見出し画像

大企業からスタートアップ起業家に転身した僕から見た経営計画の考え方

commonの石川です。

規模の大小に関わらず、経営計画はどのような会社でも作成されます。
経営計画の精度は会社のガバナンスを示す重要な指標となります。

僕は経営計画の精度は、人間でいうと運動神経のようなものと考えています。自分の身の丈を把握して、動きをイメージする。会社で言えば、自社のリソースを把握して、来年の着地までの動きを計画するといったとこでしょう。運動神経が悪いと、イメージとは異なる動きになります。

実績の上方修正はいいこと?

実績が、計画未達となってしてしまうことがステークホルダーにとってマイナスなインパクトを及ぼすことは言うまでもありませんが、毎期々々、計画を大幅に上回る利益を達成しているといっても市場からの信用を得ることはできませんし、そもそも経営陣が利益の増分を計画に織り込めていない以上、「ただのラッキー」と言われても仕方ありません。堅めの計画を作成したい気持ちはわかりますが、営業からコーポレートの総力を結集して、いっぱいいっぱい背伸びしてちょうど着地できる数値を盛り込んだ適切な経営計画とするべきでしょう。

会社によって異なる経営計画のレシピ

ただ、一言で「適切な経営計画」といっても作り方は、業態や会社の規模によっても様々です。営業一人が配賦された金利コストまで勘定してみなしの経常利益の予算を作れる会社もあれば、営業は売上責任のみで原価は製造部が管理しているような会社もあります。

また、規模によっても経営計画の作り方はことなります。営業部署ごとに計数機能があり、各営業員の配賦割合や与件を細かく設定することができる会社もあれば、中小企業など単一の経理組織で全社の計数を一括で行う会社もあります。

特に、零細企業や個人事業においては、経営者が0からすべて一人で売上から当期純利益、キャッシュフロー、貸借対照表を作成しなければならないことも多いと思います。だれが、与件を設定してくれるわけでもないですし、売上をどのように作るかも指示してくれない状況です。横の組織もなく、相対的な予算の評価も、「予算の融通」もできません。
※予算の融通はそれはそれで大変ですが・・・

スタートアップには経営計画は不要!・・・?

僕が今いるスタートアップ業界では「予算なんか時間の無駄だから作るな」勢が結構いるようです。スタートアップは、ピボット(事業変更)もするし、そもそも新しい市場を作っていくことが目的の一つであるため、変数が多すぎて予測しきれないという側面があるので、「適切な経営計画」を作ることは極めて困難です。
とはいえ、金融機関と話す際には、経営計画なしでは話になりませんし、PDCAを回すという意味においても、計画を作って、実績との差異を計測して、修正することは必要です。
ただ、前述のように、不確定要素が多い中での過度な作り込みは、費用対効果が良いとは言えません。

どんな会社でも経営計画は必要ですが、その会社の業態や規模に応じて、コストメリットを踏まえて、可能な限り実績に近い経営計画を作りたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?