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とりあえず体感しよう!オフラインを活かすオンラインカリキュラムデザイン合宿レポート②


今回の合宿では、目的やファシリテート難易度の違う複数のオフラインを活かすオンラインプログラムを小学校・中学校の先生方に体感いただきました。

合宿の趣旨やアドバイザー紹介、2日間を通じての気づきや感想をまとめたレポート①はこちらになります。


まず1日目の午前は、短い時間で気楽に取り入れることが可能な、トレーニング要素を含んだ遊びをご紹介を兼ねて体験いただきました。
Co-musubiの小学3年生から中学2年生までの子どもたちも参加し、異年齢混合で頭を捻り遊びました。

行った学び遊び
トランプしりとり(3-8文字+ジョーカーで文字数縛りのしりとり)

トランプ10(1-9のカード×2セットから4枚ひき、4つの数字から四則演算で10を作る)

図形の伝言ゲーム(代表者が図形をみてメンバーに口頭説明。)

遊び方
トランプしりとりは年齢混合で行うことが可能です。
自動でブレイクアウトルームに振り分け、ひとグループ5人程度で行います。
引いた数字で文字数を縛り、しりとりを行います。
ジョーカーは何文字でもOKです。
答えたひとが次のカードを引くことができます。

トランプ10は、1-9のカード×2セットから4枚ひき、4つの数字から四則演算で10を作るゲームです。これはルームには分かれず、5分間ミュートの状態で各自自分のカードに向き合います。
何個できたか数で評価をすると、簡単な計算で数を稼いでしまうマインドを生み出してしまうため、年齢が上がるほど「こんなに難しい計算式で10を作れた」と報告しあうようにすると、じっくり一つの問題に取り組む姿勢も育むことができます。

図形の伝言ゲームは、年齢でグループ分けしブレイクアウトルームで行います。
伝言担当に図形問題を渡し、各グループのメンバーに言葉だけで伝えてもらいます。
算数や数学の知識レベルに合わせ問題をチョイスすることが重要です。
今回、中学生チームでは、伝言係から「コンパスと定規を使ってください。」と先に道具の指示もあり、それらを使いながら口頭で伝え作図を促していました。

体験した先生方の振り返り

中高英語科教員:ゆっくり考えるものと瞬間で対応するものと、緩急がついているのがすばらしい。
オンラインでの実践を考えるとハードルが高いと感じるが意味がある。
人と比べるのではなく、各自、自分の成長を感じるような促しがすごい。
自分の担当教科では、グローバルな視点からも国や文化による違いを知るきっかけをつくれるかもしれないと感じた。


中高数学科教員:体験しながら、自分だったら何をやっていこうか、とどんどんアイディアが溢れてきて楽しみが生まれた。オンラインの可能性を感じた。

小学校教員:単純にすごく面白かった。普段の何気ない生活の中に勉強がある、思考が深まるのだと感じた。
一番おもしろかったのは伝言ゲーム。自分の頭の中にある映像を人に正しく伝えるということ。知識として持っている子どもたちの言葉が、あのゲームを通じ自分の本当の言葉になっていくのではないかと、とても可能性を感じた。

中高数学科教員:子どもたちが参加してくれたことによって、「耳が疲れる」という子への配慮について知ることができてよかった。
トランプしりとりもトランプ10も、正解を気にせずサクサクテンポよく進むのが楽しいと感じた。たとえ間違えていても、紙に式を書き出しているので、後で復習すればいいと考えることができる。
伝言ゲームは、授業の作図で取り入れてもいいし、より短い言葉で伝えるにはどうしたらいいか?と中学生であればハードルを上げてやっても面白いだろうと思った。

小学校教員:子どもたちが自然と「何枚ある?」「正方形、二等辺三角形」などの言葉を使っていて、勉強を教え込むのでなく、子どもたちから自然にそういった言葉が出てくる声がけが素敵だと思った。
今日やったゲームは、オフラインに戻った時も楽しめるような継続性を感じたところが素敵だと感じた。

小学校教員:伝言ゲームが面白かった。子どもたちとやりたい。今回、子どもの年齢が様々だったのでどのように意識しているかを聞きたい。

井上:これはCo-musubiでは通常は平日のお話会で行うものです。(じっくり向き合う「子どもMTG」とは別の目的。)
学年という枠で括るのではなく、個の状況で難易度を判断する。
信頼をするが期待をしないスタンスでいることによって可能となる。
それぞれのゲームで教科横断型に頭を使っている。子どもたちがどこの思考を使うかを創る側は意識するといい。
オフラインを活かすオンライン授業を意識しているため、オフラインになっても続けられる。家族でも一人でも遊べる提案にしている。
目標は個人によって様々。数をこなすだけでなく質の追及もできる。
継続できるように適宜刺激を与えるきっかけをつくる。
しりとりは、辞書の使用を促すことでより楽しめ、辞書を引く習慣もつく。

小学校教員:教科として、方法論ではなくそもそもの考え方のベースである概念に寄っているワークだと感じた。
トランプしりとりは、言葉一つ一つを区切って言葉を捉えるという意味であったり、例えば「リトマス試験紙」という言葉が今日もあったが、子どもたちが「なんで?」と考える語彙に触れる偶然性を高めている。
語彙の獲得、ならびに言葉で区切るところが概念的だった。
同じく図形伝言ゲームは、図形を伝えるが、自分がわかっているだけでは意味がなく、他者との共有知識を認識した上で伝える必要がある。
ただ言葉を伝えるというより、概念部分を重視したゲームになっており、面白いと感じた。

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レポート③に続きます。


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