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恥の多い生涯を送ってきました。
表題「人間失格」。作者「太宰治」。
僕が初めて読み切る事ができた話。有名な小説、有名な一文。

初めてこの本を読んだ時、羨ましいと思った。彼は人間の営みが分からないと綴っていた。営みだけでなく人そのものに恐怖しながらも関わり続けていた。
彼の綴り方からすると、人の営みがある種の意思を持ち、離さずにいたと感じていたようにも読み取れる。
しかし人の営みの一部には成り得ていたのではないかと思う。恐れながらも他人に同調し、道化を演じる様を僕が見たらそう感じたはずだ。
僕にも道化を演じ続けることが出来ていたら、彼のように死ぬ事が出来ていたかもしれない。

僕は死ねない。死ぬ事は救いになってしまうから。
人の営みに居場所はない。見据える先は闇だったから。
怒りが消えない。消してしまったら死ぬ事と同じになるから。
自分が許せない。許すべき自分がわからないから。
苦しみ抜いて死んでいく自分なら肯定できる気がしたから、
人生を地獄にした。

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