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コミュニティを通じて、エンパワーメントしていきたい

コミュニティを生業としはじめてから、ずっと自分のなかで腑に落ち切っていなかったことがある。それこそが「自分自身はコミュニティで何を実現したいのか?」という問いへの答えだった。

これまで「なぜコミュニティの仕事をやっているんですか?」と聞かれるたびに、「コミュニティは幸福度に直結するものだからこそ、コミュニティを通じて幸せなひとが増えてほしい」という言葉で返していた。(数えきれないほど、このやりとりを繰り返している)

それは間違いなく僕の本心だったのだが、それでも冒頭の問いが生まれたのは、自分自身がしてきたその返答の解像度が低い感覚をずっと持っていたからだ。

「コミュニティは幸福度と直結するもの」なのは間違いないのだけど、幸福度って何かを言っているようで、何も言っていないような抽象的かつ概念的な話だと思っている。

自分がコミュニティの何を信じているんだろう?それをもっと具体的で、それを誰かに借りた言葉ではなく、自分の言葉で話せるようになりたかった。


エンパワーメントという言葉

コミュニティフリーランスとしてコミュニティを生業にし始めたのが、2018年の夏。それから5年の月日が経った。それなりに時間は経っているはずなのに、「これだ!」という言葉が最近まで全然降ってこなかった。(それだけコミュニティってつかみどころがないというか、難しい存在だなと思う)

ここ半年、また同じようなことを改めて考えていた。
そんな中、ふと妻が口にしたキーワードを思い出した。
それが「エンパワーメント」だった。(社会起業家の支援を行なっている妻は、自分のやっていることがエンパワーメントだとよく話してくれていたのだった)

「エンパワーメント」って一時期よく耳にする言葉だったけど、どんな意味だったっけ?とGoogle先生に聞いてみると、さまざまな定義が出てきた。

どうやら、アメリカから生まれた言葉で、直訳すると「力(権限)を与える」という意味らしい。会社組織やら、福祉医療、NPO界隈で使われやすいものという情報もでてきた。(ほとんどが組織マネジメントの文脈で書かれている印象)

力を与える。
かっこいいけど、どこか感じる違和感。
ちょっとしたモヤモヤを感じつつ、リサーチを進めていると、とあるwebサイトと出会い、そこの解釈がストンと落ちてきた。

本来ある力を取り戻す実践です。人は誰でも生まれた時から、生きる力、個性、可能性、問題解決力など、さまざまな素晴らしい力を持っているということが原点です。あらゆる暴力や社会からの抑圧を受け、傷ついたり、落ち込んだりして、パワーを失った状態になったときに、自分は「かけがえのない大切な存在なんだ」と自己を尊重したり、他者との協同で本来持つ力を発揮し、自己選択、自己決定できるように働きかけ再びパワーを獲得することです。人が本来持っている力を引き出し、取り戻していくための、「人と人との関わり(関係性)」をエンパワメントといいます。

この文章を何度も繰り返し読んでいて、自分のなかにいくつかの言葉が湧いてきた。

自分を肯定する。
自分の在りたい姿へ一歩踏みだす。
生きる力を取り戻す。

僕がコミュニティに関わって数えきれないほどの人と出会い、あらゆるシーンに立ち会ってきたけど、今でもよく思い出すほど印象に残っているのは、新しい歩みを踏み出していくその後ろ姿だった。

例えば、僕が立ち上げからコミュニティマネージャーをしているWasei Salonだと、僕はAyaさんというメンバーがコーチングの道をどんどん進んでいった姿を思い出す。

これからコーチングを頑張りたいと話してくれて、そこから僕にコーチングをしてもらい、勉強会も主催してくれて、メンバーの皆さんにもコーチングを提供し、今では立派な生業になっている。本当にすごい。

もちろんこれはAyaさん自身の力ではあるけど、コミュニティという空間が本来持っていたAyaさんの力を引き出していたとも言えるかもしれない。

いつかこうなりたい。
これをやってみたい。
そう頭の中で描くけど、実際に形にするとなると、なかなか大きなハードルがそこにある。

コミュニティという空間が、そのひとをエンパワーメントし、自分の在りたい姿へ道を歩み出す。そのプロセスそのものが、そのひとの生きる力となる。

僕がしたいことって、そういうことなのかもしれない。

エンパワーメントという言葉を僕なりに訳してみると、下記のようになるなと考えたので、メモがてら置いておく。

「自己を肯定・理解し、好奇心と在りたい姿へ踏みだす力を取り戻すこと。それが生きる力となり、受けたものを他者へ渡す喜びに気づくこと。」


僕もコミュニティにエンパワーメントされてきた

僕がコミュニティを生業をしはじめたことには、明確なきっかけがある。

当時、会社員だった僕は働くことに悩みを抱えていた。どうしても仕事に夢中になれなくて、仕事がつまらなくて、そんな自分が情けなくて、「このままでいいのだろうか、、」と、毎日のように考えていた。

そんな中、コミュニティを仕事にしようと思い立ち、さまざまなアクションをとっていたのだが、その時に出会ったのがWasei Salonのメンバーたちだった。

彼らに抱いていた働くの悩みを打ち明けたところ、「長田がやりたいと思う方向に行ってみなよ!」と背中を押してもらえた。(ちなみに、この悩みは誰にも相談できずにいたが、ここにいる皆さんには打ち明けたい。打ち明けないといけないという気持ちになった)

その結果、まだ何も仕事が決まっていない中、当時勤めていた会社を辞めて、コミュニティを生業とするコミュニティフリーランスとして歩み始める決断ができた。(当時はコミュニティマネージャーの求人なんて存在せず、ロールモデルもいない状況だった)

もし、Wasei Salonというコミュニティと出会っていなかったら、きっと今の僕はいない。どうなっているかわからないけど、会社員を続けて「このままでいいのか、、」と今でも思っているかもしれない。

まさに、僕はコミュニティにエンパワーメントされて、自分の在りたい姿へと歩みはじめることができた。大袈裟ではなく、人生が変わった瞬間だった。

そんな強烈なコミュニティ体験があるからこそ、僕はコミュニティが持つエンパワーメントの力と可能性を信じることができるんだろうなと思う。


コミュニティ×エンパワーメント×ローカルへ

去年、東京を離れて広島県の鞆の浦にやってきた。

変わらずオンラインコミュニティの仕事をメインにしつつ、鞆の浦で古民家カフェ「ありそろう」をオープンした。

そして、夫婦で「合同会社コト暮らし」を設立して、コミュニティフリーランスから会社の共同代表となった。

会社としてはまだまだ模索しているところではあるが、ここに書いた「コミュニティを通じて、個人・社会をエンパワーメントする」ことをローカルの舞台でやっていきたいと思っている。そして、それが少しずつ形になり始めている。

5~7月に、コト暮らしとまめくらしの共同プロジェクトとして、「暮らしのフィールドワーク〜〜ひとと関わり、まちと関わる、ほしい暮らしを見つけよう〜」を開催した。ひとりひとりが暮らしと向き合う3ヶ月のプログラムだ。

4月から、福島県12市町村(原発の被害を受けたエリアのこと)を舞台とした「ローカル開業&起業カレッジ」というプロジェクトにコト暮らしとしてジョインして、コミュニティ・スクール周りの企画ディレクション・運営・コーディネートを行なっている。

8月から、茨城から生まれた「家業イノベーションアイデアソン」というプロジェクトにも関わり始めた。アイデアソンだが、1年間の取り組む期間があり、そこでのコミュニティ支援とファシリテーターとしてのジョインした。

福島も茨城も、これまで縁のなかった地域。
でも、このように仕事やプロジェクトを通じて関わりを持つことができて、とても嬉しく思っている。ここがつながれたのも、間違いなくコミュニティのおかげだ。

そして、どの取り組みも、ローカルをフィールドに、コミュニティを大切な要素として捉えて、ステークホルダーをエンパワーメントしている。まさに僕がしたかったことだ。

会社のコミュニティ事業として、これらが大切な軸になる。そんな確信を、これらのプロジェクトを通じて強く感じている。


さいごに

ここ最近、自分の会社の方向について考える時間を多くとっていて。まだまだ未熟すぎる会社だからこそ、ひとつひとつ丁寧に思想と言葉を紡いでいきたいと思っています。

形にできたことを、このnoteという場をお借りして、形にしていければなと考えていますので、また読みにきてもらえると幸いです。

そして!
このnoteに書いてあることにピンときた方は、ぜひ一度お話させてもらえると幸いです。いっしょに、コミュニティの可能性を探求していきましょう。

それでは!


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