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心がざわついた日のこと

たまに物事をすごく許せない気持ちになったり、モヤモヤしたりするのは何故だろう。

自分とは少ししか関係ないことなのに、何も悪いことではないはずなのに、こんな気持ちになるのは、すごく膨大な世界線で言う戦争の始まりと同じなのだとも思う。少しの違いや違和感で。自分がこんな気持ちになるのも、案外、理想派というか頑固なのかもしれない。

先日、いつも行く美容室とは違う美容室へ訪れてみた。新しい風を自分に吹かせてみたい、ちょっと予想外な風をヘアスタイルに吹きかけたい、みたいな気持ちで美容室を浮気。

美容師の人を指名せず、当日っ!

席に座ると、白く髪を染めたギャル男の男性が私の髪を接術してくれる展開。

ギャル男風でありながらも、落ち着いた様子であったが、正直私この人に任せても大丈夫かな?と少し不安にもなってきた。名前を聞いてからエゴサーチ。彼はどんな髪型を作り出す方なのか??

すると「髪質改善✨生き返りのサラサラヘアへ✨!」といういろんな人の髪型をサラサラにしていくのが得意な方のようだった。

(今日は私、髪の毛をブリーチして別のカラー入れるんだけど、大大丈かな…?)

と少し心の中で焦りつつも外は軽快な感じで会話は進んでいく。

(まぁ私もそこまで色に拘りないし大丈夫やろ…)と自己暗示っ。

そこで会話は「食」の話になった。
住む場所が近かったので、私のおすすめの山椒が効いた麻婆豆腐のお店を紹介してみた。

すると、彼は「そこ、中国人が作ってるとこですよね?」と尋ねて「僕、外国の人が作ったもの食べれないんですよね」と言った。

どういうことか話を聞いていると、
彼は「輸入食品恐怖症」という症状を持つらしい。食品の原産国や加工が、「ベトナム」「フィリピン」など外国名が書いてあると購入を拒み、日本と書いてあるものは安心して買えるらしい。最近自炊をして、よりその気持ちは強まったようだ。パイナップルの缶詰や、野菜の原産国、全てチェックする日々に、とても生きづらいですよ…と言っていた。そして外食する際も、外国人が作る料理には手を出せず日本人が作ったものなら食べれるらしい。上司と飲みにいく時、〆はラーメン屋につれて行かれるみたいで、だいたい本格中華の中国人が作ったラーメン。しょうがなく1.2口食べるけど、それも味はせず、味というものを感じないような気持ちになるという話をしていた。

そして、特に食べたくない国とかあるんですか?と聞くとアジア圏内に対してとても嫌悪感があると言ってた。汚いというか、少し潔癖な気持ちがあるらしい。特に中国人は話したくもない、ようだ。

(近くに中国のお客さんいたら大丈夫?)とか心配する気持ちと、自分の中に湧き上がる妙に肌感の嫌な気持ちが現れてくる。

大好きな山椒が効く麻婆豆腐のお店は中国の方ですごく優しいし、学生時代に私がバイトしていたタイ料理屋だってタイ人ばかりだけど、一生懸命働いている。しかもとても美味しい。ちょっと悲しい気持ちになった。

それぞれ様々な気持ちの持ちようがあって当然だし分かっているけど、少し悲しいな、違和感を感じたが一旦気持ちを置いて会話を続けた。

職場でもそんな事態が起きた。
私の職場には新しい新入社員が入り、その子は韓国人の女の子。とてもキュートである。

ある日、年次の近い会社の人たちと仕事終わり飲みに行った時びっくりした話を聞いた。「◯◯さんが韓国の人と話すのも正直嫌だと言ってましたよ~!」と人伝えではあるがそんな話を聞いて、またすごくショックというか、世の中がすごく嫌なものに感じてしまった。近いところでそんな差別のような気持ちを持っている人がいることにすごくショックを受けた。

何が言いたいかというと、差別とか国とかそういうのも当然あるけど、自分が想像していたものからはみ出した事態や考えに出くわすと、予想以上に自分がザワつくのだった。

話は少しズレるかもしれないけれど、職場の親しみをもって会話してくれていた後輩の女の子が知らないところで、色んな男性社員を弄んでいたことを知った時のような、思っているより、目に見えないものでざわつき、少しそんな現実に悲しい気持ち。綺麗なものというか見ていたものだけを信じたかった気持ち。

そんな小さなことや色んな事態に、少し気持ちが悲しくなったり、世の中ってほんと分からないな~!と何かに期待していた自分に気がつく。

結果髪の毛は、想像以上に良い髪色に仕上がり、色んな意味で、いつもとは違った風の吹く日になったのでしたっ。

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