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6月エッセイ①:関係性は良好?元鬱の僕は「とり天」作って関係性を考えた


元鬱だからといって、人間性を侮らないでいただきたい。鬱病中であっても、やる気が無いと侮らないでいただきたい。至って真面目に苦しんでいる。真面目に体の調子と向き合い、日々精神の磨耗に耐え、仕事をしている。
たとえ寝たきりであっても、精神はダメージを受け続ける状態だ。自然と考えを巡らし、自然と自分が傷つく未来を想像し、自然とその考えから抜け出せず、勝手に自分を傷つけ続けてしまう。
なぜ考えてしまうのかな。新たなトリガーから別の波へと自然と流れていき、また自分の記憶に殺される。ひとしきり流れ続け、悲しんで、日を跨ぎ悲しみに打ちひしがれ、慣れてきた所でようやく正常でいられる。
少し、人との触れ合いで働く感情は枯れ気味になるけれど、正常に体を動かせているから、それがこの時の健康な自分なんだ。



今回、父をターゲットに料理を作りました。何故作ったのかと言うと、動画の視聴者層の一部の人物像を父でイメージ使用と考えたからです。
父の年齢は、60代前後。正確な年齢と誕生日は覚えていません。誕生月なら大丈夫。確か、うん。

今の僕は、新しい小説の執筆とYoutubeでの活動の板挟みに合っています。もちろん仕事もしていますので、板はそれも加わりますね。
そろそろレシピ紹介に挑戦したいと思っております。思っているんですけれど、ただ料理を作って紹介した所で面白いと思ってもらえるわけもなく。平凡な料理を作ろうものなら、興味すら抱いてもらえません。
だから、料理の研究をぼちぼちと始めている所でして。美味しいものを作って、美味しそうに写真と動画を撮って、編集して動画にする。そこまではレシピを考える段階で思いつくんです。けれど、演出は普通じゃだめ!周りが強豪すぎて、今思いつく演出じゃ太刀打ち出来ないと思うんですね。
どうしようかなと悩みつつ、料理動画の撮影・編集を行いながら、ぼちぼちこれを書いているわけです。まだまだ将来が不安です。

僕は恋愛よりも仕事を優先しています。そろそろ落ち着きたいけれど、好きな事で安定した収入を得ることが先、じゃないと安心して生活できない。意思疎通は図れているから、その内迎えに行く。絶対にイチャイチャしてやる!!(その機会を設けてほしい。かみさま〜〜〜)
頭を抱える時間は続くだろうけど、もう一踏ん張りしようかなと思います。

今後の活動は、人の役に立つレシピの紹介。食事の様子、そういった場で起きる、ドラマ程ではないけれど、ドラマチックに仕立てた出来事を紹介したり、物語を良さげに創ったりして活動していきたい。
独自の感性と知識を共有できたら、僕にとっても他人にとっても財産になると思う。その為に、食を知るキッカケとなった家族について考えておきたいと思いました。
今回は父の日なので、父について。

作った料理は「とり天」です。
「とり天」は、大分県中部の郷土料理で、鶏肉に衣をつけて揚げた料理です。今回は天ぷら粉に付けて、揚げて、甘めの天つゆと大根おろし、もしくは塩で頂ける様に振舞いました。かき揚げと赤だし味噌汁付きです。


父の事は端的に言うと嫌っています。自分の分が完成すると、ビールを開けて昼間から呑み始めて、久々に飲食店で働いていた時の気分になれて、懐かしい気分にさせられました。

嫌っている、正確には嫌っていた理由は。父は俗に言う亭主関白な男で、家事は母に任せっきり。声は大きく、おまけに口うるさく、テレビに向かって一人で呟いて、機嫌が悪いとテレビに映る人物を目の敵のように蔑んで、気の済むまで言うと、気にしない様にしていたこちらに同意を求めてくる、そんなめんどくさい人だった。

今は一人暮らしをしているから、たまに会うだけで済んでいる。けど、久々に料理を作ると変に愛着が湧くもので、なんだかなぁって気分でした。

悪くない。けど、嫌いな部分もある。意外と優しい部分もあるけど、関わろうとしないから取っ付きにくく接しづらいから、一緒の空間にいても居心地は良くない。料理を作った時も、父のために作ったので、この場から居なくなれとは思わなかったけれど、食べ終え自室に戻っていくと場の雰囲気が少し軽くなる気がした。

実家に住んでいた頃、一緒に生活する中で、無意識に影響を受けてしまうから、参考にする考えが父から自然と身についてしまっている。荒んでた頃は、そのことに気づくと死にたくなるほど恥ずかしかった。悔しかった。

初めて一人暮らしを始めて、仕事も学業も必死にこなしながら取り組んで、人とすれ違う時、追い込まれた時、いつも自分が身につけてきたことが間違いだったと感じて、僕の考え方の一部に父からの影響があると気づくと、批判できる口実になるから批判し、問題は残ったままで、自分の選択が悪いことに気付かされ、無力感にさいなまれ、負けた気になって、より酷く落ち込んだ。
自分を受け入れられない期間が長かった。

実家の頃、時折、殺したい、消えてくれと思ったけれど、捕まって自由を奪われるのが嫌で何もできなかった、そんな自由にさせてもらえなかった頃を思い出して、「どうせ出来ない」と、考えが勝手に縛られてしまっていることに気づいて、
自分は終わっていると絶望して、「死にたいな」なんて考えて衝動的に首吊ってみたり、ガスを部屋で満たしてみたりして、けど何にもならなくて、死ぬ意思も無いことに気づいて、無意味な考えに頭を悩ませ、自分の意思を制御できない、未熟さに絶望を重ねる日々があった。

今回そんな事を思い出していました。

良くある話です。言葉や力で、深く傷つけられてしまったから、深く関わろうとしなくなった。逆鱗に触れないよう、細心の注意を払い近くにいる時はひっそりと生活する。正直話せるエピソードは少ない。
けれど、わざわざ触れたのは、心の闇の源は家族関係から生まれたものだから、考えて、社会の良いものであるとされる状態に近づけるようにして、しこりのある気持ちに折り合いを付けておければ良いなと思った。考えたと書いた理由なんてそんなもの。
嫌っていた時期は長いのに、家族として過ごした時間があるからか、情が湧いていて、嫌悪感だけを抱くことができない。気遣いすることなく、咎められることもなく、相手に対する認識と関係を切り捨てられたら、楽だなと思う。
だけど何故か、好物は覚えていたりするから、好きだった時期があるんだろうなと思う。

今はアイドルの話で盛り上がることもできる。ライブの前後では、その話になる。僕は感動すると、一人で「良かったな」と少し物思いに耽ってから、あまり振り返らない。けれど父は、僕よりも昔から応援しているから、知らないことを沢山知っていて、その話している様子は、まあ楽しそうで、良かったなと多少労って見ている。

作ったとり天を食べ、それをアテに昼間から酒を飲んだ姿を見て、楽しみにしていたんだろうなと知れて、心のつかえも少し取れていた。互いの認識を語り合うことはないから、案外認めてくれているのだと思えて、少しホッとした。

料理は誰かのために作ってなんぼだと思っているから、食べてくれる人がいないと、自分の料理に価値は生まれない。料理人として生きる意味がない。誰かに作って評価されたかったし、動画で人の気を引けるような事をしたかったから、日本の行事に沿って料理作りを行った。

そうして、真っ先に好きな料理の「とり天」が思い浮かんだ。だからやっぱり、好きだと思っていた時期があるのだと思う。父としての存在は肯定しているので、悲観的な関係ではないという事で良しとしたい。

それでも今の僕は、父に対する信頼や好意が強いとは思わない。

嫌いになったその理由に明確な意志を抱いているから、好きとは思いづらい、嫌う感情が勝るのだと思う。けれど、なんだかんだ言って、働き続けて育つ環境を維持し続けてくれた事には感謝している。自分が文明人らしい生活をしてこれたのは、父の存在も関係しているから、ありがたいなと思う。
昔と比べて、感情的にならず冷静な気持ちで物事を俯瞰して見られようになった。なぜ、こうなれたのかなと考えると、「悲しい」、「辛い」と思うタイミングで、いつも一人だから自分で感情の処理をしないといけなかった。子供の頃のような頼り方を忘れて成長を続け、距離を置くことが当たり前な状態。いざ、人の輪に入れば、手の取り合い方が分からず、警戒心をむき出しにして何にか間違うと反省するから、その反省の積み重ねで小さな成功を増やし、自信をつけて来たからだと思う。我ながら視野が広くなった。
こうして書き起こしてみると、しっかり過去の出来事になっていると改めて気づく。腰を据えて、ふとした時、あらゆるタイミングで、過去の感情を思い出して振り返ってしまうと、今のことの様に錯覚して、苦しくなったりするけれど、ちゃんと乗り越えた後なんだなと達成感すら感じられる。
ちゃんと成長できているな〜。と感慨深い気持ちになりました。今後生きていく上で悔いは残したくありませんから、気になる事はどんどん取り組んでいこうと思う。その手始めが前回のVlogから続いた、家族関係について何です。親孝行は生まれた時点でしているらしいから自分を中心に考えてちょこっと他人(父)にお裾分け。僕は料理作れて、父は昼間から酒を美味しく飲めて、winwinな関係になってました。

父の日に料理を作って、関係性について考えてみて、家族は縁が付かず離れず、細くとも何かしらで気持ちが繋がっていれば成り立つのだなと、今回の経験を通して学ぶことが出来た。
これも、Vlogにリピーターの方がいらっしゃるから、生まれた機会だと思う。この経験はきっと、今後の役に立つ。
人生の中にある、小さな成長を大事に積み重ねて生きていけたら良いなと、思っています。頑張ります。前を向くための時間って大切ですよね。

(終)

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