建築では床や壁など大きな面積だけでなく、建具、巾木、軒天、軒、破風、雨樋、階段、キッチンや洗面などの水回り・・・など、たくさんの部材を使うので、”色を整える”ことは大切なことです。
色を整えるとは、空間全体の7~8割を同じ色相(色味)にするまとまりやすいですよっていう意味です。
例えば無垢の床板にも色があり樹種によって様々で、樹種によってスタートの色が違い、ウォールナットなら赤、チェリーなら橙、パインなら黃橙と、元の色が少しづつ違います。
最近はプリントのフローリング材も増え、ますますカラーバリエーションが豊富になっています。
インテリア空間を整える黄金ルールは7:2:1と言われます。
7割の大きな面積をベースカラーで、
2割はアソートカラーに
1割はアクセントカラー
アソートカラーはアクセントとベースカラーをつなぐ大切な色です。
7割の色の軸を整えることで、インテリアのイメージはまとまりやすくなり、次の色を足しやすくします。7割だと床・壁・天井と家具や建具など。色軸を整えるというのは、同じ色相を使うという意味で、同じ色ではありません。
上の図でいうと、茶色はオレンジから出来る色ですから、フローリングのオレンジブラウンに合わせて、壁をオレンジベージュにするなどして、色相を揃えるといいと言うことです。この組み合わせだと2色ですが1色相。
例えば、ここに白い壁を持ってくると、オレンジと白の2色で2色相になるということです。
ベースを整えれば、後は2色配色にしたり、3色配色にしたり、4色でも、トーンを合わせたトーンイントーンでもいいし、カジュアルやナチュラル、モダンやシックなど、インテリアのイメージに合わせて色を選んでいけます。
色を足すアイテムには、インテリアイメージに合わせたカーテンやラグなどファブリック類や、照明器具、ソファや家具、など。
この写真はリフォームの現場でのカラーコーディネート。黄橙の軸で整えて、アクセントにはっきりした黄色のペンダント照明や、可愛いドット柄のシェードを採用。全体的にナチュラルでカジュアルな空間です。
色や素材は居心地の良さに深く関わり、とても重要なポイントです。一般的な流れとして、建築の現場では形(設計)や機能、もしくは価格が優先されてしまいがちですが、カラーデザインや導線も同時進行で考えると、よりまとまり、豊かな気持ちで暮らせる空間づくりが出来ますよ。
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