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【NetSuite VS SAP】規模とわかりやすさの比較 ~ITコンサルタント視点での比較~

私は、NetSuiteとSAP(HANA、R/3)の2つのERPパッケージにそれぞれITコンサルタントやエンジニアとして携わる機会がありました。そこで、2つのパッケージ開発・導入・運用に関わった視点からの比較をしてみたいと思います。

ちなみに過去、こんな記事も書いていますので是非ご覧ください!


1.規模

パッケージを導入・運用する企業の規模についてです。

NetSuite

NetSuiteの利点の1つに「導入期間の短さ」があると思います。
ビジネスを行う上での最低限の機能を備えており、さらに完全にクラウド上で動作するため、インフラを考慮する必要がありません。
そのため、業務フローが多く煩雑ではないビジネスを行う中小企業やスタートアップ企業で用いられると利点が多い印象です。

ただ業務フローが多岐にわたるとNetSuiteの利用が向いていないかというとそういうことではありません。

NetSuiteではワークフローのカスタマイズが視覚的にわかりやすく行うことができるため、業務ごとに合わせてワークフローを組むことで企業にあったカスタマイズをすることが可能です。

SAP

SAPを導入している会社は所謂大企業が多い印象です(中小企業でもSAPを導入しているところもあります)。

NetSuiteとは違い、SAPでは物理的なサーバーを用意し、何万件といった大量のデータを高速に処理をすることが可能です。
一方で、インフラを構築する必要があるため、実際に運用に乗せるまでにアプリケーションの設計だけでなく、
1. インフラの設計・構築
2. インフラとアプリケーションのテスト
を行うこと求められるため開発の工数が多くなります。

しかし、NetSuiteでは処理できないほどの大量のデータを扱うことができるようになるため、運用で利用する際にシステム利用にかかる時間やストレスは少なくて済むかと思います。

2.わかりやすさ

こちらはだいぶ私の主観もはいってきてしまっております。

NetSuite

トランザクション/マスタデータ(NetSuite内ではリスト)/作成される仕訳データ/勘定/生成されるレポートについてはNetSuiteの方がSAPより分かりやすいです。

クラウド型のERPということで、NetSuiteはすべてWebブラウザで操作されることになります。専用のGUIを使用するSAPと比較すると、視覚的にデータの関連性を確認することができます。

また、NetSuite-SuiteScriptで開発をする際にはデータがどのようにDB-テーブルにどのように保存されているかを考慮する必要がなく、SuiteScriptのAPIを呼び出すことでカスタマイズが可能です。

SAP

SAPでもデータの関連性を確認することは可能ですが、データベースのテーブルを理解していないとABAP(SAPの開発言語)による開発は難しいです。

SAPでの伝票は、基本的にヘッダデータと明細データでテーブルが分かれていること、承認状態で保存されるテーブルが違うこと、そもそもデータを入力するためにはトランザクションコードと呼ばれる4桁以上の英数字のコードを覚えておくことが必要になります。

データを一見しただけではその意味がわからないため、会計知識はもちろんのこと、さらにSAPでのデータの扱いの知識がないと伝票や仕訳の意味を理解することができません。

さいごに

ここまでNetSuiteとSAPについて、「規模」と「わかりやすさ」で比較してきました。
今後もう少しまとめて別の観点からも比較して、ERPを導入検討している企業様やITコンサルタントやエンジニアの方のキャリア形成の参考になるような記事を作成していこうと思います!