数年ぶりに推しを見つけた話

中学2年生の頃から、所謂ジャニオタというものになった。
当時はまだSNSも発達していなく、情報を仕入れると言えばテレビであったり雑誌であったりと今とは少し違う。
ある日たまたま見たテレビ番組のya-ya-yahと言う番組から私のジャニオタ生活は始まる。
そこから雑誌を買い漁り、少年倶楽部という何も知らない人が聞けば「…!?」ってなる番組名の番組も全て録画してジャニオタを満喫していた。

そんな日から数十年。
濃度の濃いジャニオタからは足を洗い(と思っていた)私はライトにオタク活動を楽しんでいた。

Hey!Say!JUMPのファンクラブとデビュー前の子達を応援出来るジャニーズJr.情報局という所謂ファンクラブにだけ入会し、行きたいな!と思った時にだけ当たればコンサートに行く。

少し前までは目の色を変えて全種類揃えていたCDや DVDも買う事はほとんどなくなった。

そして今年の初めに開催された、関西ジャニーズJr. LIVE2021-2022 THE BEGINNING〜狼煙〜に運良く参加出来る様になった私は新年早々からコンサートをしてくれる子達に感謝をしつつその日を目一杯楽しんだ。
各グループが、時に楽しく、面白く、カッコよく自分達のステージを作り上げていくその時間に酔い知れてその日は終了する。
この時点で、新たな推しの登場はまだない。

とても楽しかったコンサートだった為、DVDにならないかな?と思っていた頃にジャニーズJr.情報局からそのコンサートがDVDになるとお知らせのメールが届いた。
よし来た!と思った私はすぐさま予約をする。

発売を心待ちにしていた私に夏頃そのDVDが届いた。
再生をする。あの日の興奮が蘇るように画面いっぱいにあの日の情景が映し出された。

関西ジャニーズJr.のライブにはコンサートのみならず、MCコーナーの後に何故かゲームコーナーが入る。
出演している関西ジャニーズJr.達がグループの垣根を越えグループ分けされ、チーム対抗で戦うのだ。
DVDに収録されていたゲームは「イヤホンガンガンゲーム」と言うものだ。大音量の音楽が流れるイヤホンを耳につけ出題者が紡ぐ言葉を口の動きから察して次の人に伝えて行くという所謂伝言ゲームである。
各チームがその伝言ゲームをすすめていく様子を楽しくみる。出題者の意向とは違う言葉ばかりが次々と伝言されていき、最終の解答者は正解の答えとは違う言葉を答える。

そしてあるチームになった時に事件は起こる。

またしても出題者の意向とは違う言葉ばかりが伝言され解答者に最後の1人の子が言葉を伝えた。

「あ か と ん ぼ」

「あかとんぼ?」

「(コクコク)あかとんぼ!たぶんな、たぶんな」

そして解答者の子が分かった!と言わんばかりに大きく頷いて司会者から「それでは答えをどうぞ!」と振られる。

するとその解答者の子はとってもいい笑顔と、とっても大きな声で

「あかとんぼ!多分なあ!!」


と答えたのだ。(ちなみに答えは城ホの噴水この時期寒い である。)

答えたと同時に、間違った言葉を伝えた子は自分の言葉が伝わった事に喜びハイタッチのポーズを、そして解答者の子も正解したと思い込み凄く嬉しそうにハイタッチに応えた。

その時に私の心がザワザワとする。
勘違いだと思った。高校生の男の子の言動にザワザワするなんて気のせいだよ。そんな訳ない!と飲み込む。

けれどDVDを再生する度にそのシーンを食い入るように見てしまう。
少し掠れた声、とてもいい笑顔、嬉しそうな顔。

やめてそんな顔しないで……ザワザワとした私の心が叫ぶ。でも同じDVDだ、そんな事が叶うはずもなく、再生する度に同じシーンが流れる。

ある日気を抜いた私の心にそのシーンが滑り込む。

かわいい…

無理だった。スキマを見つけて滑り込んだその感情に抗えるはずがなかった。

この時点で、まだ、好きかもしれない…と往生際悪く思っていた私はある行動に出る。

これまた運良く当選していた関西ジャニーズJr.の松竹座公演の出演者を調べたのだ。

今回は何故か各々のグループからチーム分けされており日程によって出演者する人が変わる仕組みだった。
当選していた日と出演者を照らし合わせる。そこには私が好きになりかけていた子の名前があった。
よし。落ちるのはそこからだ。実際実物を見ればそうでもないかもしれない。だって何を隠そう相手は高校生だ。年下が過ぎるしイチオシになるはずなんてない!
そんな訳はほぼないのだが、その時の私は往生際悪くDVDを見てはザワザワしつつ、まだそんな事を思っていた。

その日は意外と早くやって来た。
来てほしくなかったような来てほしかったような不思議な気持ちで公演当日を迎える。

今回の公演は前半がお芝居、後半少しだけSHOWTIMEがある構成だった。
座席も2階と振るわなかった為お芝居のシーンでは目が悪くなって来ている私でははっきりと顔は見えない。
けれどDVDで散々聞いた少し掠れたような声だけはしっかりと聞こえる。演技もなかなかに上手いなあと感心した。

そしてお芝居のパートが終わりSHOWTIMEが始まる。

もうダメだった。他にも好きな子達は何人もいるのに、舞台上にその子がいれば私の視線はその子しか追っていない。
他も見ないと!と焦燥感に駆られて視線を外しても無意識の所で私の視線はその子を捉えた。

なんて楽しそうに舞台に立つんだろうと思った。明るい曲では弾けるくらいの笑顔で。
クールな曲では打って変わりまだ見た事のない知らない表情で歌いながらダンスを踊り上げた。
関ジャニ∞の曲を歌えばおでこにサングラスをかけてチャラさを演出してみたりするけれど、その姿さえ可愛くて愛おしい。

全員が集まって、関西ジャニーズJr.恒例の歌を歌えば誰よりも高くジャンプをしてその場を盛り上げている。
そして何より本人が1番楽しそうにしていた。

その姿にずっと推しているHey!Say!JUMPの中島裕翔くんが被った。
彼も誰よりもコンサートを楽しみ、そして周りを楽しませてくれる素敵な人だ。その姿と被ってしまったら、もう推す以外に選択肢はないのだ。

そうやって全力でアイドルをしてくれるアイドルが私は昔から大好きだった。

帰り際もずっとその子の話をしてその日の公演をしばらく反芻した。

そして、ジャニーズJr.情報局に入力出来る好きなアーティストを次の日早速その子に変更した。好きなアーティストのところに表示されるその子の名前に心底ニヤニヤとした。

そこからは、しばらく足が遠のいていたジャニーズショップにも行った。
そこは数百円で推しの写真が買えるとっても素敵な場所だった。
しばらく行ってない内に入場方法が変わっており少し戸惑ったりはしたが問題なく行く事が出来た。

まだデビューもしてない彼の写真は数えるほどしかないけれど、それでも彼のお小遣いになるなら…!と財布の紐をゆるゆるにして全商品購入した。
ふらっと立ち寄ったHey!Say!JUMPコーナーで中島裕翔くんの写真も知らないうちに購入していてオタクって怖いな⭐︎と改めて思ったりもした。

けれど久しぶりに本格的な推しが出来た私は彼の事を考えているととっても楽しくて仕方がないのだ。
歳下であるとか、高校生であるとか、問題はある気がするけれども相手はアイドルだから関係なく推せる。それがとっても素敵でありがたい。

彼の笑顔はとても可愛くて、写真のポージングすらかわいくて、なのに雑誌ではクールな表情をするからドギマギが止まらない。
そんな顔も出来たんだ…なんて新たな発見すら楽しい。知らない表情を知る度にぎゅうっとなる胸の痛みすら愛おしい。
けれどふと我に返って あ、しんどい…と思う時もある。
そしてその度に、ああ、推しを見つけてしまったんだなあと再認識して恥ずかしくなる。

これから彼の所属するグループがもっと認知されてもっと人気が出ますようにと心から思う。
そして何より、彼のあの素敵な笑顔が曇る事なくアイドル活動を続けられるといいなあと願う。


3000字も超えてまだ一度も名前を出してないので、最後に彼のグループと名前を出して終わります。

笑顔がとっても素敵な

AmBitious所属 真弓孟之くん

です。これからも応援するぞー。

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