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本好きの読書感想


【一杯のおいしい紅茶】

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 ー完全な紅茶のいれかたについては、
わたし自身の処方をざっと考えただけでも
すくなくとも十一項目は譲れない点がある。ー

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タイトルが素敵すぎます。

以下、個人的まとめと感想です。

 I について。
少しくたびれてはいるけれどきちんと丁寧に扱われ着込まれた正しいスーツの初老の紳士(髭あり)が、
色んなことに口を出しています。
ちなみに冒頭のおいしい紅茶について書かれているのもこの章。
 →イブニングについて夕刊紙で書いちゃったら
「やば、今からこの格好で出掛けるの無理…今更どうしたらいいんだ。」とか思ってしまって困る人がいたんじゃないのかしら、とあらぬ心配をしました。

 II について。
お手紙を色んな人に出しています。
ジュラ島、『一九八四』を書いた場所より。
新聞に寄稿してる人物とは思えないほどユーモラス。
最初の章で堅苦しいお爺さんを想像していましたが、ちょっとだけ話せばわかる人なのかも、と思えたり思えなかったり…
 →イギリスの気候について、こんなに季節の移ろいが豊かな国はそうそう無いと言ってます。「日本には四季がありますからね」と自慢している私たちとしては、若干気恥ずかしくなりました。(人の振り見てなんとやら)
一月と二月は切り捨てたいそうです。でも三月から十二月までについての2行ばかりの連想コメントは秀逸。
面白いし、凄いなって思います。

 Ⅲ について。
大作家の本領発揮。
鋭い、切れる、刺さる。そんな言葉と文章の数々。
特にユーモアについてと書物対タバコの件は色んな意味で素敵なお勉強をさせて貰えそう。
 →ちょっと、いやだいぶ難しい…
人名、書物名、その他諸々知らない単語がたくさんで、自分の無知を思い知らされる。
本の世界って、海より広いし深いんだなと思いました。
きっと彼の頭の中には、ホグワーツにありそうなめちゃくちゃ凄い図書室があることでしょう。
三段BOX並みの本棚しかない私はとりあえず、昔挫折したカンタベリー物語を読み直そうと思いました。(果てしなく先の話になりそうです…)


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