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「飲んで美容コスメ変貌 資生堂参入、カゴメ・ツムラと協業」に注目!

飲んで美容コスメ変貌 資生堂参入、カゴメ・ツムラと協業 「韓流」台頭で健康に活路 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

コスメ各社で、美や健康に関連する栄養素をサプリなどで得る「インナーケア」事業に進出する動きが広がっています。化粧品市場は成長傾向ですが、韓国からの輸入額が新型コロナウイルス禍前に比べて2.5倍になるなど国内勢の存在感が薄まっています。栄養まわりに知見のあるメーカーと協業するなど、業界を超えて成長が続くサプリ関連市場に活路を見いだします。

資生堂は、食事など体の内部から美容効果を得る「インナーケア」の新ブランド「シセイドウ ビューティー ウエルネス」を立ち上げました。

販売したのはカゴメとコラボした飲料「ルーティナ」と、ツムラと連携したサプリ「チューンボーテ」。ルーティナはカゴメの持つ野菜の研究知見を生かし、体内時計に着目した商品です。チューンボーテはツムラの持つ漢方の技術もあわせ、体の調子を向上させるとしています。

研究から商品発売まですべてを他社と連携するのは資生堂にとって初めてです。魚谷雅彦会長最高経営責任者(CEO)が両社の社長に自ら声がけをしたことで実現した「肝煎り」の施策でもあります。

資生堂は2023年12月期、純利益が前年同期比でも36%減の217億円となるなど厳しい業績が続きます。新型コロナ禍後の需要回復も期待されたが、売上高も9%減の9730億円となりました。立て直しのため、国内では全商品数を2022年末から2割の削減を目指すなど構造改革を進めています。

インナーケア事業はそんな中で打ち出した未来への種まきです。2025年からは中国など海外での展開も検討しており、資生堂の赤尾一成事業部長は「2030年には売上高を数百億円にしたい」と期待を込めます。

背景には国内の化粧品市場の競争環境が厳しくなっていることもあります。富士経済によると、国内市場は2020年の2兆7559億円から2023年には3兆276億円と10%増の見込みです。国内大手各社が伸び悩む一方で市場が成長傾向にあるのは、海外メーカーの台頭があります。

日本輸入化粧品協会(東京・港)によると、韓国からの化粧品(シャンプーなどを含む)の輸入額は2022年に775億円と、約30年間トップだったフランスを抜いて初めて首位になりました。2023年はさらに伸長して959億円と、新型コロナ禍前の2019年(373億円)から2.5倍と急成長しています。

K-POPや韓流ドラマ・映画の人気を追い風に、ファンデーションなどのベースメーク用品や化粧水などのスキンケア用品が人気を集めます。同協会専務理事の栗原悟氏によると、数年前まで購買層はZ世代が中心だったが、「30~40代にまで広がっている。一過性の人気ではなく、定着しつつある」と話します。

そこで資生堂などが目をつけたのが、健康意識の高まりで成長が続くインナーケア関連市場です。

同市場の代表格のサプリの市場規模は2025年に1兆967億円と10年で2000億円以上増える見通しです。訴求する機能や効能も千差万別で、他社との差異化がしやすく、プレミアアンチエイジング等の化粧品各社が進出する動きが広がっています。

資生堂のインナービューティーブランドであるSHISEIDO BEAUTY WELLNESS(SBW)は、人の美しさを外見や「肌」のみではなく、肌、身体、心の調和が取れている状態こそが健康的で美しいと捉え、日々の生活を通じて、一人ひとりのここち良い独自の「健康美」の実現を目指したブランドです。

2024年2月に記事にあるツムラと共同開発した「TUNE BEAUTE(チューンボーテ)」、カゴメと共同開発した「ROOTINA(ルーティナ)」、刷新した資生堂独自の「The Collagen(ザ・コラーゲン)」 の3商品ブランドを発売しています。

資生堂が実施した調査(2023年、20~60代日本人女性23,408名を対象)では、20代から60代女性の72%が「キレイになるために内側から整えることが必要」と感じており、さらにライフスタイルが多様な現代では、「身体の中から本来の力を高めたい (56%)」、「肌老化は加齢だけでなく生活環境も影響すると思う (71%)」といったように、個人の体質やライフステージだけでなく、人それぞれに美しさに求めるニーズ・悩みが異なり、変化し続けることも分かっています。SBWは、肌・身体・心の関係性を可視化した、資生堂独自のインナービューティーのアルゴリズムを活用し、一人ひとりに寄り添った、その人ならではの美しさを内側から育むための商品とサービス「インナー美育ソリューション」を展開しています。

「美しい、は生きている」をメインコピーにしているSBWの今後の展開に期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。