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<外ごはん>ヨットハーバーで食す、第3のクラムチャウダー

立冬もすぎてしまったし、早めに記録しておこう。

車で2時間ほどの街に出かけた帰りに立ち寄った、New London。

ここにはアムトラックの駅もあり、対岸のロングアイランド島・ノーザンプトンあたりへ向かうフェリーも出ている。
レトロな外観のメインストリートもかわいい、ちょっと大きめの街だ。

とはいえ、このご時世でしかも日曜日だったので、メインストリートのお店はほぼ、閉まっていた。

わたしたちが向かったのは、メインストリートを外れた、もっと海際。
ヨットハーバーを目の前にした、小屋みたいなスナックショップだ。

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レストランではないので、基本はセルフサービス。
屋根付きのあずま屋を巨大化したようなイートイン・スペースもあるが、屋根なしのところにもテーブルと椅子が出してある。
スナックショップで買ったものは、それらのテーブルと椅子を使って好きに食べていいことになっている。

BYOB(Bring Your Own Beverage=アルコールは持ち込みオンリー)だということを知らず、ビールを持ち込まなかったのが痛恨のミスだったが、実は食べたい…というか「飲みたい」ものがあったので、それで我慢した。

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上の写真の左寄りの窓口でオーダーし、名前を呼ばれたら右側の窓口でピックアップする。バスケットには調味料(小袋入りの塩胡椒)があるので好みで持っていってOK。ケチャップはピックアップ時に言えばつけてくれる。
コールの際はスピーカーで大きく音声が流れるので、聞き逃すことはあんまりないはず。

開店の少し前に到着したので、開店待ちの列に並んでいたところ、車がどんどんやって来る。
各グループは適当にソーシャルディスタンシングしながら席を確保していき、開店のころには6割くらいのテーブルが埋まっていた。

天気もいいし、こんな日は外でブランチするには最高、…と、きっとみんな考えたんだろう。わたしたちもだけど。

すでにビールを開け、ニコニコと酌み交わしている年配のご夫婦を目の隅でうらやましく見ながらオーダーしたのは、「ロブスターロール(ラージ)」「オニオンリング」、そして「第3のクラムチャウダー」。

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クラムチャウダーには、有名なのがふたつある。

ひとつは「ニューイングランド・スタイル」。
これは大抵の人に「クラムチャウダー」というと思い浮かべると思われる、あのクリームスープのやつだ。

もうひとつは、「マンハッタン・スタイル」。
これはシーフード好きの人なら知っているかもしれない、トマトスープのバージョン。

マンハッタンと名前がついているだけあって、NYCのシーフード屋では置いてある店がけっこうある。

そして、第3のクラムチャウダー。
それは「ロードアイランド・スタイル」。

これを知っている人は、あまりいないかもしれない。

中身はほかのふたつと同じ(玉ねぎ・じゃがいも・セロリ・剥きクラム・ベーコンなど)だが、この第3のクラムチャウダーは、クリアスープなのだ。

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ほかのふたつに比べると、日本のお吸い物っぽい感じで、あっさりの塩味。
トマト入りの「マンハッタン・スタイル」よりさらにシンプルな味だが、貝のうまみはしっかりある。

なぜかここの店のは鬼のように角切りのじゃがいもが入っていて、すさまじくお腹にたまったが、全体の味わいは優しくて飲みやすい。

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「クラムチャウダー」なので、お約束のオイスター・クラッカーもちゃんとついてくる。

他のごはんはこんな感じ。
わたしと支配人は食が細いほうなので、ラージのロブスターロール(コールスローもついてくる)をふたりで分けて食べてちょうどよかった。

ロブスター・ミートはマヨソース和えの冷たいもの(「ロブスター・サラダ」と呼ばれている)か、ホットバターの温かいものが選べるが、わたしたちはサラダのほうにした。

大きなレモンがついているのがうれしい。
程よい蒸し加減のロブスター・ミートは見た目よりたっぷりで、気をつけないとパンのお尻からこぼしてしまうくらいだ。

マヨソースにはセロリシードが入っていて、絶妙な香味があって美味しかった。

パンは伝統的なロブスター・ロール用のもの。
きちんとトーストされていて、内側はバターが塗ってあり、ロブスター・ミートの底には千切りのアイスバーグ・レタスがはさまっている。

この、まだ温かいパンのサクッとした食感と、冷たいロブスター・ミートの弾力のある歯ごたえのコントラストが、楽しいのだ。

オニオンリングの衣はバリバリ感があるが、衣が硬すぎて玉ねぎだけがズルっと抜けるようなこともない、一体化した美味しさがいい。
とにかく、これを食べているときはビールが欲しかったw

ゆるやかな潮風に吹かれながら、きれいなハーバーを眺めつついただくロブスター・ロールは、結構なお味だった。

わたしたちの中では「一番」はロードアイランド州の某店のロブスター・ロールなのだが、ここの味もかなり気に入った。

次回は必ず、ビールを持って参上しよう!


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