空の声が聞きたくて 風の声に耳澄ませ 海の声が知りたくて 君の声を探してる
青、紫、ピンク、赤、紫陽花の花びらの光。黒、グレー、白、アスファルトの光。濃藍のJPN TAXI、白のBMW、黒のランドクルーザーの光。
昨夜降り続いた雨が止み、全ての景色は水晶のような朝露の光で輝いている。
明後日は入梅。暦の上では梅雨入りの日だ。
「私はとてもスリムであなたの側にすらっと寄り添います。ユーモアのある会話で楽しんでいただけると思います。」
「私はとても健康で元気にあなたに寄り添います。とてもお喋りなので飽きないと思います。」
梅雨の相方はシャープなロンドナーがいいか、快活な大和撫子がいいか。街を歩くと様々な声が聞こえてくる。彼、彼女らの提案は時にさりげなく、時に情熱的で、すべてに意図があるその姿形は美しくもあり儚げでもある。
先週はコートニーだったから、今日はキャンプフォスターと知花をはしごする週だ。無造作に山積みされている、Tシャツ、トレーナー、パンツなどの衣料品。マグカップ、プレートなどのキッチン用品。鼻につくダウニーとディグリーの匂いがいかにもアメリカらしい、チープでカラフルな声がそこかしこから聞こえてくる。同じ朝だが、お菓子の詰め合わせのように視覚と嗅覚を刺激するリズムは、東京のそれとは大違いだ。
日本の年間降水日数は100日ほどもあり、傘の所持数は3本以上で世界一だそうだ。
本物はとても少ない。が、本物と本物を掛け合わせたものが本物になるとは限らない。時には、偽物と偽物が本物になることだってある。
決め手は、異国情緒と落ち着いた佇まいだった。あと、携帯のしやすさと逆三角形の洗練されたスタイルだ。
そういえば和服と合わせるための古物の傘はまだ朽ち果てていないだろうか。今のものにはない、L字の木製の持ち手が個性的でステッキ代わりに丁度いい。離れて久しいが、和装をする習慣を復活させたいものだ。
物たちは裏切らない。老いはするが変わらない。見誤ることはあるが、それは自分に非がある。安心感のあるその会話は楽しく僕の心を落ち着かせる。
今年はラバーローファーにも手を出してみようか。
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