザー達も結局の所は戻ってくるか、あるいは他媒体と併用となるような気がしているのだ。

とは言え、万が一という事もある。
どんなSNSが"代打"として上がっているかを調べてみた。

・Meta社のTwitter競合サービス【スレッズ

InstagramやFacebook運営でお馴染みMeta社がタイミングよく7月中旬にリリース!と発表している。


写真を見る限りではTwitterと大差なく使えそうだ。

ただ、Meta社なだけに、FacebookやInstagramと連携して利用する物なのではないか?と言う身バレへの懸念は拭えない。

また、複数アカウントを使い分ける事ができるのかなども未知。

リンク先の記事にもある通り、リリース前から注目度・知名度共にバツグンに高いので、多くのTwitterユーザーが流れるのではないだろうか。


・Twitter創業者が支援する【Blue Sky】

Twitterの創業者が絡んでいるなら、その機能はほぼTwitterと言っても過言ではないだろう。

リンク先のツイートによると、現在はβ版テスト中で招待制だが、件のTwitter騒動の煽りを受けユーザー急増しており招待を受けていても登録が困難だそうだ。

なおTwitter上では"青空"と呼ばれている。


・何だか小難しい!?【Mastodon】

こちらもTwitterと同様の機能を備えたSNSだが、リンク先の記事では何やら小難しそうでとっつきにくそうな印象を受ける。

あまりに小難しかったので調べてみた所、どうやら最初に自分の好きなサーバーを選ぶ所から始まるらしい。

サークルのような物と考えればいいのだろうか・・・

各サーバー定める規約があり、自分に合ったサーバーに所属するが、他サーバー所属のユーザーとも交流は可能である。

興味はそそられるが、管理人や住民の性質が居心地に直結するであろうところが引っかかる。

おそらく各サーバー、ユーザ同士のつながりが濃いのだろう…「Twitterと比べて距離感が近すぎる感じが苦手」などの感想も見受けられる。

と言うか、正直、私には合わないだろう。

同じく【MissKey】も候補に上がっているようだが、こちらもMastodonと同様の複数サーバーによる運営で、両者は連携可能らしい。

●わたしが選んだのは。

既存の【Mastodon】や【Miss Key】では、Twitterユーザーの流入を古参ユーザーが嫌煙する動きもあるようで…まぁ確かに、自宅に突然よそ者が入ってきて独り言を呟き始めれば不快に思うだろう気持ちもわかるが…居場所を求めて利用のはずが、逆に気疲れを起こしそうだ。

すでに出来上がったコミュニティ特有の、あの透明で分厚い壁…新しい職場に出勤したときのような。

SNSであんな思いをするのは本意ではない。

Twitter程度の距離感や居心地、Twitter程度の手軽さ・利便性を吟味した結果、今のところは残念ながら【スレッズ】【Blue Sky】の本格始動を待つしかないようだ。


現在のTwitterの様子を見たところ、
検索は難なくできているし、しばらく見られなかった引用リツイートやコメント欄も機能しているようだ。

とりあえず一安心、と言っていいのだろうか?

まるで長年の思い出が詰まった実家が取り壊されるのを見ているような、そんな気持ちで過ごした数日だった。

どうかこのまま、無課金勢で根暗な私のようなユーザーにも優しい、多種多様で居心地よくておもしろくて、時に胸を打ち、ある時は真剣で、たまに辛辣でまたは乱暴な、そんな生々しいTwitterのままで守っていてほしい。

多少の仕様変更や、課金勢の優遇に不平不満は言わないから。

大混乱を招いた閲覧制限騒動は、まだ僅かに熱を帯び、燻りながらも徐々に落ち着きを取り戻しているようだ。

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