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理解したい私と、わかった気になりたくない私

推しと呼ばれる存在との接し方は無数にある。例えば私のように、推す相手によって、その推し方を変える人もいることだろう。

今日はそのうちの一つの推し方について思うままに書いてみた。

ここでは便宜上、推しのことを彼と書くけど、そういう対象は1人に限ったことではないので、彼でもあり彼女でもあると捉えてくれたら、それぞれの推しを思い浮かべながら読んでくれたら…幸いです!

そして実体験なのか、フィクションなのかは私もわかりません。

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世の中には無数の推し方がある。私の場合、彼のことは頭の中まで理解したくなる習性がある。

例えばテレビ番組に出ている時、テロップでキラキラ王子様な扱いを受けていようとも、彼の表情を見て「あれ?機嫌が悪いのかな?」「緊張してるのかな?」と思ってしまう。

でも、それが私の想像であって、彼は本当はそんなことを思っていないのにということが起きてしまうのが嫌なのだ。

私が頭の中で勝手に描いた彼が、現実でも本当にその通りであればいいなと思って、できるだけ彼のことを理解したくなってしまう。最初はテレビや動画媒体での発言、次に雑誌のインタビューや公式のテキストコンテンツ。彼が好きだと言った作品は、わたしも好きになろうと努める。

こんな曲を聴いているのか、こんな小説を読んでいるのか、もしかしたらあの時のこの発言はここからインスピレーションを受けているのか。そうやって想像を膨らませる。

ただ、そういうことをしていると厄介に思うこともある。「私は彼を理解している」だから「彼はこんな人じゃない」と、時として彼自身を否定してしまうのだ。

できるだけ理解したいからと知る努力をした結果、私の描いた彼の像を膨らませすぎて作り上げことが、これまでに何度もある。

だから、その過ちを繰り返したくないから、私はなるべく彼のことを理解したくない。

ファンサービスをするときの心理も、いつもよりも少しだけ椅子にのけぞって座ってみせるのも、前髪を触る回数も、わたしは意味を見出さない。

たまたま。あの行動には、意図がない。

少し前までは全てに意味付けしていた私は、彼から発せられる少しのサインを気づかないふりして封じ込める。

それでいい。

理解した気をしていたら、彼はきっと嫌がる人だから。

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