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「日揮、プラント工事で3Dプリンター活用 コスト削減」に注目!

日揮、プラント工事で3Dプリンター活用 コスト削減 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

日揮ホールディングス(HD)は6日、サウジアラビアで進める原油・ガス設備の工事で3次元(3D)プリンタ技術を導入すると発表しました。現地の施工会社と協力し、2024年夏ごろに作業を始めます。日揮HDが海外の工事で3Dプリンタ技術を使うのは初めてで、工期の短縮やコスト削減につなげます。

2022年にサウジ国有石油会社サウジアラムコから受注した工事で使います。化学品を保管する倉庫の外壁工事で、3Dプリンタで型枠をつくってコンクリートを流し込みます。工程を減らすことができ、人件費や建設費用、エネルギー使用量などを抑える効果があるといいます。

日揮HDは2021年から宮城県のバイオマス発電所の工事で3Dプリンタを活用する実証をしました。建物の基礎の型枠に3Dプリンタを使うことで、工期を従来の半分にできる可能性があることがわかりました。他の建設工事でも活用する計画です。

3Dプリンタは工事の遅れや技術者不足などの問題の解決につながるとして注目が集まっています。JR西日本や清水建設なども活用しています。

今回のプロジェクトの顧客のサウジアラムコ社は、世界最大の総合エネルギー・化学企業としてエネルギーの安全保障と安定供給を支援し、すべての事業および建設中のプロジェクトにおいて持続可能な活動を推進することを目標としています。3Dプリンタは、廃棄物やエネルギー使用量を削減し、環境負荷を低減することに加え、建設生産性の向上が期待できることからサウジアラムコ社がプロジェクトに導入を検討している技術の一つとのことです。

宮城県石巻市で遂行中のバイオマス専焼発電設備の建設工事現場に3Dプリンタを設置し、プラントの配管支持構造物(基礎型枠)への3Dプリンタの適用に向けた実証に取り組んできましたが、こうした取り組みは様々な顧客から注目されたそうです。そのうちの一つがサウジアラムコ社とのことです。2024年夏ごろの造形作業の開始を目指しています。

日揮HDは建設工事の効率化、さらには建設技能者の人材不足という社会課題の解の一つとして3Dプリンタの建設工事への実装を目指して、導入事例を積み重ねています。

4月30日に2024年3月期通期業績予想を下方修正した際、営業利益の赤字転落の背景として、手がけている海外案件の追加損失やリスク対応費用が膨らんだことを挙げていました。その中でサウジアラビアの原油・ガス分離設備建設プロジェクトがありましたので、今回のような効率化によりコストを削減し、収益に貢献してほしいと思いました。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。