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わさびを作る場所さがし。なかなか、うまくはいきません。

夢のことを考えて、今日もドキドキわくわく、へらへらしているコーラ屋&わさび屋 準備室です。
わさび農家で半農半ビジネスマンになろうと、わさび田候補を毎日毎日探しています。わさび作りは、わさびにとってばっちりな条件を見つけられれば、半分は成功、と言われているのです。
わさび農家は、僕の目指す兼業農家のスタイルにとってもあってる、と運命的なものを感じてるのですが、作る場所さがしはまだまだ続いてます。

先生のご紹介で養魚場跡地へ

僕の地元は、わさび作りに向いているようなロケーションなんですが、ほとんどわさびを作っているひとはおられません。
でも先日、奇跡的な縁がありまして、わさびを作ってられる農家さんと会うことができました。
そのときのことは、別の記事で書いていますので、よろしければそちらを見てくださいね。

僕はかってに先生とお呼びしてるのですけど、その先生より今回、わさびを作る場所候補を教えていただいたので、いっしょにロケハンをしてまいりました。

今回ロケハンをした場所は、先生のわさび田より車で10分ほどの、かつては川魚の養魚場だった場所です。
ヤマメを養殖されてたようですが、オーナーご夫婦がお亡くなりになり、
ご子息も他の仕事をされたため、使われなくなったものです。

養魚場の様子

水が抜かれてはいますが、とても立派な施設ですし、状態もとても良く、水を引き入れれば、すぐに養魚場として使えそうでした。
わたしも養魚場というものを初めてじっくり見たのですが、養魚場の作りはわさび田によく似てました。

まず、当然といえば当然ですが、わさび田とおなじように、水が上流から下流へとたえず流れる構造になっています。
いけすの傾きも2-3%の傾斜で、水面の水はわさび田と同じ秒速20㎝程度で流れてくれるように感じます。
※1%の傾斜=100mの長さに対して1mの落差
いけすの底を平坦にして、わさび用の土でうめて、水を止めることなく流すことができれば、わさびを生産することができるでしょう!

わさびの命。水のクオリティーは。

場所の権利をお持ちの方のお話ですと、この養魚場エリア内には、なんと6か所も井戸が掘られていて、そのすべてが水が出ているようです。
水質についても数年前に検査されていて、某有名ミネラルウォーターとほぼ同じとのことで、高いクオリティーであることがわかります!
わさびは、土や気候環境が育てるうえで大切ではありますが、それ以上になによりも『水』が究極のキーファクターです。

水。わさびの命。

わさびを育てようと思ったら、そこで良い水が使えるかどうかで全てがきまります。
水質の他に、水の温度もとても重要です。わさび生産には、水温を9-16℃の間に保たなければなりません。このレンジを外れると、わさびは育つことがむずかしくなり、死んでしまうこともあります。
川や、山からながれてくる沢の水では育てることができないのはこのためです。川の水ですと、夏は16℃以上まで上がりますし、冬は0℃近くまで冷たくなってしまいます。

一方で、湧き水の場合、その水温は年間通して、ほぼ一定です。一年中14℃前後の水温を保っています。井戸水も同じです。
勝手に湧き出していないだけで、井戸水も湧き水と同じ地下水ですから、その水を地下からはこび上げることができれば、わさびの生産に当りまえに使えます。

でも…。問題が…。

あるのですよ、問題が…。
井戸水を運び上げるにはお金がかかります。

わさびの生産では、24時間365日、いつも水を流さなければなりません。
湧き水は勝手に水が出てくれますから、なにも気にすることなく水をじゃんじゃん使うことができます。
でも井戸水はちがいます。井戸水を地面のうえに流すには、地下から水を運び上げなければなりません。
そのために、ふつうはポンプを使って水をくみ上げます。動力は電気か軽油です。24時間365日流さないといけないため、ポンプは動きっぱなしです。電気や軽油が、それこそ湯水のごとく必要となります…。

養魚場全体をわさびに使用するばあい、電気を動力とするポンプを使って水をくみ上げるとすると、必要な水の量をくみ上げるために、ざっと計算して月10万円かかります。

月10万円!!

わさびは育てるのに1年半から2年はかかります。最初の2年は収入がありません。それに対して、水を使うためだけに240万円という大金を払わなければなりません。
生産に必要になるコストは、他にも色々あります。なのに、水を流すだけで240万円!
私にはむりです…。

わさびを作っておられる人たちが、湧き水を利用するには、ちゃんと理由があるのですね。
ということに気づいた一日となりました。ちゃんちゃん(泣)

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