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心理系大学院予備校選び⑤(プロロゴス編)

山崎有紀子さんで有名なプロロゴス

 プロロゴスは、心理系大学院受験よりも公認心理師試験対策で知っている方も多いと思う。昨年までYouTubeでは、公認心理師の受験資格が経過措置期間で、Gルート(ざっくり言うと、心理職に関する職務に就く現任者であれば、卒業学部や大学院は問わないで試験が受けられる)の受験者バブルが沸き起こり、猫も杓子も「公認心理師対策」をやっていた印象があった。公認心理師の試験範囲は心理系大学院の受験内容と概ね重複するので、そうしたYouTubeもたくさん見たし、参考になったものも多い(別稿予定)。

 プロロゴスの山崎有紀子さんもその一人で、いわゆる“心理系YouTuber”としてかなり顔が売れている。特に彼女の公認心理師試験対策YouTube(しんりしtv)は図やイラストを使ってわかりやすいことから、河合塾KALSの宮川先生と並んでファンも多い。心理学初心者だった私は、彼女の動画でかなり勉強させてもらった。

数百本の無料動画はスゴい

 ただ、プロロゴスは公認心理師試験対策が専門だったわけではなく、もとは心理系大学院の予備校として約10年前に名古屋に開講して今に至る。なので、彼女の著者である「心理院単」や「心理英語」はいまだに院試参考書としてはBest10に入る。

公認心理師講座中心の体制?

 山崎さんに関心を持った私は、プロロゴスは名古屋中心の学校ではあるが、オンライン受講もできる心理系大学院受験講座を受けようとメールで問合せをした。あまりにも彼らのHPで院試の情報がないからだ。上記のようにプロロゴスのエネルギーは、2022年までは公認心理師試験講座にかなり注力されている印象があった。昨年の公認心理師試験講座は全70回オンラインで実施され、300名くらいが受講していたようだ。その一方、彼らのHP上の「心理系大学院受験講座」のページはずっと古い情報が掲載されたままで、更新されることはなかった(現在はようやく更新された)。

 問合せメールには山崎さん(ご主人)が対応してくれた。彼はこちらの様々な質問に対して、勉強法や授業で使う資料、動画などを見せてくれ、かなり丁寧に説明をしてくれた。予備校の事務的感はなく、非常にフレンドリーかつフランクな対応に好感を持った。かなり迷ったが、オンライン講座のみで1年間受講することに対する不安を払拭できず、東京での対面授業を行う予備校を選ぶことになり、結果的に受講はしなかった。

プロロゴスのお薦め度は

  受講していない状況ではあるが、いただいた情報などからの私の主観的評価をお伝えする。プロロゴスは、院試よりも公認心理師や臨床心理士の資格試験の受験対策のほうが力を発揮する印象を持った。
 なお、下記はあくまでオンライン講座を対象とした内容なので、再開した名古屋での対面講座に通える方だと少し状況が変わるかもしれない。

【○】
・アウトプット中心の講座スタイル
過去問を解く課題を中心とした講義なので、実践的。しっかりと課題をやってくることが求められ、ペースメークとしては望ましいスタイルである。
・心理英語
山崎さん(夫)の授業はわかりやすい。訳だけではなく、文法説明もあり、雰囲気も明るい。「プロロゴスは、少人数制で英語が苦手な人にも優しく指導」と言うだけに、丁寧に対応してくれそうだ。
・講師との距離感
少人数(10名弱)なので講師との距離が近く、質問や相談がしやすい。講義日も受講者の希望を聞きながら決めるようだった。
・研究計画書10回添削
受講するともれなくついてくる研究計画書添削が10回というのはかなり心強い。添削を2,3回しかやらない予備校が多いので、寄り添ってくれる印象がある。

【△】
・受講料は抑えめ
 1科目+研究計画書:半年220,000円(20回)
          1年253,000円(40回)
 2科目+研究計画書:半年330,000円(20回)
           1年396,000円(40回)
 とあるが、回数が同じなのは「それぞれ」と理解すると1年受講すると全部で80回の講座ということになり、金額としては河合塾より安い。
・講師は山崎有紀子さんではない
山崎有紀子さんがメイン講師ではない。ときおり登場するだけ。
・社会人対応?
「時間のない社会人やより時間が必要な他学科卒の受験生が効率的に勉強できるよう、プロロゴスは少人数、かつ実践的なカリキュラムを提供しています。受験生が効率的に勉強できるように指導します。」とあるが、社会人向け対応についてはよくわからなかった。

【▲】
・心理学は物足りない
テキストや動画を見る限りでは、心理学が弱い。テキストは表組でまとまって書いているが、講師が語句説明的な講義だけなので心理学として流れの理解は難しい。またこの回数で基礎心理学と臨床心理学を網羅できているのかが不明。
・関東圏大学院の情報量不足
名古屋にある予備校なので仕方ないが、閲覧できる過去問や合格者が基本的に愛知県を中心になっているため、関東圏の大学院を受験するには情報が足りない。

【注】上記の情報は2023年1月時点での個人的評価なので、事実と異なる場合はご容赦ください。また最新状況は直接
お問い合わせの上ご確認ください。

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