起業時にこそ大事!受注時には案件を選んだ方はいい
起業とかライフワークバランスとか今まで培ったり思ってきたことをアウトプットしようと思いつつ、忙しすぎてshopifyの備忘録ばかりになってしまったのでたまにはビジネス関連の記事を書いてみます。
多分、大半の起業した人に関連するのではないかと思います。
経験談を元に書いていますので、一つの事例として参考にしていただければと思います。
起業時にこそお客さまと仕事の質は選んだ方がいい
起業した時の状況や業種などによって一概に言えないところではありますが、一般的には起業時にこそ付き合うお客さまや取引先、受ける仕事は選んだ方が後々幸せになれます。
実はこのアドバイスは私が起業した時に起業支援の専門家に言われたことです。
起業した当時は「ヒト・モノ・カネ」の3拍子揃ってなしでした。
ほんとに身1つで起業しました。ただ、ラッキーだったのは起業当時はすでに結婚しており、夫が会社員だったので収入の減収はあったとしても生活ができなくなるような心配は不要でした。
どれでも起業時から自分で仕事を取ってこないといけないのはかなりのストレスでした。
起業時から自分で決めていたのは、自分の力で仕事を取ること。営業代行とかネット広告とかは使わず、自分で付き合う人を決めて、自分で仕事のやり取りをすることが自分に課した条件でした。
ありがたいことにいろんな方のご協力もあって仕事0はほとんどありませんでした。
それでも売上のバラツキはジェットコースター状態でとても安心できる状況ではなく…。
そうなってくると当初予定していなかった営業や仕事にも手を出そうとするんですよね。
そんな時に支援してくださった専門家から言われたのが「仕事を選べ」でした。この仕事には付き合う相手や取引先、受注額なども含まれています。
仕事がないからといってあまりに安い金額で引き受けたりすると、価格を上げることが難しくなります。
もし実績を作るために安い金額で取引するなら条件付きで取引すべきです。そうでないと変な噂が立ったり、次回からも同じ内容での取引を持ち掛けられ断れなくなります。
ややこしいお客さまに当たった時も時間ばかりかかって売上も立たない…最悪の場合には裁判になったり、代金の踏み倒しの可能性もあります。
実際に私も起業前に裁判経験ありますし、周囲でも裁判や踏み倒し被害にあったというのもかなり聞きました。
他人事ではなく、こういうトラブルって規模の大小こそあれ割と普通にあるので本当に注意した方がいいです。
仕事を選んだ結果、10年後にどうなったか
結論から言うと、かなり幸せになりました!
うちの場合は、プライベートで流産、ドクターストップ、妊娠、子育て…等起業して5年ほどの間に毎年何かしらトラブルがありました。
特にドクターストップはかなりきつくてパソコン見るのも仕事のこと考えるのも体によくないと散々言われてまいりました。期間は短かったものの、ちょうどこの時ステップアップになりそうないい案件が舞い込んできていたのですが、案件スタート時にドクターストップがかかり、外出もままならなくなったため、大ピンチに陥りました。
外注先に恵まれていたため、皆さまのご協力のおかげで何とか乗り切れたもののそこからの取引はすべてなくなりました。
この取引先とは起業時から少額の案件ばかりでしたがかかさず受注していたところでしたが、ドクターストップがかかった時にいろいろ難癖つけられたので、正直本心が見えた感じがしました。
結果論にはなりますが、ここと縁が切れたのは悪くはなかったです。
紆余曲折ありましたが、妊娠中から現在までの7年ほどの間は何のトラブルが発生するのが怖くて、一切の営業をしていません。
新規案件などは毎年数件お断りしている状態ですが、起業時に取引先と外注先をかなり絞り込んだので、今でも長くお付き合いしていただき、妊娠中以外はほぼ同じ売上は確保できています。
どの案件も相手に失礼なくらいこちらのわがままを通していただいています。
納期は目安以外決めない、打合せ日時もドタキャンありきで決めてもらう(子どもの突発的な体調不良などに備えるため)…など普通では考えられないくらいこちらに都合のいい内容で進めさせていただいています。
その分、価格は安くしたり、サービスでいろいろやってあげたり…という特典を付けていますし、皆さん長いお付き合いの方なので、どこからも文句を言われたことはないです。
安心して取引できるか、長く付き合える相手か…というのは受注側だけでなく、発注側にとっても重要なことです。
これもあれやこれや悩んで試行錯誤した結果、辿り着いた答えでした。
価格だけでの取引ならあっという間によその会社に流れていきます。
そういう相手も時には必要ですが、長くやっていこうと思うなら、付き合う相手は選ぶ必要があります。
今もお付き合いがある取引先の中には双方仕事を投げ合って、うまくやれている会社さんもあります。
ドクターストップがかかった時もうまく納期調整してくれて、一言も文句言われなかったです。
何年も前のことですが、私は今も恩を感じていてそこの会社さんだけはサンプルでのデザインとかは一切料金いただいてないです。
実際の案件に発展した時だけ料金いただいています。
以前はそこからの案件はデザインからサイト構築まで一括で受けていたのですが、子育てで思うように時間が取れなくなったため、相手の製作事業部とこちらで作業を分担することを提案しました。
この提案にも何の文句も言われず変更していただき、さらに製作単価も上げていただきました。
分担作業に変更できたことで時間単価は爆上がりし、さらに手離れもよくなったので、本当に感謝しかありません。
そこの社長さんとは仲良しなので、仕事のお礼は仕事で返す、を双方徹底してやっています。
お互いその方が利益も大きいし、得することが多いので、そういう相手が1人・2人いると本当に救われます。
断るのも大事!
大勢社員を抱えているような規模の会社ならどんな相手でも引き受けていく必要もあるでしょうが、1人や少人数の会社ならある程度取引先や外注先を絞っていく必要はあると思います。
お客さまは神様、という意識で何でもやっていたら身が持たないですし、余計なトラブルに巻き込まれかねません。
合わないと思った人は思い切って断るのも大事なことだと思います。
断れるなら断ってしまいましょう!
本当に裁判とか料金踏み倒しとかされると、ストレスかかるし、精神的に落ち込むし…で立ち直るのに苦労します…
これは本当に精神的にやられますし、何年もしこりのように気持ちの奥に残ります…
断りたいけど断れないケースとしては紹介案件とかでしょうか。
紹介案件でも私はけっこうお断りしているのですが、断りきれなかったり、引き受けた後で地雷踏んだ!みたいなことは2年に1度くらいの感じで発生しています。
そんな時でもそれ1回限りで終わらせているので、終わるまではひたすら我慢で乗り切っています。
営業しない営業
起業当初こそ営業していましたが、それも1・2年もしない間に落ち着いてくると思います。
うまくいく営業方法だけ残すとか、○○会とかのグループや組織に所属するとか、異業種交流会とかで仲良くなった人と仕事を回すとか、営業しない営業方法というのもあります。
これも会社の規模やスタンスによって決めればいいと思います。
取引先で起業当時からのお付き合いで年商10億くらいの会社さんがいるんですが、そこの営業方法は昭和の頃からのアナログ手法を続けながら、一風変わった方法で営業+売上増減しています。
その会社さんはひたすら取引先を大事にして、広告やネット・SNSの活用などは一切やっていません。
その業界では有名ですが、一般的には全く名前を知られていないような会社さんです。
営業が得意ならどんどんすればいいと思いますが、いわゆる営業はやっていないが優良企業というのはけっこうあります。
そういう会社さんとお付き合いしていると失敗話や成功話、裏話など本当にさまざま聞きます。
失敗した話はどの人にもどの業種にも共通することが多いのですが、成功話と裏話は本当に千差万別。
聞いていると面白すぎて飽きないです。
私自身も起業時にうまくいった営業は異業種交流会とセミナーの参加でした。単純に参加者として参加していただけなのですが、同席した方と仲良くなり、相談に乗っているうちにそのまま受注したというケースがとにかく多かったです。
起業支援の専門家からは私の営業方法も珍しいパターンと言われました。
異業種交流会については1・2ヶ月に1回はどこかで飲み会の幹事やるほど人が集まるようになっていました。
気づいたらどこかから声がかかって、飲み会やってよ、とよく言われました。みんな自分で主催するのは嫌なんでしょうね(苦笑)
いろんな幹事を引き受けている間に、主催者みたいな立場として認識されてた感じはありました。
そうなると人だけでなく情報も集まるし、仕事も自然発生的に生まれていました。
子どもを妊娠する頃まではずっと続けていましたね。
飲ミュニケ―ションとかって一時期言われていましたけど、それを地でいってました。
自分で言うのも何なのですが、とにかく受注率が異常に高かったように思います。
セミナーは2・3回の参加するだけで何かしらの案件を受注していた時期もありました。自分が講師とかではなく、ただの参加者としてです。
セミナーの後に世間話していただけなのにその流れでいつの間にか受注したという感じなので、自分でも不思議でした。
5年ほど毎年某会議所でセミナー講師もしていましたが、こちらはさっぱりでした。
問い合わせがあっても受注につながるのが非常に少ない。
セミナー後は講師席前に名刺交換や質問で列ができるほどだったので、内容は悪くなかったと思うのですが、私には相性がよくなかったようです。
こちらから営業するより相手から仕事の話を持ち掛けてもらう方がとっても楽に仕事できます。
この人に相談したら安心とか、任せておいたら安心、みたいな感覚を相手に思ってもらえると受注しやすいし、した後もこちらのペースで進めやすいのでおすすめです。
営業して取りに行った案件ほど、こちらのペースで進めにくい感じが個人的にはあるので、営業が苦手な人で自分で仕事を取りにいかないといけない方は参考にしてみてください。
既存顧客を大事にする
お客さまは神様、というわけではなく、一度取引してくれた人は引き続き取引してくれる可能性が高いので、大事にしましょう、という話。
フリーランスとか小規模の会社、新規立ち上げたばかりの会社などは取引開始までのハードルが高いです。
資本金が多いとか、特殊な資格があるとか、大手企業のグループ会社、子・孫会社とかでなければ、相手が零細企業や中小企業であってもなかなか取引できなかったりします。
そんな中で取引をしてくれたお客さまはやはり大事にすべきです。
起業して2・3年くらいまでは風当たりが冷たいなと感じることもあるかもしれませんが、3年を超えたあたりからはほとんどそういうことを感じなくなりました。
私自身は30代前半で独立し、女性だったということもあり、応援してくれる人と軽んじる人とけっこう対応が分かれたような気がします。
軽んじられても適当に受け流せばそれ以上言ってくる人もほとんどいないし、周囲からの評判が上がれば表立って言う人はいなくなります。
私の最初のお客さまは独立前の会社でやっていた案件を退職金代わりにそのまま受注したところからスタートしました。
その後は自分で営業したりしていたのですが、あまりうまくいかず、その姿を見ていた起業支援の方ががんばってるのを応援したいとお客さまを何人か紹介してくださいました。
その中の1社が公的機関だったので、あそこの仕事やってるなら…ということで信用を得て、商談したものの大半はそのまま受注することに成功しました。
地元企業同士のビジネスマッチングを行政が行っていて、そういうところともつながりが持て、コロナ前まではずっと紹介していただいていました。
取引がなくなった会社さんもありますが、それでも取引開始から数年はずっと取引を続けてくれる会社さんが多くて、ありがたかったです。
名刺交換会みたいな場に行くとひたすら挨拶と軽い会話だけこなして次々に名刺配りまくっている人とかを見かけることもありますが、新規取引先を探すより既存顧客を大事にして継続的に取引できる方がコストパフォーマンスもいいし、双方の精神的にも楽に取引できます。
既存顧客の数が少ない場合は、既存顧客との取引を大事にしつつ、新規取引先を探す必要はあります。
でも新規ばかりに目がいって、既存顧客をないがしろにしているのもけっこう見かけるので、バランスが大事です。
断っても仕事は来るから安心して
独立して数年はそこまで余裕がなかったのですが、数年もするとなんだかんだで仕事も取れているし、忙しくしている時ほど仕事が舞い込んでくることに気づきます。
何があっても何とかなる、という感じで気持ちに余裕と自信が出てきます。
女性だからと軽視していた人も起業年数が長くなるにつれてそういう目で見なくなることが多いし、差別意識が強い人はいつの間にか淘汰されていなくなってたりします。
仕事を断ってもどこからか新しい仕事の依頼はやってきますし、逆に何でも受けようとしていた時の方が金額安くてヘビーな内容のことが多かったです。
仕事断ったり納期の調整をしてもらうようになってからの方が、忙しい=仕事ができる人=売れっ子という感じに勝手に想像してくれるようになったので、こちらのペースで進めやすいし、仕事しやすくなりました。
ある時期にやたらと仕事が決まり、製作ばかりに追われて大変だった時期があります。
さすがにそうなると外注に出して件数を増やすか、納期調整などをしながら自分でこなすのか…などの選択を迫られることになります。
その時に起業支援の方から言われたのは「仕事を断ってもまた新しいのが来るから安心して、断れ」でした。
「忙しくしている人ほど面白いほど仕事が入ってくるから、演出でもいいから忙しくしてろ」
とも言われましたね。
この言葉は起業して1・2年経った頃にいただいたアドバイスですが、10年経った今でもその通りだと思います。
仕事以外で忙しい時もあるのですが、それでもみんな勝手に勘違いしてくれるので、こちらからはわざわざ訂正しないです(苦笑)
忙しくてしている人ほど人の目を集めやすかったり、スケジュール調整が難しい人だとそんなに仕事を受けているのかとか人気者だなと思ってくれるので、ぜひこの人に仕事を頼みたいと思ってくれることもあります。
皆さんも、暇な人より忙しくしてる人に仕事頼みたいと思いませんか?
まとめ
自然災害があったり、不景気だったりで起業したり副業を始めたりという人は多くなってるんじゃないかと思います。
私の起業のタイミングも東日本大震災の後でした。
私自身は自分の力で起業したいと子どもの頃からずっと思っていたので、社会人になってから独立のタイミングを図っていました。
そんな折に東日本大震災が起こりました。
まさに今やらないといつやる!という気持ちで独立しました。
同じような気持ちの方も多いんじゃないかなと思います。
この記事はどなたかのお役に立てるかは分かりませんが、起業、子育てとの両立、夫婦で会社経営とこの10年でいろいろ経験したことを何かの形で書き残していきたいと考えています。
同じ頃に独立したり、独立に向けて準備していた人も多くいましたが、いつの間にか辞めて会社員やアルバイト生活に戻っていった人も多くいました。
子育てや介護の両立ができなくて、仕方なく会社を畳んだり譲渡した人もいました。
起業というスタート地点に立てなかった人、半年持たなかった人、1年で貯金を使いつぶした人、2年経っても事業が安定しなかった人、黒字なのに税金や消費税の納付ができず黒字倒産した人、思い切って事業を始めたものの家族の同意を得られず会社員に戻った人…
さまざまな人と出会ってきました。
飛行機の墜落して助かったことで人生が変わった…なんて方もいらっしゃいました。
私自身いつまで会社経営できるか…という不安は常に隣り合わせですが、10年やってこれたらまだしばらく続けていけるはず、と信じて事業をやっています。
ネットで調べるとお金儲けの話や成功者の話など、失敗して借金まみれになった…とか本当か嘘か分からない話が出回っていますが、現実はもっと複雑で多様だと感じています。
匿名だからこそ本音で書ける話なので、起業しようとしている方や事業を軌道に乗せられなくて不安な方など、私の経験談が参考になればうれしいです。
子育てと両立しながらデザイナーやってます。 フリーランス歴9年、法人成してもうすぐ3期目。基本ノンプログラマーですが、wordpress、shopfyなどカスタマイズ好きでいろいろやってます。 この記事がみなさまのお役に立てますように!