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クラフトビール物語〜花咲かラガー①〜 「不思議と合うんですよ」


GW7日目の金曜日。先週の土曜4/27から始まり、4/30・5/1・5/2の平日に有給を取った人なら、7日目のGW(ゴールデンウィーク)となる日。
僕は、今日も朝から仕事をした日の今日、クラフトビールを飲みに来た。

気温は、日が射すと長袖では暑く、夏が迫っている事を実感できる。街を行き交う人々も、普段の週末よりも多く、普段よりもゆっくりと進んでいる自分の足取りに、陽の熱が加わり、気怠さが夏日の様に思え、顔が変に火照ってしまう。
こんな日は、スッキリとしたビールが飲みたくなってくる。
立ち飲みのクラフトビールの店。店内にはいると、エアコンが効いて涼しく、沢山飲むにはうってつけの環境だ。

「花咲かラガー」

僕が飲んだのはこのビール。
コレが凄く特徴的。
ビールなんだけれど、桜の香りが強くて、桜の酒を飲んでいる様な気分になる。麦芽の香りも、苦味もあるけれど、桜の香り一つで全てが包み込まれている。けれど、ビールらしさというものも味わえて、狙い通りスッキリとしてビールを味わうことが出来た。
独特だけれど美味しいと思う味だった。
興味のある方は、「花咲きラガー」で検索して調べてみて欲しい。
売っていたら是非買ってみてくれ。
もう一度、春を感じられるぞ!!

そして、このビールの味から連想したイメージで、小説を書いてみたので、是非とも読んでいただきたい。
タイトルは考えていない。
変わりにテーマを用意した。

テーマ:「不思議な様子」。
(コレがタイトルで良いかもしれない。けど考えるのめんどくさいので今回はこのままで。)

ではどうぞ!


「美味しそうな匂いじゃん」
1人の女生徒が声を張り上げ調理室に訪れた。彼女の名前は桜花。
桜花は教室の香りをたどる様に、顔をゆらゆら動かし、香りの元である料理を探す。
教室には数名の生徒、複数の調理台が存在している。使用されているのは4台、その内、桜花が仁王立ちする入り口から最も離れた場所に、幼馴染である汐が、桜花に目もくれず、いや気になってはいる様子だ。横目で見ていたが、目の前の料理に集中するべく、意識を眼前に向けて考えを巡らせている。まだ、動きは精彩を欠いている。
「ちゃんと集中しなよ。落ち着かない時はね、深呼吸してね、深呼吸してる意識に注意を払うと、整ってくるよ。」
汐が横目で桜花を見る。乱れた原因となる人に、助言され、君のせいだと心の内で呟き、呼吸に意識を向け、目の前でコトコトと沸いている液体と油の様子に注意をさかないといけないから、何も言えず、時間の迫るタイマーに目を向け、銀色の鍋に広がる食材の様子を確認する。
もうすぐ茹で上がる。
仕上げ用にすりおろしたナチュラルチーズとちょっと高めのオリーブオイル、盛り付け用の皿を用意し、今から動く動線を確保する。
「桜花、少し下がってて。」
「はーい」
素直に聞いても分けてやらないからなと、静かに決意する。
タイマーが鳴る。茹で上がったロングパスタを、作りかけのソースが入ったフライパンの中に入れ、強火にかけソースを煮立たせていく。フライパンを左手で小刻みに揺り、右手に持ったゴムベラで麺を回し、円を描きながら回し混ぜていく。液体と油が混ざり薄色に白濁してくる。ブロッコリーの身が欠けていき、緑色が徐々に混ざる。香りはニンニクがしっかりと感じられる。フライパンを軽く持ち上げる前後に振り、パスタを縦に回転させ混ぜ合わせる。チーズを散らしながら混ぜ、オリーブオイルを垂らして混ぜ、汁が程よく残っている状態で火から外し、器に盛り付ける。白胡椒を削ったら完成だ。
フォークを用意し、テーブルに運び、パイプ椅子に座って手を合わせる。
「いただきます」
「いただきま〜す」
パスタの隙間にフォークを差し入れ、くるくるくると巻きつける。上手くソースが絡んでいる。一口大のブロッコリーも刺し、口に運ぶ。
「うーん、美味しいけどしょっぱいね。チーズ入らなかったんじゃない?」
僕は桜花の顔を見ながら黙々と食べる。
その通りだ。アンチョビが入っている事を忘れて、塩入の茹で水を加えてしまった。チーズもくわえているのだから、塩加減をちょうど良くするには水で良かった。けれど、それでは物足りなくなるから、半分は塩水にしようと思っていたのに、その事も忘れてしまった。
自分で立てた計画なのに、実践できないなんて恥ずかしい。また作り直しだ。
「まあ、私は部活終わりだからしょっぱい方が良いけど。」
「食べて良いって言ってないよね。」
「良いじゃん。美味しい美味しい。」
「褒めてれば何でも許されるわけじゃないからね」
「上手くいかなかったからって怒らないの。」
「別に怒ってないけど。本当に美味しかったの?」
「そこそこ」
「そこそこって何だよ、意見変えるなよ。」
ははははは、と笑って誤魔化す桜花。
悔しそうな表情を浮かべつつも、黙って黙々と食べる汐。
なぜ、2人は一緒にいても違和感を感じないのだろう。彼らを見ていると、不思議に思ってしまう生徒が後を経たない。
特別な組み合わせ。



いかがでしたか?
(読んでくれる人はいるのだろうか?)
楽しんでいただけましたか?
(きっと誰も読んでいない。)
今後、このような飲み歩きした記録と、そこで得たインスピレーションから短文小説を書いて更新していきますので、興味がある方、面白いと思った方は、フォローをお願いします。
(ここまでみる人はいつ現れるだろうか?小説の感想よりも、その事が気になる。最初の1人は誰になるのか?、我こそが1人目だと思う人は、是非とも「良いね👍」をしてみてくれ。よろしくお願いします!)

*「さきやましゅうと」さんとお話して楽しかったです。

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