道草食っていこう ひとつ大事な話があるから(煙草のススメ)
梅雨の晴れ間の暑い日。
初めて煙草を吸ったのはお墓の中だった。
当時通っていた中学校は自宅からすぐのところにあり、家と学校をつなぐ道は坂道になっていた。
その途中に破風墓の並ぶ小さな墓地があり、その隣にそびえ立つ擁壁の上が中学校のグラウンドになっている。
「やったー(お前ら)ちょっと来い」
僕の中学は二つの小学校の校区がまとめられていて、そのヤンキーは向こう側の学校やつで、体は小さいが鼻っぱしが強く意気がっているやつだった。
「なんだろう?」
反抗すると面倒くさくなるので僕ら