【連載 Bake-up Britain:舌の上の階級社会 #42】ロースト・ビーフ(1/4)
古きイングランドのロースト・ビーフいつか食べるといい、ロースト・ビーフを。できるなら寒い季節の昼下がりがいい。窓から柔らかく光が差し込む古いパブの木のテーブルで、ワインではなくエールを、いや、むしろスタウト(黒ビール)を、「柄がついていないグラスで出すような愚」(*1)を犯さずに、ジョッキか陶製のマグで添えて食するのがいい。ヨークシャー・プディングは必ずあったほうがいい。たっぷりとかけられたグレービー・ソースを余すことなく掬うことができるから。付け合せは人参とジャガイモ。ホー