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データの発表の仕方-ランキング形式のエンタメ性の功罪-

 世の中には様々なデータがあり、様々な発表がなされています。そんな中、都道府県の魅力度ランキングが話題になりました。

そこで、ふと思いました。データをランキング形式で発表する必要はあるのかな?と。

 ランキング形式にすると、当然ですが1位から最下位まで順位付けされます。1位になったら嬉しいでしょうし、最下位になったら悲しいでしょう。ここにランキング形式のエンタメ性があります。ランキングは、当事者も、それを見ている人にも、悲喜こもごもの「感情」を刺激すると私は考えます。
 勿論、エンタメではなく、当事者がガチで競いあった結果のランキングもあります。それでも、外野から見れば、そこにはエンタメ性が生まれるのです。

 ランキングのエンタメ性を全否定する気はありません。例えばプロスポーツでは、そのエンタメ性を理解したうえで、興業が行われます。アマチュアでも、競技力向上の一つの手段として、ランキングを用いる場合があります。そうしたポジティブな使い方は、あっていいと思います。

 しかし、そもそも競い合うつもりがないデータを、勝手にランキング化された場合、問題が生まれます。都道府県の魅力度ランキングが、いい例となるでしょう。
 ランキングをつける方は、エンタメ性を重視して話題になるように発表したのでしょう。ところが、当事者である都道府県の捉え方は様々でした。 
 「ランキングなど気にしない」という自治体もあれば、「ランキングは信頼性が低い」と反応する自治体もありました。
 これは、自治体がよそと比較するつもりのない特徴や取り組みを、勝手によそと比較したランキングとして発表されたのが原因でしょう。

 そもそもランキングにすべきものなのか。エンタメ性に引っ張られていないか。ランキング化する側は、データの扱い方に慎重であってほしいと私は考えます。
 大前提として、せめて当事者には「これらのデータを集めて、ランキングを作ります」と知らせておくべきです。そうでないのなら、分布や偏差など、ランキング以外のデータの発表の仕方を検討するべきだと私は考えます。

 さて、そう考えると、これまでランキングとして発表されている様々なデータは、果たして本当に適切な発表の仕方なのでしょうか。他との比較ではなく、そのものが持つ魅力や特徴、課題等を、「事実」として発表してはいかがでしょう。

 例えば、住みやすさランキング。魅力度ランキング。ワクチン接種率。アマチュアの文化活動のランキング(どの芸術にどれくらい心揺さぶられるかは、極論主観によるものでしょう?)。全国学力テストの都道府県ごとの成績(結果的にランキング化される)。


 結果が「ランキング」として発表されることで、「過程が捻じ曲げられる」こともあります。これまでの伝統や慣例にとらわれず、データの発表の仕方、とりわけ、他と比較した発表の仕方は適切なのか、みんなで一度考えてみませんか?

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