「あを」を求めて、私はそっと海にいく｜青藍
鳥取砂丘（鳥取県鳥取市）
私は考え出したら止まらない。
禅問答のように思考が巡り、
答えが見つからないこともしばしばだ。
新たな職場に異動した。
右も左も分からない。
ただ、仕事だけは待ったなし。
もう、やるしかない状況だ。
いろいろ調べて、考えて、
脳の限界にたどり着く。
でも、ストンと落ちる答えが出ない。
そして、全く結果が出ない。
＊＊＊
そんな時、私が訪れるのがこの海。
鳥取自動車道の鳥取インターチェンジから車で約２０分。
砂と風が織りなす稀代の絶景が目の前に広がる。
この命の気配を感じない
砂の世界のその先に、
オアシスのごとく現れる青藍の海が、
私の焦りを鎮めてくれる。
砂紋の上を踏みしめながら一歩一歩と進むうち、
意識が日常から切り離されて、
絡まる思考を解きほぐす。
いつも答えはシンプルだ。
余計な思考が、答えを隠しているだけと、
私に気づかせてくれる。
ビジターセンターから「馬の背」は多くの観光客で賑わうが、
私の居場所はそのさらに西の外れ。
高い砂丘を背景に、
風の音と波の音が混ざり合う、
静寂な空気に包まれて無心に海と向き合える。
（つづく）
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？