#polcaの旅 岡山倉敷へ被災地ボランティアをしてきた話
こんにちは。長田(@SsfRn)です。
先日書いたこちらのnote。
「polcaの旅」を実施してきましたので、その報告を本記事でさせていただこうと思います。
polcaの旅・・・polcaで集めた援助金で実施する旅のこと。今回は岡山県倉敷市へ被災地ボランティアの旅を実施してきました
ちなみに、今回の旅は私一人での実施ではなく、友人の2名といっしょに行ないました。そのうち1人もpolcaで旅の資金を集めていて、まさに「polcaの旅」。
僕にご支援いただいた46名の皆さん、本当にありがとうございます。
前情報としてお伝えすると、今回のボランティアはこちらのボランティア団体さんにお世話になっています。
とても丁寧でスムーズな対応で、その組織力とホスピタリティに関心したのですが、これはまた文中で。
それでは、ここから本文に入っていきます。少し長くなってしまいますが、ぜひ最後までお付き合いください。
9/1 東京から岡山へ。岡山のグルメは最高すぎた。
9月1日8時。
僕はスーツケースを引きずり、東京駅のカフェへ向かっていた。この日、東京駅から新幹線で岡山駅へ向かう。友人との待ち合わせは10時だが、朝活でもしようかなと、早起きして東京駅に来ていた。
これから、3時間30分をかけて岡山に向かうわけだが、そこに広がっている世界がどのようなものなのか、なんとなくしかイメージできなかった。ニュースでしかその光景を見たことがなかったから。だからこそ、それを自分の目で見て、肌で感じることにとても大きな価値があると感じていた。
ちなみに、僕の実家は兵庫県尼崎市で岡山県とは隣の県。そこで20年近くすごしていたのだが岡山県に行ったことはおそらく1度もなかった。今思えば行けばよかったなと強く思うのだが、学生の自分にとってはなかなか西の方には踏み出せなかったのである。
カフェでひと作業を終えると、約束の時間が近づいていた。準備を済ませ約束の場所に向かうと、無事友人と合流することができ、すぐさま新幹線へ乗車した。
久々の新幹線で、それも3時間30分という長丁場。仕事もしつつ、どうすれば岡山へ貢献できるか考えていた。ただボランティアしてきました!って情報発信なんて、いくらでも転がっている。そうでなくて、少し違ったアプローチをしたく、この「polcaの旅」を実施したという背景がある。ボランティアをしに行こう!だけではなく、旅や観光もしながらボランティもいっしょにやろうよ、と少しラフなものにしたかった。そうすることにより、ボランティアのハードルを下げたかったのである。だから、9月1日は普通に観光をしまくり、いつも以上に食やお酒に触れようと考えていた。シンプルに岡山県に行きたい!と思ってもらえたら、それがボランティアのひとつのきっかけにもなりうると思うので。
そんなこんな考えてたら、岡山駅に無事到着。
まずは、この日お世話になるゲストハウスへ向かうことに。今回お世話になったゲストハウスは「kamp」という岡山駅から徒歩10分ほどのところにある、カフェバーが併設されているおしゃれな場所。
腹ペコな男子3人は、ここのカレーがうまいという前情報を仕入れていたので即注文した。チキンとキーマのあいがけカレー。もちろん、地ビールも併せて。
これは本当に美味しかった。最近スパイスカレーにハマってきている僕なのだが、お世辞抜きで自然と「美味しい」と言葉がこぼれるぐらい美味しかった。
一瞬でたいらげた後、早速チェックイン。今回は6人部屋を取っており、1人あたり3,500円という素晴らしいコスパ。ちなみに、このゲストハウスには外国人が多く利用しており、同部屋の方々も3人以外全員外国人だったと思う。
宿泊スペースは、共同のキッチンスペースやシャワー、トイレ、洗面台が完備されており、とても綺麗な内装だった。
ちょっと落ち着いてきたところで、ボランティアで使用する備品を購入しにいくことに。駅から徒歩でいける距離にホームセンターがあったので、てくてくと向かった。実際に購入したのは
・長靴・手袋(工具用の立派なもの)・作業用マスク
この3つ。ボランティアに必要な備品の詳細は、冒頭の団体HPをご覧いただくとして、基本この3つさえ購入すれば多くの方は揃えられると思う。ちなみにかかったお金は、1,700円ほど。
その後、周辺をぶらぶらしていると、商店街を発見。シャッターが閉まっている場所が多く、土曜日とは思えない人の少なさ。これが商店街の現状かと感じつつも、ところどころに新しいお店もある。おまけにおしゃれで、いい雰囲気をかもちだしていた。その中のひとつ「ONSAYA COFFEE」へ入ることに。
このお店では、オリジナルの豆も販売していて、好みの粗さに挽いてくれるのだそう。中もおしゃれで、もし近所にこんな店があったら毎日通ってしまうだろう。僕はあえて珍しい「コーヒービール」をいただくことに。クセになる美味しさなので、立ち寄ることがあればぜひ飲んでみてほしい。
気がつけば時間も17時となっていたので、銭湯へ汗を流しに行くことにした。Google先生に聞いてみると、徒歩5分ほどの距離に昔ながらの銭湯があるとのことなのでそこへ向かうことに。その名は「ときわ湯」。
サウナ好きで様々な銭湯を見てきた僕だけど、これほどまでにディープな銭湯を見たことがない。これは本当にディープ。行ったらわかるこの深さ。異空間がそこにはあった。ちなみに中は、大きく熱めのお風呂がひとつ+洗い場というシンプルな構造。、、、サウナはなかった。
さぁ、やっと晩御飯。商店街で見つけた良さげなお好み焼き屋に入ることに。
広島風お好み焼き。なかなかの美味しさ。ビールもキンキンで、なによりコスパがよかった。お好み焼きは1枚650円ほど。安い。このボリュームで650円は安すぎる。東京だったら1,000円オーバーなクオリティ。
ここでたらふく食べてお腹いっぱいだったが、次のお店にいくことは事前に決めていた。2つ隣ぐらいにある「ARMADILLO BREW PUB」。ここはピザとクラフトビールを推しているお店で、なんと1階部分が醸造所になっており、そこでつくっているビールを楽しめるというビール好きには堪らないお店。
ピザも美味しすぎて、さっきまでお腹いっぱいとか言っていた人間と思えないスピードで完食した。店員さんの対応もとてもいい。ここも近所にあったら毎日行きたくなるお店だ。いい店しかないのか岡山には。
食事を済ませた後は、再び宿に戻ってきた。ここの宿では宿泊客にウェルカムドリンクを提供しているということを思い出たからだ。ちなみにウェルカムドリンクは、「地酒」か「ソフトドリンク」のどちらかを選ぶことができる。僕らは迷わず地酒。
普段地酒なんて絶対飲まない僕だけど、岡山の地酒は飲みやすくて最高だった。思わずもう一杯!と言ってしまうほど。これが無料なんて最高かよ。
普段なら、ここで寝るのだが、少しでも岡山の良さをアピールしたいため、シメのラーメンを求めて再び外出。近くの店が閉まっていたため、駅の反対側へ渡り食べログ評価の高いラーメン屋へ。その名も「小豆島ラーメン」。
僕は辛めのラーメンを注文。酔うと刺激がほしくなってしまうので、シメは基本辛いの食べてる。旨味がすごく、ただ辛いだけじゃない、、うまい。もう岡山来てからうまいしか言ってない気がする。でも、うまい(語彙力)。
さすがに、この日はこれでフィニッシュ。まだ夜の22時。明日は朝7時にゲストハウスを主発し、ボランティ現場へ電車で向かう。どんな光景が待っているのか?とドキドキしながらも、眠りについた。
9/2 ボランティア現場へ。おばあさんの涙から感じたこと
翌朝、6時に起床。同室の方に迷惑をかけないようにひそひそと準備を整える。
岡山駅へ向かい、駅前で食事を済ませ、いざ現場へ!今回向かうのは、新倉敷駅。岡山駅から30分ほどの場所にある。
ホームで電車を待っていると、僕らと同じように昨日買ったような備品がつまったビニール袋を持っている方がいて、勝手に「仲間や」とか思っていた。確認はしていないが、あれはきっとそうだ。
電車ゆられ、少しうとうとしているうちに新倉敷駅へ到着。同じようにボランティアへ行く人々が一斉に下車。思っていた以上の人数だ。どうやらボランティア団体はいくつか存在し、それぞれ集まる場所も違ければ移動手段も違うようだ。駅には、「がんばろう!倉敷・真備」のバナーが。ボランティア団体の方々も「ありがとうございます」とお出迎えをしてくれた。
この写真の白いバスで受付場所まで移動する。だいたい10分ほどだろうか、あっという間に到着。
このように、体育館へ移動。ここで受付を済ます。このボランティア団体のひとの証として、名前を書いたシールをもらいそれを貼らなくてはいけない。ちなみにこのシールは後々いい働きをするので、取っておいた方がいい。
この体育館の中で、今回のボランティアの説明を受ける。このボランティアでは、5人1組を作って活動する。その5人組みはその場で作られ、グループで来ない限り全員知らない人ということも、十分にあり得る。そのグループの中で、リーダー役とタイム役を決めるのだが、それぞれの役割としてはこんな感じ。
リーダー役・・・グループメンバーへの声かけや情報集約を担当
タイム役・・・適度に休憩を取るように、常に時間を確認する役割
ボランティアは、熱中症が頻繁に起こってしまうらしく、適度に休憩を取らないと本当に危ないとのこと。だから、タイム役という役割がいるというわけだ。
僕らのグループは、僕ら3人に加え、
Tさん(香川県から車できている。前日もボランティに参加)
Kさん(地元のひと。毎週1回はボランティにきている)
の5名。ちなみにリーダーは僕になるというまさかの展開でびびっていた。
団体の方が、ボランティアについての説明をしてくれたが、とても印象に残っていた言葉
「笑顔を忘れずに、楽しみながらやりましょう!」
ボランティアに対して、どのようなテンションでいけばいいか探っていた僕にとっては、とてもありがたい言葉だった。きっと、被災者の方を元気付ける意味合いもあったと思うが、こちらとしても安心した言葉だった。リーダーの役割は、グループの笑顔を確認すること!とすら言っていた。リーダー責任大、、、
説明が済んだ後は、再びバスで移動。
いよいよボランティア現場へ到着です。
今回は、とあるご自宅へ片付けのお手伝い。
なお、プライバシー問題の関係で写真は撮影NGと繰り返し伝えられた。ということで、ここからはあまり写真はないが、感じたことを伝えられればと思う。
まず、僕らが担当したのは70歳の夫婦のご自宅。おじいさんは生まれてからずっと住んでいる家らしく、とても年期を感じる風情ある立派な家だった。
「ここにおじいさんの歴史が詰まっている」
そう考えると、とても悲しくなった。一階部分は何もない。文字通り何もないのだ。壁は剥がれ落ち、天井はいまにも落ちそうで、床はいつ抜けるかわからない、そんな有様だった。話によると、一階部分すべて水で浸ってしまい、2階部分のくるぶしの高さまで浸水したという。それも数時間でそうなっていったとか。
これまでの思い出がすべて流れた。
自然の力はあまりにも強大で無情だ。なんともやるせないそんな気持ちでいっぱいになっていた。きっと、一緒に東京からきた2人もそうだっただろうと思う。いきなり衝撃が僕らを包み込んでいた。
この日、僕らが実際に行なったのは廃棄物の運搬と、1階部分の掃除。災害で使えなくなってしまったものが、どんどん運び出されていた。その廃棄物は、別の場所へ軽トラで運搬する。運転手だけでは下ろすのも大変なので、僕らも一緒に同行することに。そこには言葉がつまる、そんな光景があった。
なんとも大量の廃棄物の山、山、山。家電や、瓦礫、バイクや自転車もあった。
これだけの量が廃棄物となるのに、どれほどの家が被害を受けたのだろうか。あとあと聞いてみると約4000軒が被害にあったのだという。なんとも恐ろしい話だ。うん、、本当に怖くなった。
12時になると、お昼休憩をとることにした。
おにぎりを頬張っていると、被災者であるおばあさんから
「今日はどこから来たんですか?」
と質問を受けた。
何も考えずに
「東京ですよ。」
と笑顔で答えると、おばあさんが数秒間固まってしまった。え、どうしたんだろと心配していると、おばあさんの目からは涙が流れていた。
震える声で
「ありがとう、、、本当にありがとう、、、そんな遠くから、、、」
と感謝の気持ちを伝えてくれたのだ。衝撃だった。
この方々はいったいどれほどの傷を負ったんだろうか
どれだけ怖かったんだろうか
どれだけ苦しんだんだろうか
と急に胸が締め付けられるような気持ちになった。
感謝の思いがつまった涙を見て、僕は言葉を返せなかった。
「とんでもないです、、」
とボソッと発することしかできなかった。
あとから、夫婦の息子さんが来てくださって、僕らが東京から来たことを知ると、おばあさんと同じように数秒間固まっていた。
「、、、ありがとうな、、、、本当に」
とまたお礼を言ってもらえた。
その時、僕は気がついた。遠方からボランティアすることに、行動を起こすことに大切な意義があると。
僕ははじめ、東京から参加しようが、岡山から参加しようが、提供できる価値は一緒なんだと思っていた。でもそれは大きな間違いで、僕らだからこそできることはあったのだ。伝えられる思いはあったのである。
東京でもどこでもいい。もしこのnoteを読んでくれている方で、被災地ボランティアに興味ある方がいたら、いますぐ行ってほしい。あなただからこそ伝えられるものがそこにはある。
行動ほど、人に伝えられるものはないのだと、深く感じた瞬間だった。
そして帰路へ
様々なことを感じながらも、無事ボランティアは終了した。
終わった後は、新倉敷駅から徒歩10分ほどのところにあるスーパー銭湯へ。
ここでボランティアの証であるシールを見せると、入浴料が半額近く割引になる。なんていい待遇なんだ。ありがたい、、、
約3時間ほどのボランティアの疲れを癒し、お疲れ様のビールをいただく。
さらにラーメン。また辛いの頬張っていた。
そんなこんなしているうちに、気がつけば帰りの時間になっていた。
今回の旅では一切観光はできなくて残念だったが、本当に学んだこと、感じたことが多かった。
あの夫婦の話はもちろん、一緒にボランティアをした方々からも多くのことを学ばせていただいた。
僕はこれまで「ボランティア」というものを重く受け止め過ぎていたのかもしれない。軽い気持ちで実施するものではないと。
でも、実際はそんなことはなかった。僕らが行って話をするだけでも、喜んでくれる人たちがいる。笑顔になってくれる人がいる。
そうであれば、旅をする中でボランティアをするようなラフなものでいいと思う。もしかしたら反対意見もあるかもしれない。でも、そのぐらいハードルを落とすことで変わる現状ってあると思う。
人の優しさ、温かさに触れるまたとない機会がそこにはある。
そして、その機会はもしかしたら人生が変わるきっかけになりうる。
ボランティアという大きなコミュニティは、思いやりがあふれていて、とても素敵な空間があった。この空間に触れるだけでもきっと価値はある。
もっと多くの人にボランティをしてみてほしい。そう思ったこの2日間だった。
この2日間僕と関わってくださった皆さん、本当にありがとうございました!
《Special Thanks》
waterさん
Kinoさん
橋詰友人さん
大木佑斗さん
《Polca金使用先》
交通費 32,000円
宿泊費 3,500円
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