忘れらんねえよ

先日いつものようにyoutubeを眺めていると、【2ch面白いスレ】「彼女諦め男子」大流行してしまうwwwww、という動画が目に付いた。
数年前からインターネットではこういった類の話題が度々議論されている。弱者男性、草食系男子、男子劣化社会、非モテ男子、などどれか一つぐらいは耳にしたことがあるのではないだろうか。
正直動画の内容はあまり覚えていない、年収がない、自信がない、コミュ力がない、みたいななんの新鮮味もないわかりきった事実を再確認するだけの内容だった気がする。
そんなのはどうでもよくて、コメント欄で「いいひとどまりって曲思い出した」みたいなコメントを見つけたんだけど、その曲がクソ良かったって話をしようと思う。


それがこれ


未視聴の方は是非一度視聴してみて欲しい。
良いと思ったら、できればでいいのでこの動画に高評価をお願いしたい。そして何か感じたことがあればコメントを残して欲しい。(このバンドを昨日知ったばかりのにわかだけど)


まず何と言っても導入部分、突然の告白からのキスシーン、そしてそれを目の当たりにする冴えない顔の主人公。なかなかのインパクトだ。
ヒロインはバレエをしているらしく、明らかに主人公は片思いをしていることがわかる。役者さんには失礼かもしれないが、ニヤける顔があまりにも気色悪い(褒め言葉)。

小学生を横目に主人公が土手を転がるシーン。
最近はワイヤレスイヤホンが普及したのか、コード付きのイヤホンをしている人をあまり見かけなくなったように感じる。こういうところに時代を感じる。このシーンよく見ると女の子が3人並んでいるのだが、そのうち1人が赤のランドセル、他の2人が黒のランドセルを背負っている。この時代は黒が流行っていたのか、はたまたジェンダー配慮なのか、たまたま数が足りなくてそうなったのか正直よくわからなかった。

物語は中盤へ、ホワイトボードには恐らく「産学共同MV制作プロジェクト監督コンペ」と書かれている。主人公は自信がなく立候補することが出来なかった。ぎこちない拍手のシーン、感情がこもっていない演技が陰キャ感を醸し出していて好きだ。
ついにここで主人公の名前が大野だったということ、そしてチャラ男の発表した企画は大野が考案したという事実が明らかになる。

お茶をこぼすシーン、筆者はこのデカい容器を見て高校時代に所属していたテニス部の合宿を思い出した。

撮影シーン、ようやっとバンド「忘れらんねえよ」の登場。と思いきや部屋が明るくなり、音楽も停止する。大野は「すいません」と頭を下げて謝っているが、よく見るとスイッチを押したのは「また大野です」と言っていたベージュのジャケットに眼鏡の男性で、この男性が罪を擦り付けていることがわかる。
ヒロインに大野がカメラを向けて撮影しているシーン、インスタグラムにはトロフィーを持ったチャラ男の写真、その下にぼんやりと見えるグランプリの文字。

打ちのめしたい
全部壊したい
誰かを負かして
誰かを出し抜きたい…

いいひとどまり

歌詞からチャラ男に対する憎悪や怒り、悔しさのような感情が伺える。このことから先ほどの撮影シーンは主人公大野の妄想だったと分かる。

そして終盤のシーン。チャラ男がヒロインの女の子とは別の女の子とキスしている所を見つける。と、そこにヒロイン登場。もうどうでもよくなった大野はお茶を蹴っ飛ばす(笑)。そして非常ボタンを押し、ベルが鳴り響く。
階段を登った先にはヒロインが。これがアニメとか漫画とかのフィクションだったら話しかけて慰めていたかも知れないが、主人公大野は話しかける勇気すらなく泣き崩れる。このヘタレっぷりがリアルで共感できる。
ヒロインに共感して泣いているのか、はたまた無力な自分が悔しくて泣いているのか、理由は色々考えられる。どちらかと言うと展開的に悔し涙っぽいけどね。
非常ボダン押した理由がヒロインの泣き声を隠すための気遣いだ、みたいなコメントを見た気がする。そういう解釈もあるのかと思った。たしかに、非常ボダンを押すことで人々を避難させ、ヒロインからチャラ男を遠ざけて、二人っきりの空間を作り出そうとしたようにも見える。
非常ボタンを押すシーンを見返してみると、即座に押すのではなく押すまでにワンテンポおいているように見える。感情的に押したのではなく、いけない事と理解し葛藤しながらも理性的な判断の下で押しているのではないかと思う。

ラストシーン、チャラ男との取っ組み合い。勝てるはずもなくボコされる。
髪の毛には雑草がつき、口元にはあざのようなものが、そしてぼんやりと見える自転車をおしているヒロインらしき女性の人影に焦点が合いそうになった時に表示される「いいひとどまり」の文字。


最近は彼女がいない状態が長引きすぎて、彼女を作ることを諦めていることすら忘れていた。だからといって何かをするわけでもないけれど。
いや~刺さる人には刺さるMVだったのではないでしょうか。
中高の時に片思いしていた女子を思い出しましたね。
今となってはふられてもいいから想いを伝えればよかったと後悔していますが、クラスで噂が広まっていじめられるのではないかという不安が大きく行動に移せる自信は当時も今もないなと感じ、しょうがなかったとも思います。なんで片想いってこんなに切ないんでしょうね。




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