女の子の研究リファレンス【書籍編】

先日に引き続き、私の女の子の研究のベースとなる先行作品を紹介していく。

他のリファレンスはこちら↓

女の子の研究リファレンス【CDアルバム編】


今回は書籍編。

以下の2冊を紹介する。

①嶽本野ばら「それいゆ」

②美輪明宏「美輪明宏のおしゃれ大図鑑」

それでは参りましょう。


①嶽本野ばら「それいぬ」

これは私が「女の子」について一生の研究をはじめるきっかけとなった本であり、私の「女の子観」の形成に、計り知れない影響を与えた本である。

正直に申し上げると、私の「〇〇な女の子」シリーズの詩(のような小説のようなもの)は、この本の内容をかなり踏襲している。

丸パクリではないが、少なくともテーマの選択と、この本全体に貫かれている「女の子観」は、そのまま受け継いでいる。

野ばらさん本人も「それいぬを超えられない」と言われることもあるそうだが、私は未だ、この本の中をさまよっているといった風情だ。


とにかく、ここまで「乙女」を勇気づける本はない。

反省するな、社会性を持つな、とにかく硬質なプライドを持って、美しい理想に生きろというメッセージがそこにある。

女の子って、本来パンクな生き物だ。

反抗的というより、自分のルールで生きる生き物。

好きなもの、愛するものを定義し、突き進む女の子。

それ以上にキラキラした存在は、この世にないだろう。

澁澤龍彦、泉鏡花を思わせる(ペダンな悪筆、と本人は書いているが)語彙にあふれたロマンティックな文章も大好き。

中学2年生でこれを初めて読んだとき、こんなレベルの高い文章を書ける人がいるんだ、と感動したのをよく覚えている。

高尚な有名作家とは少し違った、毒のある筆致に未だに魅了され、文章を書く際の読み返し度も高い1冊。

この本がなければ、書き手としての「COKO」は存在しなかったかもしれない。


②美輪明宏「美輪明宏のおしゃれ大図鑑」

「無人島に1冊だけ本を持っていっていいとしたら?」と聞かれたら、まずこの本が浮かぶ。

そのあと、嶽本野ばらの「下妻物語」か?芦原すなおの「青春デンデケデケデケ」か?村上春樹の「ノルウェイの森」?伊藤たかみ「17歳のヒット・パレード(B面)」?内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」?などなど、ひとしきり考えた後に、やっぱりこの「おしゃれ大図鑑」を選ぶ。

この本には、女の子を輝かせるための宝石が詰まっている。

香水、クラシック音楽、マリーローランサンの絵、高畠華宵、古い映画。

「教養」という言葉の堅苦しいイメージよりも、もっとときめくものが、星のように散りばめられている。

ときめきにも、質がある。

とてもお腹が空いている時にカレー屋さんの前を通ったら、たしかにときめく。

しかし真に上質なときめきとは、自分よりも上のものに憧れる気持ちである。


そして、この本は、異性の目、という観点を忘れさせてくれる。

この本は、女の子が女の子であるための、修練場のような場所でもある。

女の子は「人からどう見えるか」を、気にしすぎる傾向がある。

この本は、美しいもの、かわいいもの、心から好きなものに目を向けることの楽しさを教えてくれる。

自分の世界をもつこと、自分の流儀をもつことは、素敵な女の子の条件だ。


美輪さんの優美な文章と、ふんだんなイラスト、図、写真が、オールカラーで掲載されているのも良い。

じっくり読むもよし、ゆったり眺めるもよしの、一息つく時間にぴったりの1冊である。



終わりに:異性の感性をもつこと

今回ご紹介した2冊は、両方とも、女性的な感性を持った男性によって描かれたものである。

女性的な感性を持った男性って、最強だと思う。


男性は縦社会的な、「クラス」という概念を、強く持っている。

「本物」と「偽物」、「上等」と「下等」、「リーダー」と「しもべ」。

フェイクを排斥し、自分よりも上級のものに心動かされる。

上質を手に入れたいと切望する気持ちは、男性的だと私は思う。


一方、女性は、横のつながり的な世界観が強い。

女性にとって、対象がフェイクか本物かは、あまり問題ではない。

フェイクを駆逐せず、フェイクのまま、自分の世界の中に置いて愛する。

だから女性の世界には、遊びがあり、文化がある。


女性の感性を持った男性の中には、上質な遊び、上質な文化がある。

無邪気に生きて、色々な刺激を楽しむ一方で、より上質なものを選び取る力をもっている。

彼らは縦と横を組み合わせた、より立体的な目で世界を見ている。

広く豊かなその世界は、輝くものであふれている。


同じ理由で、男性的な感性をもった女性も、同じくらい最強だ。

美しくないものを排斥し、より美しい世界を目指して、文化を極めている人の生き方に、本当に憧れる。

上質な文化の中に生きる人の話が、いちばん面白い。




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