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人生を変える鍵

気づきを与え、視野を広げ、自分を発見し、成熟度を高めてくれる。そんな「旅」を中高生に知ってほしい。
そこで今回、Co-musubi ゲストスピーカーとしてご協力いただいたのは、黒澤季理さん。
季理さんは、King's College London (Philosophy, Politics and Economics専攻) 1年生で、現在は、1年間という期間を自らの意志で空白にするギャップイヤーを取得中です。

ギャップイヤーにはこうすべきというルールはなく、自分で何をするか自分で決めます。
ハーバード大学も、合格通知でギャップイヤーを取ることを勧めており、人の成熟度を高めてくれる貴重な期間です。



そんな季理さんの旅のはじまりは、中学3年生の頃。冒険への憧れからでした。

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それは、家族との「レジャー」から。

異文化に触れたことで、観光で終わるのではない、その国の文化や空気をしっかり肌で感じ深く理解したいとの欲求が生まれました。

「留学しよう」

そう決意し、高校に入学しすぐに自分でリサーチを開始。
自らインドの地を希望しました。
理由は、

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インドの一般家庭にホームステイをし、現地校に通い、学校ではたったひとりの外国人。休み時間はヒンディー語。
クラスメートはみんな、笑顔で積極的にどんどん話しかけてくれたそうで、孤独は感じなかったそうです。
とはいえ、異文化の中に一人で飛び込んだわけですから、時に自分の気持ちに負けそうになったこともあったそう。

そんな時、機会があって参加した瞑想プログラム。

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朝4:00起床で21:30の消灯まで、びっしり瞑想が続きます。
しかも10日間も。

とても過酷だったそうですが、この期間にじっくり自分を見つめることができ、大きな気づきを得ます。

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外の世界を知りたくて飛び込んだインド留学。
しかし、外に出てみたことによって、自分の目線は「外」から「内」へ変化しました。

そして、季理さんはさまざまな困難を乗り越え、1年間のインド留学を完了し帰国しました。

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中学生からは、「季理さんは、チャンスを自分で掴みに行ったり、疑問を持ったらまずは自分で行動するってことができて、とても憧れます。」
と感想がありました。

「これまでの日本では、自分の知っている範囲で生きていくことができた。けれど僕の体感としては、今は生き方として、こうしていたら大丈夫だよ、という模範解答的な正解がなくなった気がしている。」と季理さん。


「あえて未知を選ぶモチベーションはどこから来るんですか?」
という質問には、
「学べば学ぶほど、無知を自覚する。それがモチベーションになる。」
と答えてくれました。


帰国後の高3時には、インド留学中に芽生えた貧困や格差への問題意識から、所属していたサッカー部を退部し、タイでのボランティア活動に参加します。

進学に関しても、高校が大学の付属校のために、そのまま受験をせずに国内の大学に進学することが可能でしたが、「自分はもっと変化の起こりそうな環境がほしい。」との想いが湧き上がり、海外の大学へいくことを決意しました。

1年間、ロンドンで学業に励む中で、新たな疑問が湧き上がりました。

季理さんは、その時の想いをご自身のnoteでこのように説明しています。

高校生の時に大学はどこにするか、どんな環境で大学生活を送りたいか、ということは結構考えて、自分なりの基準をもって決めることができていました。
でも当時はそもそも大学へ行くのか?という問いはすっ飛ばしていた。
当時の僕にとって大学へ行くということは他にもある選択肢のひとつではなく、前提条件になっていたのです。

そして「自由」について深く考え、自分の中にある「恐れ」に気づきます。

そもそも大学に行くのか?という問いとずっと向き合っていて、気づきもありました。そのひとつが、大学に行かないという道をなんとなく恐れている自分を認識したことです。
なんで怖いのか考えると、大学に行って就職して働く生き方が”普通の生き方”だと思っていて、その”普通”でなくなるかもしれないことが何となく不安だったのではないかと思います。
こう書いてみると、その頃の僕がイメージしていた”普通”もやはり周囲の環境と強い相関がありそうな気もします。
そしてこれも当たり前のことかもしれませんが、そうやって自分が勝手にとらえていた”普通”なんてものも存在していないような気がします。
そうやって考えてみれば、今では得体の知れない不安や恐怖もだんだんと小さくなっているような感覚です。

詳しくは、こちらに季理さんのことばで想いが綴られています。

そしてギャップイヤー取得を決めた季理さん。

自分の見たい景色を自分のタイミングで見れるように、との理由で「自転車」で日本を旅することを計画し、東へ向かい出発します。
しかし、おかげでたくさんの「失敗」を経験します。

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この失敗を活かし、次は原付バイクで西へ向かい旅をスタート。

物質的に「足りていない」旅をすることで、よく考え工夫をし、旅の中でも大きく改善を繰り返すことができたそうです。

自然の中で、そしてたくさんの人に会いに行くことで、またたくさんの気づきを得ました。

そんな季理さんがいま大切にしていること。

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最後に、中高生からは、
「自分の内面を見ている時が、一番成長しているときだと感じた。なにかに挑戦した時、元々得ようと思っていたものを得る以上に、精神的な成長もできるんだとわかった。」

「僕も、自転車の旅などそういえばしていたんだなって気づいた。散歩などの中で、自分なりに新たな発見を身に着けていて、それが日常で知らず知らず役立っている。気づいていないところで人はいろいろな旅をしているんじゃないかと思ったし、人はそうやって成長していくんだろうなと思った。」

などの感想がありました。

中学生の感想を聞き、散歩や読書や映画も含め「自分を成長させてくれる旅」だと感じるのは、それらが「自分を理由とした行動」からはじまった時かも知れないね、という話をしました。

自由という言葉は、福沢諭吉が「自らをもって由となす」と訳したのがそのはじまりだそうです。
自由とは、他人に与えられるものではない、自分の意志で自分を理由として行動できることだ、ということです。

けっしてその自由は、「自分の好きなことだけの中に閉じこもっている状態」ではなく、自由に伴って発生する責任(リスク)も抱えながら、自分を信じて挑戦・行動していくことだということ。


終了後、「自ら考え、成長できる機会を自ら選択していく生き方」が本質的なテーマだということが伝わっているといいな、と考えていると、中学2年生が熱心にメモを取り、自分の考えも書き込んだノートを見せてくれました。

「もっとレベルアップをしたい。勉強面でも。だけれど、実際に触って、見て、感じて、果敢に挑戦。失敗したらそれを活かす。 自分の頭は最大の武器だと思った。自分を信じてあげる。『足りない』は人を考えさせる。恐れないで!!

「自分のできること(内面)と、社会をつなげて考える。
自分にも社会をかえる力があるのでは?

何気ない日常にも人生を変える鍵は隠れている。

たくさんの力強いことばが残されていました。

ほっとしました。

中高生の心にそっと撒かれた種が、いつの日か芽を出すといいな、と願っています。

憧れが熱を持って伝播しました。
これってすごいことですね。

季理さん、貴重な機会をありがとうございました。
Co-musubiみんなで、これからもご活躍を心から応援しています。



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