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いばらの城

嫌われないように、
生き残れるように、


君が作り上げた
いばらの城。



そこには望み通り、
誰も入れない。


そこは、生い茂る植物で、
いつも薄暗い。



君は、絡まる蔦に
身動きが取れない。


棘が刺さって
流れる血は、

どれだけ
理想の仮想現実を作っても、

純粋さを忘れられない
魂が流す、赤い涙。



感じることを止められない、
健気な身体が

「ここにいるよ」と
叫び続けているのに。


君は、
いばらをより深く、
より強くしようとして、

また、血が流れる。




石の塔の上で、
君が眠る。


嵐の夜に、
君はふと思う。


「こんなはずじゃなかった」


真っ白な頬の上を
涙がつたう。


「私が生きたいのは、
こんな世界じゃない。


ただ、あなたと・・・」


その続きを、
雷がかき消した。


でも、
僕には聴こえたよ。




君は、知っている。
本当の自分を。


王子様が
助けに行くまでもなく、


君は、
自分でそのいばらを
振りほどくことができる。




だから、
僕は迎えに行かない。


君がくちづけをしに来る日を、
待ち続ける。


何千年でも、何万年でも。




思い出してくれるかな。


君は、自分で思っているより、
弱くて、
勇敢だってことを。









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