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データ革命とビジネス

滋賀大学データサイエンス学部の河本教授の日経新聞のやさしい経済学の登校も今日で9回目。毎日、考えさせる内容。

本日のタイトルは、「日本が低迷する理由」。河本先生の指摘をビジネス・実務サイドでどうすればよいか。私や当社で何ができるかを考えていきたい。

結論は、『大半は既存業務の課題解決にとどまり、ビジネスプロセスやビジネスモデルを変革するまでには至っていない。その原因は、データや分析力といった手段の不備よりも、日本企業の体質にあると考える。このままでは、「データ時代における国際競争力は、ますます低迷するでしょう。」』とのこと。低迷させないにはどうするか?

1つ目:『「継続する仕組み」。変えないことは問題にせず、変えることには理由を問い、3年以内というように近視眼的な成果を求めることは多い。その結果、変わらないで当たり前、変える際の合意形成の壁は高い、といった「変わらない企業体質」が形成される。』

変わらなくても生きていけるのであれば、変わる必要はないと感じるのが普通ではないだろうか?AIや機械学習でどのようなイノベーションが生まれるのかを伝えて行く必要があると思う。何でもかんでもAIではなく、AIに向いていないこと。例えば、人間で行った精度が90%として、AIが93%の精度。精度が3%上がるだけで進めるであろうか?実感してもらうには、成果があったというのを体験してもらう。ただ、私の実感では、まず、そもそもデータが揃っていない、データを蓄積させることから始めないといけない企業が多い。難しい・・・啓蒙することも重要だが、それはビジネスとしては儲からない。。。

2つ目:『組織形態や業務プロセスを「作り込む習性」。設備を切り詰めようと、IT(情報技術)システムを自社業務に合うよう細部までカスタマイズすれば、オペレーションは複雑化してしまう。その結果、全体最適を進められない、変えるのに時間やコストがかかる、といった「変えにくい企業体質」が形成される。』

組織形態ってまず何でしょう?そこから整理していきましょう。偶然、先週、東工大のMoTの講義で学習したので。組織メンバーの協働を円滑に促進することをゴールとして、各部門の事業計画や業務目標を円滑に遂行させるモノ、そのような組織の形であると理解する。そのような形を細部までカスタマイズすることで結果的に全体最適にならない。ということを河本先生はおっしゃているのでしょう。細部まで落とし込んでいくことは悪いとは思わないが、もしその結果全体最適にならないのであればもったいない。というか、もしかしたら企業経営の視点では意味がないかも。本人は全体が見えないので、どうしても自分の領域や部門を良かれとするのは当然。ここは、トップがまず、全体最適とは何か?を設計する必要があるかもしれない。これも難しい問題だ。

3つ目:『「暗黙知カルチャー」。現場において勘と経験に優れた人を尊重する、プロセスを問わず結果責任を問う。その結果、勘と経験による意思決定権を手放したがらない、暗黙知による仕事の居心地から抜けたがらない、形式知化することで露見する不適切な決め方に目を背ける、という「変えたがらない企業体質」が形成される。』

私は、勘、特に直感を軽視してはいけないと考える。その勘、直感は経験から来るものである。人間の意思決定、企業の意思決定の手段として、過去のデータからパターンや類似性をAIが読み取り、予測する。そのAIが算出したAIの結果と、直感の両方から、判断すればいいのでは?と考える。これは、当社のようなマーケティング領域に限定しており、設備の機械の故障の予測などは、正解が決まっているので、やはり勘や経験よりもデータから判断すべきだと思う。これも難しいのであるが、もし人間の勘の精度が90%、AIの精度が93%であって、かつ、AI導入にかかる費用が、経験で人を育てるよりと比べて、あまり変わらないのであれば、人の経験も軽視できない。そのような思考になるのかもしれない。ただし、人口が減少する環境において、マシン(AI)が代替できる部分は、人に任せてもよいのでは?

結論として、私や当社ができることは、ポストAIの分かりやすい社会などを啓蒙する、分かりやすく説明すること。(マーケティングの領域においては)直感もいいけど、過去のデータの類似性やパターンからの結果の両方を意思決定の一つのツールとして使ってみてはどうか?正解がないんであれば。という内容を理解してもらう。そして、AI導入にかかるコストをもっと下げること。これについては、今取り組んでおり、どこかの機会で話する。

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