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水、水、水・・・・・・脱水症状恐るべし。〜酷暑の妙義山にてこむら返りにで悶絶の件〜

これは、アウトドアブランド「Col to Col(コル・トゥ・コル)」が立ち上がるまでの経緯と、中の人が何を考えているのかを、三人のメンバー(タッカ・エンゾー・ドフィ)が代わる代わる綴っていく「問わず語り」です。

【タッカの回:005】

今回は登山において失敗談を一つ

私は「山をやります。」

主にソロで低山から3000m級の山、なんでも好き



登山は命をかけた自然との対話

レジャーでありながらある種の自己研鑽

ファンハイクでありながら修行


と大それた事を綴りますが、どんなに注意していても失敗はあるものです

だからこそ、戒めの気持もありあえての回顧


ここでの山行報告は、真夏の記録です。

前日は台風の影響で天気が悪かったのですが、この日は台風一過!

気温上昇、ドピーカンの晴天でした

妙義山

「妙義山」とは日本三大奇勝の一つとして荒々しい岩肌が創り出す自然景観の美しさで有名な群馬県下仁田町にそびえる峰々の総称

金洞山、白雲山、金鶏山を総称として呼ぶことが多く、

標高は白雲山 相馬岳1,104mが最高峰

標高はそんなに高くはないが関東平野を見下ろす景色と険しい岩山が神々しくも思えます


TBSテレビの「世界ふしぎ発見!」では天狗の住う山ということで特集されていたくらい、その姿形は御伽話に出てきそうな様相です


さて、この日も私はソロで入山

装備はハイグレードの山のため本チャンルート装備

登山マップ

参考までに以下

・ロープ、ハーネス、カラビナ、デイジーチェーンといった山陵装備

・昼食、軽食、行動食といったエネルギー源

・山頂で飲むためのドリップコーヒー

・バーナー

・カンテラ

・地図・コンパス

・救急キッド チェルト

・洋服・雨具


・「水」ハイドレーション1.8ℓ & 500ml(いろはす)計2.3ℓ


といったもの


これだけ見ると、総重量10キロくらいかしらね

日帰り登山を想定していたのでこんなもんでしょう


ちなみに日本山岳協会が推奨している水分量の計算式は

給水量=脱水量×0.70〜0.80

脱水量とは、かく汗の量
給水量とは、摂る水の量
必要な水の量(給水量)は、かいた汗の量(脱水量)の70~80%という意味です。


汗の量をだいたい把握するための計算式

脱水量=体重(kg)×行動時間(H)×5(mℓ)


私の体重は78kgなので


78kg×山行6時間×5=2340mℓとなります


上の式に当てはめると

給水量=2340mℓ×6時間×0.7=1638mℓ


まあ、今回用意した水分は2.3ℓなので、少し多めですね。


【ルート】 

妙義神社〜大の字〜見晴〜玉石〜白雲山〜相馬岳〜タルワキ沢経由〜下山


ウェザーマップによる【予想最高気温25℃】

早朝6:00 道の駅みょうぎに車を停めてエントリー

順調にクライム

大の字にて眼下に広がる形式を堪能し休憩

大の字、本当に「大」がある
関東平野を眺める


気温がみるみる上がってきました。吹き出した汗は頬をつたい滝のよう。

ヘルメットから伝ってくる汗、サングラスもくもるくもる

ムワッとした湿度

ハイドレーショからこまめに飲んで熱中症予防を意識


またピーク目指してクライム

稜線に出て大好きな【コーヒー】を入れホッと一息。そしてこぼす。

           ⬆︎

     ココが後から響いてくる!!

この湯を沸かしているときにひっくり返した
このコーヒーを飲むために登っていると言っても過言ではない


核心部を諸々超えて……


ハイドレーションで水分補給しながらピークへ
鎖場


相馬岳山頂 到着 絶景に胸をうたれ感激、景観を楽しみ

タルワキ沢経由で下山

タルワキ沢分岐

後はフラットに近い山道を妙義神社方面へトラバースしながら駐車場へというときでした


肩から出ているハイドレーションのチューブから水が……。

出ない……。

私の肺活量4500ccくらいあります

成人男性では一般的に3500ccと言われています

私は、いつも検査では看護師さんに驚かれます

少し誇らしいです


しかし、その肺活量をもってしても「水」が出てこない


「ヤバい!まずい!」


別途持っていた いろはす500mℓはすでにコーヒーで沸かし、全て使い切っていました

いや、この時、こぼして300mℓは打ち水となっていました


入山して約5時間

そんなに経過していないが、思った以上に湿度が高いし、気温が上がり水分を摂っていたことに気づきました

山頂で昼食時、確認した時は「ちょっと少ないか?」程度でしたが、まさかゼロとは…


日本の山陵は水が豊富であるのが特徴ですが、この妙義山は水場は皆無の岩稜地帯

途中で給水ポイントはないのです

地図をみてもそれらしいところは、ない。

沢と言っても名ばかしで干涸びている。


うーん


喉が渇いた、給水できる神社までは約65分


フラットな山道とはいえ大分遠い


まだ、動けるので今のうち距離を稼ぎ少しでもゴールを目指す

いよいよ辛くなり、途中、登山客がいたら声をかけて水を分けてもらおうと考えていましたが……


誰もいない。


そもそも平日で前日まで台風で大荒れ

そりゃ少ないよね


歩けど、歩けど水場らしいものはなし、炎天下

Tシャツは汗が乾いて塩になる


口の中がからから 喉はパリパリ、ハリハリ


その時です


両脚の太ももの裏側、ハムストリングがギューーーン!

つりました。こむら返しです。

筋肉がギュッと萎縮し、見た目はスーパーサイヤ人並みの筋張ったことに

こりゃ、立っていられぬと、とりあえず荷物を置いて横になりストレッチ

少し楽になったなーと思い再び荷物を背負うと……


ギュイーーーン!!


連続でつります


これを数回繰り返しながら、悶絶。

なんとか歩を進めるも全然距離は稼げず

そして、目の前に現れたのは人工的に作られたパイプの長階段

普段なら、下山直近のドフラットな安定した足元は助かるのですが

ここでは、えらい長い地獄の階段


手すりがついていたのが幸い、私の脚は使い物にならず

全力で手すりに身を委ね

腕力8:脚力2

で牛歩戦術で一歩一歩進む


塩分が欲しい…


その時、苦肉の策でとったのが、腕に吹き出した汗の塊、「塩」です。

キャップのツバに乾いて浮き上がった「塩」

山頂で着替えたTシャツをザックの表面に干して「塩」を浮き上がらせる

これこそ、まさに自家発電…否! 自家塩田!!


腕も舐め、キャップを舐める

塩っぱさが口に染み渡ると唾液も出るわ出るわ


頭は冴えるし、何より体が少し楽になった気がしました。

木陰で小休止、塩という塩を探し、摂取


全集中でとりあえず前へ

四苦八苦しながらやっとで辿り着いた妙義神社

鳥居が見えた時はホッとしたな〜〜

神社の水道は癒しの泉でした。

蛇口から出る水は天の恵み

無我夢中で飲んだのは忘れられません


この山行で学んだことは、天候に合わせて水分を余分に持っていく

水分摂取は計画的に!

水場がない山こそ、慎重に。

塩分、大事。(市販で売られている塩分タブレットも有効)


そして、山行前の身体は入念に洗う!

きれいな身体から噴き出る汗は美味しい「塩」をつくり出すはず

万が一のことを考え、備えましょう



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