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息が止まるまで

バタバタした土曜日の朝。
新宿で約束をして、少しカフェで談笑した。
今年の梅雨は想像以上に早く開けたから、
夏はきっと長くて厳しいのだと、
うんざりする。
黒のTシャツなのに、汗が滲んでいるのがわかる。
あんまりいいにおいもしない。

1時間半くらいで別れて、
自宅に戻る。
いつもの部屋。

いつもの部屋になったんだな。
そう思うと、それもなんだか可笑しい。
先日、賃貸の更新手続きを済ませた。
2年になる。
その前の2年は、ホテルのサブスクリプションを使いながら、
根無し草みたいに、ホステルを転々として暮らしていた。
パソコンとWi-Fiがあれば、仕事はできる。
それはいまも変わらないのだけど。

少し疲れたし、眠気がする。
ベッドに横たわって、スマホをなぞる。
なにげなく写真のフォルダをながめる。
スワイプする。

ああ。
こんなひともいたな。
こんなとこも行ったな。
鮮明ではなくても、確かな記憶がある。
このときは好きだったし、疎遠になるなんて思わなかった。
そんなひとの顔が流れていく。

そんなもんだよね。
人間の繋がりなんて。
最近、少し悟ったような感情も強い。

友情のようなもの。
愛情のようなもの。
すべてに終わりがあるのなら、
どれだけ大切にしていいのか、
深く心を向けたらいいのか、
よくわからない。

きっと今あるものも、
こうやって、過去になっていくに違いない。
終わりばかり考える。
いままで生きてきて、
誰の何にもなれなかったな。

気付いたら、1時間ほど寝落ちしていた。
買い出しに行こう。
身体を起こして。

特にときめきも彩りもない生活をする。
不満もないし、たぶん、しあわせなんだろう。
それでもいいんだけどね。
この日常も、この文章も、
そんなこともあったなって思うんだろう。

失くして、繰り返す。
失くして、繰り返す。
息が止まるまで。

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