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東京地検、IRジャパン元副社長を不正な取引推奨行為をした疑いで逮捕

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東京地検、IRジャパン元副社長を不正な取引推奨行為をした疑いで逮捕

2023年5月18日、東京地検特捜部は金融商品取引法違反(取引推奨)の疑いで、東証プライム上場のコンサルティング会社アイ・アールジャパンホールディングス(IRジャパン)の元副社長を逮捕した。

逮捕容疑は、2021年3月下旬、同社が業績予想を下方修正するとの重要事実を把握し、公表前の同年4月上旬~中旬にかけて、同社株を所有する知人2人に損失を回避させる目的で株の売却を勧めた疑い。知人2人は計約1万1000株を売り抜けたとみられる。同社は2021年4月16日、業績の下方修正を公表し、翌営業日に株価が約3000円下落した。証券取引等監視委員会は2022年6月1日、同法違反容疑で強制調査を開始し、同容疑者は同月3日、副社長を辞任している。


▼Keyword

取引推奨行為

重要事実(※)等を知った上場会社等の会社関係者(※)等やTOB関係者等が、その重要事実等の公表前に、他人に利益獲得または損失回避させることを目的として株の売買等を勧める行為のこと。

他人に重要事実等を伝える「情報伝達行為」と合わせて、インサイダー取引を未然に防止するため金融商品取引法で禁止されている。情報伝達・取引推奨行為をした者は、情報伝達・取引推奨行為を受けた者がその情報・取引推奨を基に重要事実等の公表前に株の売買等をした場合に限り、刑事罰や課徴金の対象となる。
ただし、重要事実等の公表前に株の売買等が行われなかったとしても、情報伝達・取引推奨行為をした者が金融商品取引業者等の場合、行政処分の対象となる。また、従業員等が、所属する会社等の業務に関連して情報伝達・取引推奨行為をした場合、その行為自体が所属する会社等の社内規程に違反するとして懲戒処分を受ける可能性がある。

(※)業務提携やM&Aなどの会社に関する一定の事実
(※)上場会社とその親会社・子会社、取引先の役員や従業員など。
会社関係者でなくなってから1年以内の元会社関係者も同様の制限を受ける


※コンテンツは弁護士が監修しています

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