【レシピつき】世界のごはん vol.4 パスタの思い出〜アムステルダムでの隣人さんのパスタと、イタリアの旅より〜
【はじめに】
私は過去に3カ国(オランダ、イギリス、香港)に住む機会があり、その中で特に興味深かったことは、その土地の食文化に触れることでした。そこで、食文化を通して経験したことをいくつかご紹介をさせて頂きます。今回は、オランダのアムステルダムに住んでいた時と、イタリアの旅で経験したパスタのお話しさせて頂きます。
【アムステルダムでの生活】
私はオランダでの生活を始めて、数ヶ月後にアムステルダムに引越しをしました。ミュージアムプレイン(ミュージアム広場)の近くで、とても便利な場所でした。
私は音楽留学でのアムステルダム滞在で、楽器練習や授業の他、主に生活を整えるための買い物や、キッチンで慣れない料理をするといった毎日を送っていました。特に長い冬は日が短くて寒いので家で過ごすことが多く、いつの間にかだんだん料理をすることが楽しくなっていきました。私が住んでいたアパートは少し変わっていて、リビングルームからキッチンに行くのに、毎回廊下に出て、キッチンの鍵を開けたり閉めたりして出入りするという構造になっていました。面白いですよね(笑)それでも窓から陽の光が入るキッチンは心地よく、床はチェック柄で、壁紙も可愛く、お花屋さんで花束を買って飾ったりと、私はそのキッチンをとても気に入っていました。
【隣人の女医さんとのショッキングかつ嬉しい思い出】
ある時、私はうっかりキッチンの鍵を閉め忘れて外出してしまったことがありました。そして外出先から帰宅したら、なんと隣人さんが私のキッチンに入って料理をしていて!「ごめんね〜キッチンを使わせてもらっているよ!うちのコンロが調子悪くて」とのこと・・・!世間知らずだった私はびっくり、「私のお気に入りのキッチンがぁ!!」と、軽くショックだったのを覚えています(笑)しかし数日後、その隣人さんが「この前のお礼だよ!」と、パスタを作って私の家に持ってきてくれたのです。実はこの隣人さん、イタリアに長く住んでいたことがあるという女医さんで、イタリア料理がとても得意だったのです。これが、私と本格的なイタリアのパスタとの初めての出会いになりました。女医さんのパスタはミートソース風で美味しくて、今でもその味は鮮明に覚えています。私はその時、思わず買っておいた赤ワインを開けて、やったー!と、嬉しいディナーになりました。初めはショックな出来事が、今では美味しくて嬉しい思い出になっています。
【イタリア旅行でのパスタの思い出】
その後は、イタリアに旅する機会にも恵まれました。レンタカーで、フランス〜イタリア〜スイスを旅して、その中で特に私が興味を持ったのは、イタリアは小さな街のイタリアンレストランでもパスタがとても美味しい!ということでした。それくらいイタリアの食文化にはパスタが欠かせないものなんですね。そしてパスタにはたくさんの種類があることもこの旅で知りました。とても多くの気づきがあった旅になり、今でも思い出深いです。
その後は、アムステルダムの隣人の女医さんと、イタリアやパスタという共通の話題ができ、それも嬉しい思い出です。
【私流、女医さんのパスタを再現】
次に、私流ではありますが、あの時にアムステルダムでの隣人の女医さんが作ってくれたパスタを再現しようと思います。
北イタリアのボローニャ地方で生まれたラグー(煮込み)で、老若男女に人気があるパスタソースに「ボロネーゼ」があります。ミートソースは、ボロネーゼがアメリカ風にケチャップなどで味つけさて変化したものです。今回は、より女医さんの味に近いボロネーゼの作り方をご紹介します。ボロネーゼはタリアテッレ(平打ちロングパスタ)で作ることが多いのですが、今回は、女医さんが作ってくれたリガトーニ(ショートパスタ)で再現します。リガトーニには外側に筋状の模様が入っているので、ソースとよく絡みます。
【ボロネーゼパスタのレシピ】
(材料)
【ボロネーゼ】3〜4人分
●牛豚あいびき肉・・600g
●玉ねぎ・・1個
●セロリ・・1/2本
●にんじん・・1本
●にんにく・・2かけ
●カットトマト缶・・1個(約400g)
●オリーブオイル・・大さじ3
●バター・・10g
●生クリーム・・50ml
●赤ワイン・・50ml
●塩こしょう・・適量
●ローリエ・・2枚
【パスタ】
●リガトーニ・・1人約80g
●お好みでパルメザンチーズのすりおろし・・適量
(作り方)
①玉ねぎ、にんじん、セロリをみじん切りにします。
②にんにくをみじん切りにします。
③鍋にオリーブオイルとバターを入れて熱し、みじん切りにしたにんにくと野菜を入れて炒めます。
④野菜に火が通ったら、牛豚あいびき肉を入れて炒めます。
⑤赤ワインと、ローリエを加えます。
⑥カットトマト缶を入れて、なじませて煮込みます。
⑦生クリームを入れます。
⑧塩こしょうで味を整え、約1時間30分〜2時間、煮込みます。
⑨茹でたリガトーニをボロネーゼにからめます。
※リガトーニは袋の表示の分数に従って、たっぷりの湯に、湯の重量の1%の塩を入れて茹でます。時々かき混ぜて茹でて下さい。1%の塩の量は、例えば『湯が3ℓなら塩大さじ2』、『湯が2ℓなら塩大さじ1』です。
⓾器に盛りつけて、できあがり!
お好みでパルメザンチーズのすりおろしをかけても美味しいです。
【最後に】
今回の記事を書くにあたって、私自身とてもなつかしい思い出を振り返ることができました。またアムステルダムにも行きたいですし、イタリアにパスタを食べに行きたくなりました。
皆さんにも、今回のアムステルダムでの隣人の女医さんとの思い出やイタリアのパスタの思い出を読んで頂き、少しでもパスタに興味を持って頂けると嬉しいです。そしてイタリアにパスタを食べに行きたいなと思ってもらえたら、さらに嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?