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頑なにiPod nanoとワイヤードイヤホンを使ってきた僕が、ワイヤレスイヤホンを使ってみた

今では身の回りのデジタルガジェット全てがApple製の僕が、Apple製品を一番初めに使ったのがiPod nanoの初代だった。

Apple製品の背面はステンレスの鏡面仕上になっているところがとてもクールでかっこよく、当時はこのクリックホイールが画期的で使いやすさに驚きました。

2年ほど使用しましたが、2Gの容量のため聴きたい音楽が全て入らず難儀を感じていたので3世代に買い替えを行いました。

…因みに、この初代iPod nanoは当時付き合ってた女に持っていかれましてね…

当時iPod nano3世代のこの形状は物議を醸しまして、今までスリムだったnanoがずんぐりむっくりになってしまったと酷評でしたが、僕はこの縦横比こそiPodの黄金比だと感じてて、画面サイズや操作性などどれをとっても最高なフォルムでした。

この3世代を使い始めて約10年。その間にiPhoneも数台買い替え、iMac、macbook Air、iPadなど新しいApple製品を購入するも、このiPodだけはめちゃめちゃ気に入ってて買い換えることはありませんでした。

そして、このiPodを使い続けてきたその一端に、気に入っているイヤホンがあったからという理由もあります。

Ultimate Ears 350 高遮音性イヤフォン UE350というあまり効きなれないブランドのイヤホンですが、家電量販店で視聴しイッパツで購入を決めるくらいインパクトのある音でした。低音重視でベースのスラップ音がとても気持ちよく聞こえたことが購入の決め手でした。価格も5千円以下だった記憶があります。ただ低音が強すぎるためiPodのイコライザはBass Reducerにして使うと音のバランスが良かったです。

このイヤホンも1度の買い替えを経て、必ず週1で4年ほど使用しました。それくらいiPod3世代とUE350の組み合わせが気に入ってたんですね。

しかし、つい先日apple watch series4を購入してその長年の愛器を持ち歩かなくなる日がやってきました…

iPod3世代とUE350の唯一の欠点といわれると有線ゆえの取り回しの煩わしさに他なりません。イヤホンを装着するにも、結わいである線を解き、折れ目や捻じれを伸ばし耳に装着する。そして服の襟やカバンに引っかかってもイヤホンが外れないように配線クリップを襟元に止める。これからの季節、寒くなってくるとマスクやマフラーをつけ外しするときにも一々イヤホンを外す必要がある。そして使い終わったらまたイヤホンを結わいてしまわなければならない。自宅に帰ったらiPodの充電のため充電台にセットしiMacを立ち上げる必要がある。

色々と技術の進歩が進む中で、いままでは当たり前だったこういったちょっとした作業が面倒になってくる。iPhone XSを買い、Apple Watchを買った。スマホの音楽再生でバッテリー消費が気になるので今までは使ってこなかったけど、せいぜい往復2時間程度のリスニングで消費するバッテリーなんてたかが知れてるし、操作だっていちいちiPodをポケットから取り出してクリックホイールをクルクルしなくちゃいけなかったけど、何もポケットやバッグから取り出す必要なく、腕に巻いてあるApple Watchでサクッとコントロールできるんだ。これを使わない手はないんじゃないか。

となると、あとはワイヤレスイヤホンがあればリスニング環境は一変する。つい先月、某アウトレットモールにあるBOSEブースでSoundSport Freeの視聴をしてとても感動した記憶がある。先ず装着感がとてもフィットし心地いい。頭を振っても外れる気配も心配もなく、音質も低音重視且つトータルバランスがよく効き疲れしない。低音が丸く音の粒が細かい、僕がBOSE製品を試すとどの製品でも感じるBOSEらしい音、というのがよくでてる様に感じて買うならこれしかないと決めた。

先日、iPhone+Apple Watch+BOSE Sound Sportの組み合わせで外出した。

電車に乗る前に音楽を聞き始めるんだけど、バッグからイヤホンを取り出して耳に装着。もう自動的にiPhoneとペアリングされて、あとはApple Watchで音楽再生のコントロールをするだけ。これはホントに便利。

朝の電車は超満員で携帯を触るのも一苦労だと思うんだけど、ボリューム操作や一時停止なんかもApple Watchでできるので咄嗟の際もあわてないで済むし、周りの人のコートやバッグや腕にイヤホンコードが引っかかることもなく安全面の不安も問題なし。寒い季節には欠かせないマフラーやマスクなどしてても、乗車途中に途中熱くなってマフラーを外すときもコードがないのでストレスフリーだった。

そして小一時間電車に揺られ目的地に着きイヤホンをケースにしまうと自動的にイヤホンの電源がOFFとなるのも便利だ。気になっていたiPhone側のバッテリー消費もほぼ皆無。これはめちゃくちゃ快適だな…

10年連れ添ったiPod 3rdも、もう使うことはないかもしれない。僕の青春時代はカセットテープやレコード全盛期~CDやMDが出始めた頃だったけど、音楽はとても特別な物だったし、音楽専用の機器というのもものすごく憧れだった。LPレコードの大きさや取扱の繊細さ、ケアの手間(それすら楽しいものだったけど)など音楽を再生するまでと、聴いたあとの片づけを含めてが音楽を聴く、という行為だったと思う。

音楽という形のないものを形作るのは録音媒体であり再生機器(そして青春真っ只中の感受性の強い気持ち)だったけれど、今では音楽がもうちょっとライトなものに感じるのは、多分に音楽再生機器のコンパクト化ということもあるのかもしれない。僕が音楽を特別なものとして捉えてたものが、今の時代ではもう少し自分の中に存在するものとして当たり前にある、と思えるくらい、音楽が身近に感じられるようになった。

iPodが、休日の僕の持ち物から外れる。10年間楽しい外出も、イヤな外出にも寄り添ってくれて、気分を高めてくれたり慰めてくれて本当にありがとう!

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