ColorAge(からあげ)

ColorAge(からあげ)

最近の記事

統計力学Ⅰ(田崎晴明 著) 感想

 昨年の出来事だが、普段通り熱・統計力学の講義を受けようと教室に入ったところ、聴衆は知らない顔ぶれの人々ばかりであり、担当教員もいつもと違う方で、あれ教室を間違えたかなと思い確認すると、その日開かれていたのは非平衡統計物理学の特別講義で、弊大学に佐々真一先生が招かれ、自身の研究内容を熱心に語っているまさにその最中であった(講義自体は休講だった)。踵を返すのももったいないので、適当に席を見つけ話を聞いていたのだが、やはり前提知識がないとこういう話は退屈だ。結局最後まで聞くことは

    • Anti-Aging Record 『Assorted Box』 レビュー

       はじめに まず断っておきますが、AARお菓子コンピについてのレビューは既に存在します。 この文章はAARのメンバーが制作してくれた曲を起点にして、僕が思ったこと感じたこと、さらには日頃考えていることまでをなんとなく並べたような文書になっています。そもそもどんな饒舌も音楽の前には意味をなさない、僕はそう考えています。だから、一旦このレビューを見たら見たで、僕の雑感のことはすっかり忘れ去ってしまっても良いです。後は己の耳を信じて一つ一つの曲を聴いていただけると嬉しいな、と思い

      • 読書記録

        読み終わったやつをここにまとめていきます。専門書は感想程度のものをまとめた文章がリンク先にあります。 2020年1月 ・カラマーゾフの兄弟(上)(中)(下)(ドストエフスキー 原卓也訳 新潮文庫) ・学問のすすめ(福沢諭吉 岩波文庫) ・Xへの手紙・私小説論(小林秀雄 新潮文庫) ・方法序説(デカルト 岩波文庫) 2月 ・饗宴(プラトン 岩波文庫) ・本居宣長(上)(小林秀雄 新潮文庫) ・戦争と平和(一)(ニ)(トルストイ 新潮文庫) ・君主論(マキアヴェッリ 岩波文

        • 一年の計は元旦にあり

           よく知られたweb漫画『金魚王国の崩壊』の中で、藤代ミカゼが妙なことを話す。 私は 過去の自分の考えを 破綻するたび否定してきた なにしろ今日からこう生きようと決めても 次の日にはもうその生き方は適用しなくなっていて また別の生き方に変えていかざるをえなかったのだ 新しい思想を作っては壊し 作っては壊し かつてはそんな私が嫌だった でも今はそうでもない 私は否定することを肯定するのだ 私は自分の意見を否定する 昨日の私の意見を今日の私は否定する 今日の私の意見は 明日の私

        統計力学Ⅰ(田崎晴明 著) 感想

          無題

          ※この記事は「Anti-Aging Record Advent Calendar 2019」5日目の記事です。  中学生から高校生くらいの時期にかけて、サカナクションにひどく心酔していた時期がある。ありふれているのに感傷的なベースラインや新鮮なコード進行、近未来的な電子音やアコースティックで懐かしさを漂わせる旋律、要するに彼らは音楽という網を広く張り巡らして僕の心をとらえたのである。サカナクションの曲は悉く買ったし、通学中も勉強中もずっと聴いていた。友人に勧められたり、自発