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再入院22日目〜異空間と自分〜


一番遠いところにいる。



色々想いめぐらせたけれど
この言葉がとてもしっくりくる。



精神科でのクリスマスや
お正月は

一言で表せば「無」だった。

そこに良いも悪いもなく、

ただ、
「無」であり、
世間から、世界から一番遠いところにいるという
感覚だけが尾鰭を引くように続いていた。



クリスマスとか、そういうの関係ないんで
クリぼっちなんで〜

とか

正月休み返上で仕事だ!

正月とかいつもと変わらないよね
寝正月だ


と、言う人がいるし
実際わたしもそのタイプだった



でも、それは
選択肢がある上での、過ごし方であり
いくらでも変更が可能だ


精神科でのクリスマスは
誰も笑う人はいない


クリスマスという言葉も聞こえない
ご飯が彩られていて初めて気づく人もいる


大晦日、当たり前のように20:30に
睡眠薬が配られ、21時に消灯した。



元旦、6時に起こされ採血から始まる。



気づいたら2022年だった。



一年の計は元旦にあり
目標
どんな一年にしたいか


沢山の人が2022年に希望を託す



精神科の中で
目標とか、将来、夢、未来
という明日への言葉たちは全て無力であり
ただ、日をこなす
明日などと考える思考さえもなく


日付だけが無情に過ぎていく



元旦を過ぎて、
看護士さんが用意していた
サンタの帽子をまだ被っている
おじいさんがいる




時が止まっているような空間に身を置いていると
自分までもが何者かわからなくなってくる



ただ、
この環境が苦痛かというと
そうでもないという
自分に驚く


ここは、何もない
だからある意味平和だ


誰とも競争しない、勝ち負けがない
誰もわたしの顔や体型を見る人はいない
わたしの性格に誰も興味がない
一日中同じ病棟にいても
誰もわたしの名前を知らない


一日中言葉をほとんど発しない



それが

当たり前
心地よい
安心安全

不安になれば薬を飲めば良い
それでもダメなら
ナースコールすれば良い


悲しいも、楽しいも、
ムカつくも、寂しいも

何もない。

考えることをやめてしまいそうになる。



こうして人間は良くも悪くも環境に
順応していくのだとも肌で感じた。



外の世界へ戻れば沢山の試練と
沢山の刺激と数え切れないほどの苦悩が
待っている。



わたしは、心強くして戻らないといけない。


今、目標や希望などはなく
恐怖や不安が大きい。



一つ救いがあるとすれば
わたしの中に悔しいという気持ちが
ここ数日あることかもしれない。



来年はこんな思いはしないぞ。

この気持ちがいつまで続くかわからないけれど
悔しい気持ちが、自分に活力を与える。


きっと来年は
笑って年越しをしようと思う。

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