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暗号文で始まる恋ってアリですか? 8

親元を離れた2人の生活。
それぞれの生活がスタート。

私は大阪の南の学校でその学校の寮に入った。
いわっちゃんは大阪の北の学校でその学校の寮に入った。

ある事が起きて、いわっちゃんが少し過保護になった。

私の学校の入学式の日。
まさかの都会の洗礼を受けた。

きっとそういう人にはわかるんだと思う。
私が田舎から出てきて、都会に不慣れで1人で歩いている子だっていうことが。

学校からの帰り、もちろん1人で寮まで帰る。
学校から寮までは徒歩で大体10分かからないぐらいの距離。

まだまだ不慣れな道を歩いていると、
スーツ姿のビジネスマン風の男性が近づいてきて
「●●ってこの辺?教えてくれる?」
っていうので、
「私は、まったくわかりません」
って答えた。

その瞬間にその男性が覆いかぶさってきた。
私は何が起こったか理解できなかった。
そう、危うく襲われそうになった。

あまりにもびっくりだったけど、
「キャー」って声をあげたら、
何事もなかったようにその男性は歩いて行った。
大声は出せなかった。

人が1人、2人遠くへ見えてたから良かったのかもしれない。

まだ土地勘もなかったからどこを歩いたほうが人が多いかとか、どこが危険を感じるとかがわかっていなかった。後から思うと、この時は人通りが少ない通りを歩いていた。

本当にびっくりした。
都会って怖いなぁーと改めて思った。
少しいたずらされただけなのかもしれないけど、とても恐怖を感じた。

もちろんこのことをいわっちゃんにすぐに話した。
そしたら、心配しすぎてしまって私に防犯ブザーを持たせた(笑)

北と南、大阪は狭いので地下鉄や電車で30分、40分ほどで会える距離。
それでも会えないと遠く感じる距離。

一緒に居たくて会いたかったから、頻繁にどこかで会ってた。
公園でずっと話したり、どこかのお店でずっと話したり。

この頃は携帯電話がまだ普及してなかったので、会って話すことが多かった。
大阪に行って少ししたら携帯電話が普及する時代に代わっていった。

携帯の無い時代、連絡は寮の電話。

私の住んでいた寮には電話が1つあって、そこにかかってくる電話を誰かが取る。
もちろん私が入ってた寮は女子寮だから同じ学校の女子生徒の誰かが電話を取る。

あるとき、寮の隣の会社の人から寮に電話がかかってきたのを私が出た。
隣から私の部屋が見えるらしい。
「今、帰ったね。ずっと見てるよ」
っていう気持ち悪いストーカー的な電話。

そのことをいわっちゃんにまた話した。
すると、いわっちゃんはその会社に電話をかけて苦情を言ったらしい(笑)
それからはかからなくなった。

寮の電話っていうのが部屋の外だったし、その場所がちょうど隣から見えるっていうのも気持ち悪かった。

というわけで、部屋に電話を引けということで電話回線を買った。
当時私は色々なバイトをしていて、最初のころはファミレスのウエイトレスをしてたので、そのバイト代で買った。

携帯が無い時代、自分の電話回線っていうのがとっても嬉しかったのを覚えてる。
その電話で毎日話した。

バイトの無いときは必ず会っていたけど、それだけじゃ寂しくなって毎日会ってた。

学校でできた新しい友達もいわっちゃんの名前を覚えるぐらい、学校が終わってから会ったりしてた。
バイトの無いときは終電ぎりぎりまで。

昔からかっこつけたがる人なので、会う時はいつもお金も無いくせに一緒にいると全部払ってくれてた。
食費を削って。
毎日100円のハンバーガーを2個だけとかの生活をしたりしてたって聞いた。

あの頃はすごく痩せてた。
髪の毛も長くてフラフラしていて、パンクロッカー的な感じ。

お金のない学生のくせに、相変わらず色々なものを買ってくれてた。
覚えてるのはサテン生地の紺色のサロペット。
特に何も記念日とかじゃなかったと思うけど、私に買いたかったんだって。
女物の洋服屋さんに1人で入って選んだらしい。

後にも先にも1人でお店に入って買ってきてくれたのはこれが唯一かな(笑)
とっても嬉しかった。
今でも大事にしまってる。痩せたら着よう。
着れるかなぁ?(笑)

私たちの大阪生活は、けっこう早い段階から私の寮にたまにこっそりと来たりして、一緒に過ごすことも多くなっていった。

その頻度が多くなっていくと、生活が2人の生活になっていた。

ほぼ同棲生活。
一緒に生活するのは初めてのことだから戸惑いもいっぱいあった。
そんな生活はまた次のお話で。

to be continued

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