浮かんで初めて自分を知る
友の記憶から切り離され
カランコロンと音とともに
目の前を白い紙が通り過ぎる
左右に動く君の手が
僕には最後の挨拶に見えた
押されたスイッチで流れ押し出されていく
散りゆく花のように舞いながら
友に気づかれることもなく
この場所をあとにする
僕は君に友情を感じていた
進むに連れて固くなる体に君との絆の深さを重ねてた
でも離れていく運命だと
真っ暗の道の中でわかったんだ
水の流れに身を任せ
下がり続ける体温が僕をより孤独にする
微かに残る記憶と共に
引き裂かれ
それでも止まらない流れの中で
粉々になっていく
誰が何を言おうと
辿り着く場所は
初めから決まっていた
言い訳を重ねる間もなく
君から僕は遠ざかっていく
愛知県瀬戸市にある本屋「本・ひとしずく」より発行されたZINE「ノートイレ!ノーライフ!」。「トイレ」をテーマに、20人が参加したアンソロジー。HUT BOOKSTORE店主として私も「トイレのサイン」について寄稿させていただきました。
寄稿した文章はそこそこ真面目に書いたつもりです。
ので…ここは遊びで散文を。
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