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夏の暑さからパニック発作を起こさないコツについて

全国的に梅雨が明け、現在の各地域は猛暑となっている。


私の記憶だが、ここ2~3年ほどで急激に夏の暑さが増したのでは?と感じるときがある。


数年前も夏は暑いには暑かったが、ここまでの酷暑ではなかったような気がしているのだが、どうだろうか。


さて、パニック障害の人にとって夏の暑さはまた別格のものであり、しんどさが増す季節である。


私のクライアント、また周囲の人からもしんどいという声が多く聞こえており、状態が悪化してしまっている人もいる。


今回だが、パニック障害の人が夏の暑さを乗り切るため、具体的な対策を述べていこう。


暑さからの疲労感と熱い呼気で不安は増してしまう


パニック障害の人は普段でさえストレスを抱えやすく心が安定しない場合も多い。


ストレス尺度はもちろん周囲の状況や環境、人間関係などに左右されるので一概には言えないが、どちらかというと過敏体質であるパニック障害の人にとってこの時期は本当につらいと思う。


まず、暑さというのは体力を奪ってくるものだ。


暑さでたくさんの汗をかくと身体の中の塩分やミネラルは抜けていき、それが続くと一時的な体力消耗に入る。


クーラーが効いた涼しい場所など時間ごとに避難できれば良いが、いまは日陰でも十分暑いため、なかなか身体を休めることができない。


日中家にいてクーラーの中にいられれば良いが、仕事や家事など様々な理由があり外出を余儀なくされることもあるだろう。


これは暑さ対策をしていくうえで大切な話だが、身体に発した熱というのは水分では取ることはできない。


体質にもよるが逆に水分を摂りすぎてしまうと水中毒や多飲症といった症状が現れる可能性があり、救急搬送されてしまうケースもある。


まず身体が暑さを感じたら、水分を摂るのではなく身体を冷やすことを優先する必要がある。


これは不安を引き起こさない、パニック発作を起こさないコツでもあるが、とにかく身体、とくに関節部分を冷やすことが重要だ。

また、熱波の影響で吐き出す、吸い込む息が熱く感じつらいときがあるため、身体が反応してしまい過呼吸状態になってしまう人もいる。

深い呼吸はとても重要であり大切だが、口周りも冷やすなどなにかしら対策をする必要がある。

暑さからパニック発作を寄せ付けない予防と対策


暑さから身を守り、なおかつパニック発作を引き起こさないような予防、そして対策についてここから述べていこう。

冷房の温度は落とし過ぎない


暑いからといって部屋の温度や社内での温度を下げ過ぎてしまう傾向があるが、それは内気温と外気温の差が激しくなってしまい、身体へのダメージが高まってしまう。


可能であれば、部屋の中もしくは社内のエアコン温度は25~27度に設定したほうが良いだろう。


暑さから逃れるため身体を冷やすことはとても大切だが、それと同時に外気温にある程度身体を慣らしておく必要もある。


外気温と内気温の温度差がかけ離れていると体力のあるものでもあまりもたないし、温度差のギャップでめまいや立ち眩みを起こしてしまう可能性もある。


内気温がそれほど低くないと外に出たときに身体がショックを起こさないので、出来るだけ温度は高めに保ったほうが良い。


もし25~27度ではどうしてもつらい、苦しくなるときは保冷剤や冷たいペットボトルなどを常備し、関節部や首筋、頭上に当てて冷やすと良いだろう。

冷たい食事はできるだけ避ける


2~3日に一度程度であれば冷やし中華、そうめん、ざるそば、冷やしそば、などの冷たい食事でも良いが、それがほぼ毎回となると、臓器が冷え切ってしまい、身体に負担がかかりすぎてしまう。


臓器が冷えると免疫力が低下してまい、風邪をひきやすくなったり疲れやすくなってしまう。


パニック障害は敏感な人が多いので、臓器の冷えによる不調でも不安が湧きたち、日頃のパフォーマンスが下がる可能性がある。


部屋の中はある程度冷やしても、できるだけ食事は温かいものを摂るようにしたい。

シャワーだけで済ませず温かいお風呂に浸かる


パニック障害の人はシャワーやお風呂が苦手な人も多い。


だが、この時期は冷房で身体が冷えやすく免疫も下がりがちなので、体調が優れるときはできるだけお風呂に浸かることが望ましい。


暑いからといってシャワーだけで済ませてしまうと疲労感が抜けず、体調も下り気味になってしまい身体がしんどくなってしまう。


だが、温かい湯船に入り身体を温めることで疲労の回復速度は増し、良い睡眠が取れやすくなり、併せて体調も上昇することが多い。


体調が下り気味にときに湯船に浸かるのは逆に苦しくなってしまうが、自分の体調と相談し、大丈夫であれば進んで温かなお風呂に浸かってほしいと思う。

外出するときは保冷バッグに保冷剤を常備しておく


外出時、保冷剤を上手に活用することで不安感は起こりづらくなり過呼吸やパニック発作につながらないケースは多い。


今は100円ショップなどで色々な種類の保冷バッグが手に入るので、購入しておくと良いだろう。


いくつか保冷剤を入れられる大きさ、もしくは保冷剤と一緒にペットボトルが入る大きさのものでも良いだろう。


首や頭部に巻けるほどの大きさのハンカチや軽めのタオルを1枚用意しておき、外出時に首に巻いておくと冷たさで意識がはっきりし、呼吸もしやすくなる。


また、何かしら帽子があれば活用するのも良い方法だ。


保冷剤をハンカチで軽めに巻いて頭に乗せておき、そのまま帽子をかぶれば頭全体が冷え、暑さそのものの不快感は軽減される。


保冷剤は約1時間ほどで効果が薄れてしまうので、そのときは保冷バッグから新しい保冷剤を取り出し同じように装着すれば良い。


保冷剤をうまく忍ばせておくと外出の不快感が軽減されるのでおすすめだ。

日傘を用意する


いまは男性用の日傘も販売しているので、男性といえで日傘を利用したほうが良い。


女性でも日傘をささず外出をしている人は多いが、日傘をさしているのとさしていないのでは温度差は相当変わるので、ぜひ日傘は利用したい。


上半身に日影が作られれば良いので、あまり大きくないタイプでも十分だ
ろう。

自分に意識を向けず外に意識を向ける


パニック発作対処の基本ではあるが、暑さからくる不安感から意識が自分に
向いてしまい予期不安やパニック発作の前兆につながることがある。


可能な限り外の風景を見ながら、歩いている感覚を味わいながら、意識が自分に向きすぎないようにしておくことが大切だ。


また、不安感から身体を丸めてしまうと感情が閉じこもり不安感が抜けづらくなってしまうので、背筋は真っすぐにしておくことも重要といえる。


若干顔を上げ気味にして背筋を伸ばして胸を張り歩く。


それだけでも不安感は近寄らず安心につながるので、ぜひ姿勢にも気を配っておくと良いだろう。


7月も中旬を過ぎ後半に入る。


これから来る8月、9月とまだまだ暑い日は続く。


パニック発作対処の基本は踏まえながら、それぞれ予防や対策を活用し、うまく今年の夏も乗り切ってほしいと思う。

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