見出し画像

鳥羽にて、小旅行が見せてくれる小さな幸せに気づく

ピアノの発表会でがんばった双子の娘たち(6歳)へのプレゼントのつもりで、三重県まで小旅行してきた。

途中、サービスエリアで昼食をとり、「三重県立みえこどもの城」(三重県松阪市)へ向かう。あいにくの雨ではあったけれど、娘たちの足どりは軽く、楽しい道中だった。

素敵な施設でした!
(片手に傘を持ちつつ撮影したので
写真がいつにもましてよくありませんが……)

目当てはプラネタリウム。星座についての説明を受けながら、夜空に星をさがす。娘たちは静かに興奮していた。「双子座ってあったよ! 長女ちゃんと次女ちゃんの星だ!」とあとで耳打ちしてきた。ほんとうは獅子座の生まれである。

その後、カフェでおやつを食べてから鳥羽市内のホテルへ。海を見ようとロビー近くのテラスに出てみたら、あまりに風が強い。「残念!」と言って退散した。お部屋はオーシャンフロントで、娘たちは窓からの景色に釘づけだった。

夕食には海の幸がどっさり出現。

まだ生きてます。

娘たちのお疲れさま会旅行と言いながらも、実はわたしがあわびを食べたかったから企画したような気もする。柔らかくておいしかった。

ぷりぷりした食感、一口しか味わえませんでした……。

伊勢海老はほとんどを娘たちに食べられてしまった。ショックを隠せない。これも彼女たちの成長だと思って、喜ぼうか。……いや、喜べない(食い意地!)。

翌朝、目覚めるとベッドに娘たちがいなかった。

ふだん、床にお布団を敷いて寝ている彼女たちは、ベッドのふかふかした寝心地になじめなかったのか、6時に起きてしまったのだ。ぎょっとして、部屋のなかを目で捜索する。

窓にかかった重い遮光カーテンを少し開き、彼女たちはこっそり海を見ていた。二人でなにかこしょこしょと話してもいる。ほっとしてから、なにを話しているんだろう、と思うと胸にほんのりと幸せな気持ちがこみ上げてきた。

こっそり見。

ふだんなかなか見られない朝の海に、きっと彼女たちは新鮮さを感じているはず。窓に張りつく様子がかわいいなあ。こういう小さな幸せを大事にしたいと心から思えた瞬間だった。

それから朝風呂に入ったのも彼女たちにははじめての経験だった。大浴場からは海が見えるつくりになっているけれど、夜は暗くてよく見えなかった。朝の明るさのなか、水平線や沖へこぎ出す船を見ながらお湯につかる二人は、わくわくを絵に描いたみたいな顔をしていた。こういうのいいよね、と顔を見合わせる。

ホテルを出たあとは鳥羽水族館で、アシカのショーやペンギンのお散歩を見て過ごした。

海沿いの定食屋の女将さんが「双子ちゃんかな? よく食べるね! かわいいね」と声をかけてくださった。もしかしたら二度と会わないかもしれない方とのあたたかな交流も、旅の醍醐味だ。「ありがとうございます、定食おいしかったです!」と返す。

日常にちょこちょこ転がっている小さな幸せは、旅に出るとより見つけやすくなる。ささやかな旅でいい、ときどきの小旅行で自分の現在地を確認したい。そのためにわたしは働き、なに一つ見落としてなるものかという感受性のがめつさに磨きをかけたいと思う。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?