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「人生で大切な事は青い鳥文庫から教えて貰った」

幼い頃から本も漫画もアニメも大好きだった。そこには無限の夢がいつだって広がっていた。    人のイマジネーションの発達に外部の創作物からの影響は欠かせない。僕が空想し、何か遠い世界の不思議な物語をいつも脳内で構築することに夢中になったのも書籍の影響が大きい。         不思議な事件を華麗に解決する名探偵。国の為、人々の為に勇気を奮い立ち上がる戦国武将の英雄譚。思わず笑ってしまうようなスラップスティックさを持つ少し不思議な学園ストーリー・・・。  まだ、小学生くらいだった自分はそんな話が詰まった200ページほどの物語に文字通りかじりついて夢中になった。そして、その世界への最高の案内人となってくれたのが講談社の青い鳥文庫だった。

青い鳥文庫は、この記事をご覧の皆様の中にも読んだこともある人が多いかも知れません。     簡単に説明すると、講談社が出版している小中学生向けの新書サイズの書籍で、昔で言うところのジュブナイルやヤングアダルトといった分野にジャンル分けされる本を多数出版している書籍ブランドだ。ただ、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズシリーズ」や江戸川乱歩の「怪人20面相シリーズ」などのいわゆる古典作品もラインナップ(挿絵は多めで今の子がとっつきやすくはなっている)されておりいわゆる名作古典作品の入り口にもなっているので子供にも親御さんにもありがたいブランドとなっている。

不思議な出来事にハラハラドキドキ。そして、少し胸がキュンとしたりギュッとなるエモーショナルな作品がラインナップされている。まさに青い鳥文庫の読書体験が自分の感情を作ってきたと言っても過言ではない。子供といえども嫌なこと悲しいことの繰り返しも日常生活で多く、そんな時にランドセルから引っ張っりだし、図書室で、放課後の教室で、自宅で読んだ日常を離れた素敵な世界は何物にも変えられない貴重な体験だ。多感の手前の感情の成長期に面白い!という素直な感情を育成する重要な要素として青い鳥文庫は間違いなく自分の中にあり、今、自分の精神の血肉となっていることを深く感じている。大事な事は青い鳥文庫からたくさん学んだとはっきり言える。そして、これからの子供たちも青い鳥文庫から大事な事をたくさん学ぶだろう。それがかつて読書好きで内気な少年だった自分には何よりも嬉しく感じられる次第だ。

最後に個人的におススメの青い鳥文庫作品の紹介と今回の記事を書くのにあたってインスパイアされた公募ガイドの児童文庫特集号の紹介をしてこの記事を締めたいと思う。懐かしいな…と思った皆さんも久々に本棚から懐かしの青い鳥文庫を取り出して見てはいかがだろうか?

「夢水清志郎事件ノートシリーズ」                             おそらく初めて読んだ青い鳥文庫にして、自分のミステリ体験にとてつもなく大きな影響を与えた大傑作シリーズ。作者のはやみねかおる先生によるミステリと探偵の美学を強く感じるストーリー。その一方で軽妙かつ思わず笑いも漏れるところも多い読みやすい文体は今なお、多くの支持を集めている。 ちなみに筆者は小学生時代にこの夢水清志郎に憧れ自作の探偵を妄想し、原稿用紙にその探偵を主人公にミステリを書き殴ったが残念ながら断筆したという黒歴史がある…

「パスワードシリーズ」            こちらもミステリを題材にしたお話だが、かなり早い段階(90年代半ばの2ちゃんねるなどの掲示板以前のチャット時代)でネットの世界で繋がった子供たちが事件を解決していくという話。        その先駆性と子供たちだけで不思議な謎を解決していくとそこに自分もコミットしていると錯覚させるワクワク感は唯一無二の作品だった。

今回、青い鳥文庫で記事を書くインスパイアとなった号。児童文庫レーベルの分類や人気ジャンルにも詳しく言及されておりかなり参考になる内容です。

ジョルノ・ジャズ・卓也



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