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朝起き不良を治すには〇〇が必要だった〜起立性調節障害

最近の個人的課題として、起立性調節障害のお子さんのご症状のうち、朝起き不良の治療が思うように進まない点があります

精神科医の樺沢 紫苑さんの著書、「精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法」を見ていて、個人的に感じることがありましたので、漢方相談の場という狭い範囲からの個人的見解ですが、文字にしてみたいと思います
色々な要因が絡み合った病気ですので、これが全てではないことをご了承ください

人に幸せを感じさせる3大ホルモンは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンです(その他のホルモンを入れると百種類以上になるそうです)

セロトニンは、やすらぎ、気分の安定の幸せ
オキシトシンは愛、つながりの幸せ
ドーパミンは、お金や成功、達成の幸せ

この3大ホルモンは、氏の著書では優先順位が、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンとなっています

これは大人が成功を築きあげる際にも重要な順番でもあり、自分の体を顧みず働いて病気になったり、家庭の繋がりを無視して大金を得たところで、幸せは感じられないことからも納得がいきます

朝起き不良の初発は、第2次成長期の始まりである小学5年生頃に多い印象があります
体の成長と相まって、親・友達との関係が変化し、受験・進学などのイベントも重なる頃で、精神的にも揺れ易い時期です

この頃、敏感なお子さんは脳内ホルモンに揺らぎが出て、幸福感の低下を感じる可能性があります

その一方、ドーパミン的幸福はスマホの出現で簡単に満たされます
スマホさえ持っていれば、もうどこにも出かける必要なく幸福感・満足感を得られます

スマホ依存は、視聴時間が長くなることで睡眠や体調不良を引き起こすことでセロトニン的幸福を壊し、

スマホを制限しようとする親との関係、自立心の芽生えなどで、幼少期のような愛情が満たされない感覚や、さまざまな理由でオキシトシン的幸福が減少し、その分ドーパミン的幸福に依存し、悪循環をもたらしていくと予想されます

それでは、この状態から脱するためにどうするか

まずは氏の説でいうところのセロトニン的幸福を感じることが優先です
それには腸を整え、体の痛み・不快感を取り除きます
この時、どこまでスマホをやめられるかが重要です

次にオキシトシン的幸福
ここではご両親や友人たちとの関係など環境の影響が大切でしょう
物理的にはスキンシップやハグすることでオキシトシンが分泌されると言われています

話は逸れますが、大人のドラッグ依存はドーパミン、セックス依存はオキシトシンの満足を得たい欲求から来るものと思われますが、手段が間違っていることからその目的は果たせません

そして最後に、朝起きて、学校に行きたいというモチベーションがあること
修学旅行、遠足、文化祭、体育祭、家族旅行の時には、早朝から起床できるお子さんが多いことからもモチベーションの大事さを感じます

セロトニン的幸福は、漢方薬で整えられます
オキシトシン的幸福は、ご家族のご協力が必須です
そしてドーパミン的幸福は、スマホからではなく、何か力が湧いてくるモチベーションの素を見つけていく作業が必要となります

現在、漢方薬がどこまでカバーできるかを検討しています
できるだけ広い範囲を漢方薬と漢方コーチングでカバーできれば、朝起き不良の改善率が上がるのではないかと考えています

いずれにしても、「これさえ飲めば学校に行けるようになりますよ!」的なお薬は存在しないということでしょう
お家族ぐるみでのご協力が必要となってきます

#漢方薬剤師note #起立性調節障害 #朝起き不良 #不登校 #漢方薬


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