ジョルノ卓也

音楽、アニメ、漫画… 察しの通りオタク。

ジョルノ卓也

音楽、アニメ、漫画… 察しの通りオタク。

最近の記事

  • 固定された記事

「人生で大切な事は青い鳥文庫から教えて貰った」

幼い頃から本も漫画もアニメも大好きだった。そこには無限の夢がいつだって広がっていた。    人のイマジネーションの発達に外部の創作物からの影響は欠かせない。僕が空想し、何か遠い世界の不思議な物語をいつも脳内で構築することに夢中になったのも書籍の影響が大きい。         不思議な事件を華麗に解決する名探偵。国の為、人々の為に勇気を奮い立ち上がる戦国武将の英雄譚。思わず笑ってしまうようなスラップスティックさを持つ少し不思議な学園ストーリー・・・。  まだ、小学生くらいだった

    • 書評「ゾンビ最強完全ガイド」

      「ゾンビ」という存在を全く知らない。 という人は現代社会に於いては稀であろう。 有名な映画やゲーム、漫画等のポップカルチャーでゾンビはその姿を何度も描写されてきた。 大衆の中に共通のイメージが根付くほどには、市民権を得ているだろう。 しかし、『では「ゾンビ」とはいったい何なのかを言語化し、説明せよ』と、言われると少し困ってしまう。生気がなく、目は虚ろでフラフラと集団で彷徨う、生者と死者の間にあるような存在というイメージは伝えられても、それ以上をすぐに言語化するのは中々難しい

      • 「氷漬けになった戦後」

        「名作ギャグ漫画が見抜いた戦後」日本を代表するギャグマンガ「天才バカボン」には、戦後の問題を考えるうえで、とても興味深いエピソードがある。 以下より、講談社発行の「天才バカボン13巻」から、内容を引用し、簡単に要約する。 戦争の終結から25年以上が経ち、戦前的価値観がどんどん失われていく中で、約30年間氷漬けにされ、現代に急に放り出された一郎が、戦後社会で様々な騒動を起こす様が、読者の笑いを誘う今作は、ただ、面白いだけではなく、戦前と戦後の間に存在する大きなギャップの問題

        • ディスクレビュー「カフェ・ルーゾの アマリア・ロドリゲス」

          世界には途方もない数の音楽ジャンルがある。 私も音楽好きを自称しているが、知らないジャンルの聴いたことがない曲の方が圧倒的に多いと断言出来る。 私がこれまでの人生で出会った音楽の中には、ブラジルのサンバ。ジャマイカのレゲエ。トリニダード・トバゴのカリプソなど、自分の人生に於いて、深い感動を与えてくれた存在も数多くあった。 そして、今回レビューに選んだ「カフェ・ルーゾのアマリア・ロドリゲス」にて演奏されている”ファド”も、私に大きな感動を与えてくれた存在である。 ファドは1

        • 固定された記事

        「人生で大切な事は青い鳥文庫から教えて貰った」

          「"グランジ・ロックの完成"ディスク・レビュー『Bush/Sixteen Stone』」

          Bushというバンドをご存じだろうか? 90年代に、洋楽ロックをリアルタイムで熱心に追いかけていた方にとっては懐かしい名前かもしれない。 90年代前半のロック史を語るうえで、グランジ・ロックを避けることは困難である。 細かい定義は様々あり、ここで詳細な説明は省略するが、大まかにはダークな雰囲気でハードなサウンドに、ややBPMを落とした重いリズムのロック・・・というのがジャンルとしての特徴である。 グランジ・ロック登場以前の80年代は、ハードロックとへヴィメタルがロックの世界

          「"グランジ・ロックの完成"ディスク・レビュー『Bush/Sixteen Stone』」

          「海外ドラマの今後を想像する」

          「清朝ドラマ・オスマン帝国ドラマ」以前、私のnoteで清朝(17世紀から20世紀の中国に存在した王朝)を舞台にしたドラマが中国本土で人気があり、日本でも何本かの作品は、放送や配信されている。という、紹介記事を書いた事があった。 また、その際に少しだけオスマン帝国(14世紀から20世紀の極めて長期間に渡り、現在のトルコを中心とした地域に存在した帝国)の後宮ドラマにも触れた。 今回はその続き・・・というわけでもないのだが、海外ドラマの雑感を記していきたい。 「アメリカから非アメ

          「海外ドラマの今後を想像する」

          書評「戦後史の空間」

          「最初に」文芸評論家・磯田光一の著書はいつも私に知的な刺激を与えてくれる。今はすっかりファンとなり、機会があれば事あるごとに、彼が生前に発表した著作を好んで買い集めている。 その中でも特に思い入れが深いのは、最初に購入した一冊である「戦後史の空間」だ。 「磯田光一について」磯田は昭和一桁生まれ。世代的には文芸評論家の江藤淳や昨年、逝去された元東京都知事・作家の石原慎太郎さんがほぼ、同世代にあたる。 大正教養主義の時代に志賀直哉、芥川龍之介といった知的な新世代の作家が活躍し

          書評「戦後史の空間」

          「Tradwifeに関する私的意見」

          「最初に」最初にお断りさせて頂くのだが、今回題材にチョイスした「tradwife」について、私は何か専門的見地から論ずる事が出来ない。 何故ならば、Web記事やYouTubeの動画で知った基礎的な「tradwife」の知識しか持ち合わせてないからだ。そんな、見切り発車のような形でこの記事をスタートしてしまった事をまず、最初に読者の皆様にお詫びしたい。 しかし、私が見切り発車で衝動的にnote記事を書かせる不思議な力が「tradwife」にはある。 欧米(特にアメリカ)において

          「Tradwifeに関する私的意見」

          「Livin`On A Prayer」とその後のアメリカ

          Bon Joviは最初に日本で人気の火がつき、世界的な成功を収めたハードロックバンドだ。メンバー達も親日的であり、今までに多くの来日公演を行っている。 QueenやCheap Trickといった日本でのヒットを契機にそのキャリアに大きな弾みがついたバンドの系譜に連なる彼らだが、本格的に本国であるアメリカでの地位を揺るがないものにしたのは3rdアルバム「Slippery When Wet(邦題はワイルド・イン・ザ・ストリート)」の大ヒットである。 このアルバムには現在も彼らの

          「Livin`On A Prayer」とその後のアメリカ

          書評・『長い道』

          夫婦とは不思議な存在である。 血の繋がりのない全くの他人というスタート(古代の異母兄妹婚などはここでは想定から外す)から家族という最も近しい存在へと変貌する。 そこから共に生活を営んでいく二人の姿というのは落語に描かれる生活力溢れるおとっつあん・おっかさんから、現代文学で描かれる配偶者という存在に重みを感じる孤独な女性像まで様々だ。 その時代時代に於いて共感のみならず、世相や社会状況を反映する存在のようだ。 今回、書評に選んだ「長い道」の作者である、 こうの史代氏の事は、

          書評・『長い道』

          書評「大衆運動」

          今回、書評する書籍に選んだ「大衆運動」の作者であるエリック・ホッファーは「常識」と「冷静」の人である。 激動の20世紀がスタートしてすぐに生誕したホッファーは他の同世代の思想家たちに比べてかなりの苦労人だ。 幼い頃に失明する悲劇に見舞われ(後に奇跡的に回復)若くして両親とも死別した。前半生はアメリカ各地で季節労働者として働き、後半生は港にて沖仲仕の仕事に従事するというアカデミアとは一見無縁の市井で真面目に働く労働者としてのスタイルが彼のベースにあった。 晩年にその思想が世間

          書評「大衆運動」

          書評「特攻服少女と1825日」

          ここ数年フィクションの世界でヤンキー漫画が原作である「今日から俺は!!」や「東京リベンジャーズ」の実写化やアニメ化の成功により、ヤンキーや暴走族の世界にフィクションを通してではあるが、にわかに注目が集まった。そのような作品を通して、日本のヤンキーカルチャーに興味を持った人も若い世代には一定層いるのではないだろうか? 今回、紹介する書籍である「特攻服少女と1825日」の作者である比嘉健二氏は「ティーンズロード」というレディースを専門に取り扱った雑誌の元編集長である。 (レディ

          書評「特攻服少女と1825日」

          「日本人の優しさ~漫画家・楠勝平の世界~」

          良い書籍に出会った時の感動はいつだって筆舌に尽くしがたい。その感動をどれだけ情熱的に語っても「百聞は一見に如かず」実際に読んでもらわねば、その情熱の一片も相手側には伝わらない。だが、己が情熱を揺さぶった作品を相手に伝えたいという心からのエモーションが書評や読書会という分野を作り上げてきたのも事実。noteの片隅ではあるが不特定多数の誰かに「伝える」という作業にこそこそと勤しんできた私のような人間にもそのようなパッションは勿論ある。 今回、私がこの場で紹介したい作品は決して今

          「日本人の優しさ~漫画家・楠勝平の世界~」

          「大清帝国と恋愛ドラマ」

          個人的に大清帝国期の中国史を好んでいる。 特に歴史的には明清交替といわれる時期。大陸でダイナミックな政体の変遷が行われていたこの時期には三国志の豪傑たちや南宋の忠臣ともまた違う、モンゴルの遺風を受け継ぐ女真族たちの逞しい活躍は読んでいて胸が躍るものがある。 さて、私の個人的な好みの話が前置きに入ってしまったが、タイトルの恋愛ドラマの話と大清帝国の関係についてである。 近年、中国本土で清朝期のドラマが多く放送されている。筆者がそれを知り始めたのは「宮廷女官 若曦」や「宮廷

          「大清帝国と恋愛ドラマ」

          山口百恵「ドラマチック」レビュー

          山口百恵さんが戦後日本音楽史に残る偉大なシンガーであるという事は多くの人が同意してくれるだろう。 アイドルからキャリアをスタートさせ、女優、歌手へと急激な成長を遂げ、その人気が頂点に達した瞬間に引退した。 おおよそ考えうる芸能界のサクセスストーリーの頂点を極めた彼女ではあるが以外にも正当にアルバムなどが音楽レビューされている印象があまりない(それは当時の時代性もあったのかもしれないが・・・) 百恵さん(以降、この呼称を使用する)ファンのブログなどを拝見すると後期のアルバム

          山口百恵「ドラマチック」レビュー

          「らき☆すた放送から16年~リアルタイム世代の平成4年生まれが私論を語る~」

          ※最初にお断りさせて頂きたいのだが、今回の記事はほぼ私論である。普段のように、ある程度論理的な組み立てというよりは記憶と気持ちのバイアスが強くかかっている内容であるという事を了承して頂きたい。 さて、アニメ「らき☆すた」の放送から今年で17周年となる。私にとっての現在のようなオタク(これも現在のようなポップに表明出来る概念ではなかった)ライフがスタートしたのは2006年だった。  始まりは「涼宮ハルヒの憂鬱」 14歳で刺激に飢えている少年にとって、ハルヒはとにかく面白かっ

          「らき☆すた放送から16年~リアルタイム世代の平成4年生まれが私論を語る~」